闘う人を見て詩人モードになった日【考察編】(2023年4月23日、スターダムを観戦して思ったこと)
色々ありすぎてすごい試合だった。
順を追って端的に感想を並べるとこうなる。
中西百重選手すごい巧み!
向後桃選手大丈夫かな?(後日、療養のため欠場との公式発表あり)
テクラ選手カッコいい……!
ポップアップで出てくる駿河メイ選手たち可愛い〜!
「よく聞け。これがプロレスラーだ」やっぱり林下詩美選手カッコいい!!
燃えるような赤に髪色を変えた舞華選手美しい……!
タイトルマッチの勝敗が場外カウントで決まって新チャンピオンになるのはどうなのだろう?
世羅りさ選手の竹刀と木刀の二刀流惚れたー!
試合の借りは試合でしか返せない。このカードで、リング上でなければ、怖さ悔しさを昇華できないのだろう。上谷沙弥選手と白川未奈選手のこの一戦は素晴らしかった。
場外で打ち合う朱里選手と橋本千紘選手に「戻りなさいコラー!」と言うレフェリーがちょっと面白かった。
モネ選手の虎な衣装もカッコいいし、会場から沸き起こった「CEO!」コールも楽しかった!
「可愛い」の怨念が、我が道を行く美しき狂気に絡みついて赤のベルトをもぎ取ったか……。
ランブル戦、タッグマッチ、引退を控えるひめか選手のシングルマッチと続けば、「この後ほとんどタイトルマッチだらけだ、どうなるんだろう!?」とテンションと期待値は上がる。
結論から言うと、私の願望に等しい勝敗予想は1試合しか当たらなかった。
予想が外れてちょっとした落胆も感じたけれど、そんなモヤモヤを吹っ飛ばしてありあまる感動が、その1試合にはあった。
ワンダー・オブ・スターダム選手権試合。上谷沙弥vs白川未奈。
昨年は思いがけぬ幕切れとなり、この日はとうとう満を持して行われた、言わば再試合。
同じカード。でも、何かが違う。何もかも違う。
最大の変化は、白川選手がコズミックエンジェルスを離れ、Club Venusを率いるようになったことだろう。
上谷選手は着々と白いベルトの防衛を積み重ね、歴代最多防衛を記録した。
双方にとって必要な変化だった、と私は思う。
白いベルトを手にするために、コズミックエンジェルスと繋いでいた手を離す。
事故への恐れを払拭して飛ぶための勇気を持つ。
実際、この日の試合中に、上谷選手がコーナートップに登るも、飛ばない、という瞬間があった。
それでも、白川選手と打ち合って、終盤には遂に飛んだ。
お互いの技を受けるのがプロレスの基本姿勢と聞くし、確かにそう見える。ただこの試合の2人は、技だけではなく、それぞれの思いや感情もぶつけ合って受け止め合っているように見えた。
羨ましい、とも思う。
ここに至るまで、慣れ親しんだ居場所を離れるといった変化を、きっとゼロではない恐れや不安も抱えながら、乗り越えて、白いベルトを手にした。その姿、というよりも、生き方に敬意を覚える。
そんなことを思った試合だった。
さて、次はどんな試合を観られるかな。