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1DAYトーナメントを闘い抜く人を見た日(2023年4月29日、東京女子プロレスを観戦して思ったこと)
東京女子プロレスを観ると幸せな気持ちになる。
東京女子プロレスでしか摂取できない心の栄養がある。
観る度にそう確信してまた観に行く好循環の中、この日は1日で優勝者が決まる「品川3人祭り」と題された6人タッグトーナメント!
全7チームの参戦となったトーナメント。まずは伊藤麻希選手が今年デビューした風城ハルと大久保琉那を引き連れて登場。コーナートップに座って腕組みする伊藤選手、その左右前方に控えるハル選手琉那選手という絵面の映えること!
対するは愛野ユキ&らく&原宿ぽむ、推し合う三角関係の可愛くも頼もしいチーム!
ハル選手、琉那選手が技をかけられたり、ぽむ選手に頬をムニュムニュされたりすると「痛くない!」「さわるな!」と檄を飛ばす伊藤選手の姉御感が最高!
辰巳リカ&渡辺未詩の白昼夢タッグにHIMAWARI選手が加わったチームと瑞希&坂崎ユカのマジカルラビッツ+鈴木志乃選手との一戦。先輩選手陣(敵味方問わず!)に振り回されるHIMAWARI選手には、思わず「強く生きて……!」と声援を送っていた。女優としても活動しているHIMAWARI選手は、姿勢(ポーズ)の見せ方が特に上手いなと改めて思った試合でもあった。
1回戦第3試合は中島翔子&ハイパーミサヲ&鳥喰かやの享楽鳥鳴と、上福ゆき&桐生真弥&凍雅との一戦。おなじみミサヲ選手のマイクから始まったと思いきや、すかさず上福選手が攻撃! 人が喋っているのを邪魔するなんて良くないよね、こういう時どうする? と言われた桐生選手、出番だ! ミサヲ選手の上で土下座(謝罪式ダブルニードロップ)炸裂。本日の唯一の見せ場であるマイクを邪魔して申し訳ございません、と3人で頭を下げる姿に爆笑。まさかこんなに早く桐生選手の土下座を見られるとは……!
続いては乃蒼ヒカリ選手と上原わかな選手のシングルマッチ。ヒカリ選手がわかな選手を降した後、わかな選手の頭を撫でていたのがたまらなく可愛かった。
トーナメント準決勝、まずは愛野ユキ&らく&原宿ぽむ対辰巳リカ&渡辺未詩&HIMAWARI。らく選手が枕を持ち込んだと思いきや、リング中央で3人並んでスヤスヤ……可愛い。これには辰巳選手も思わず「いい寝顔してるな」 この隙に「よっしゃ行くぞー!」と仕掛けるも反撃を食らうという展開になり、最終的にらく選手が勝利を決めた。
準決勝2試合目、享楽鳥鳴に対するは鈴芽&遠藤有栖&猫はるな。ミサヲ選手は決勝に向け、ここは省エネ作戦で瞬殺だーとお馴染みのアイススプレーで奇襲。瞬殺とはならず、双方とも機動力全開の戦いに。「鳥! 鳥!」と鳥喰選手に檄を飛ばす中島選手が印象的だった。
トーナメント決勝前に、宮本もか選手とソーヤー・レック選手のシングルマッチ。頭一つ以上背が高いソーヤー選手に果敢にぶつかっていくもか選手。先月は水波綾選手とシングルで戦っているので、体格差チャレンジシリーズなのかもしれない。そんなことをふと思った。
いよいよ決勝戦。ミサヲ選手のマイクを待つ観客からの期待のこもった「3回目! 3回目!」コールに応え、決勝は正々堂々と勝負、と宣言。しかし試合が進むと「合戦だー!」と鬨の声をあげるミサヲ選手。ミサヲ選手とぽむ選手を大将とした騎馬戦の体勢になり、ぽむ選手の采配で愛野選手が鳥喰選手のスネを蹴ってミサヲ選手の騎馬を崩した。その後も両者力の限り戦って魅せてくれたが、この騎馬戦の勝利が最終的な勝利につながった……のかもしれない。ぽむ選手が鳥喰選手を降して勝利した。
優勝を満面の笑みで喜ぶ3人の可愛いこと……! 締めのマイクを任されて戸惑うぽむ選手もお茶目だった。
何と言うか、愛でる可愛さに目が向きがちではあるけれど、女子であることを楽しんでいる選手たちの有り様が、とても心強く感じる。プロレスという、生身の身体で闘う様式を介しているからこそ、選手たちの有り様に説得力があるのだろう。東京女子プロレスを観ると幸せな気持ちになるのは、この説得力があることが大きい気がする。
そんなことを思った試合だった。
さて、次はどんな試合を観られるかな。