闘う人を見て音楽のライブを連想した日(2023年5月4日、プロレスリング・ノアを観戦して思ったこと)
奥行き
団体が違うとプロレスの見え方や印象も変わるのだな、と、約5時間滞在した会場を後にしながら思った。
一つ一つの試合そのもの、技とか音とか選手の体格とか衣装とかを楽しむのは、どの団体でも可能で、プロレスを見る視点の一部として共通しているだろう。その上で、各選手が持つ背景などの情報が積み重なって、観続けてきたことで生まれる奥行きが、プロレスを観る楽しさを深く広げていくように思う。
ノアに関して、私にはその奥行きがほぼない状態での観戦となった。
奥行きがないとなると、試合を観た、目撃した印象のみで語ることになる。
(今回はそんな稿なので、知識不足はご容赦ください)
まず思ったのが、全体的な演出が音楽のライブのようだな、ということ。
照明の使い方、選手の入場曲以外の音楽のバリエーション(タイトルマッチ前にジングルのように入っていた)。全試合につけられた外国語のサブタイトルも、洋楽のセットリストみたいだな、と思った。
そう、洋楽。日本語のサポートが欲しい。
と思ったら、三部構成のステージ間に放送席から次のステージの見どころなどの解説が日本語で語られる。
対面バンド式ライブのセット転換中も飽きさせないDJがいるみたいだ、と思った。
出場選手
今回私が観戦した動機は「AMAKUSA選手を見たい」「水波綾選手を見たい」「拳王選手も気になる」「ニンジャ・マック選手の試合も見たい」だった。これらの動機は十二分に満たされ、気になる選手も見つけることができた。
立ち姿、ポーズもいちいち綺麗でカッコいいランセロット選手。
盛り上げ上手で飛び技連発するドラリスティコ選手。
打ちのめした相手を煽りながら手を差し出した中嶋勝彦選手。
気になる選手を見つけた以上、私はこれから、奥行きを作っていくことになるのだろう。
……沼、だな。
今更ながらそんなことを思った試合だった。
さて、次はどんな試合を観られるかな。