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2021/9/12 (日)「日記と写真と生と死」

曇り時々パラパラ雨

前日に夫から
「CHIBA FOTOの展示が最終日だから見に行かない?」
と提案があったので、まわることにした。
午前中から動きたかったが、案の定、12時前に出発。
想定より遅かったがイライラしなかった。
今日の自分はまあまあ穏やかだなと思う。

展示前に国道沿いのサイゼリヤでご飯。
大抵はクリアできないサイゼの間違い探しだが
娘が早々に10個すべての間違いを見つけた。
「まーちゃん、もう全部見つけたよ」
と言った時は、
「え、数え間違いじゃない?」
と思ったけど、そんなことなかった。
難しめなところも含めて全クリでした。
大人の驕りよ。

幸先よくサイゼリヤを後にして
ほぼ斜め向かいの
「市民ギャラリーいなげ」と「旧神谷伝兵衛稲毛別荘」へ。
初めてきたが、気持ちが良い場所だった。

まずは、
「ななめな学校」の日記と写真のワークショップ
(=「夏への扉 日記をつける、写真をとる」という素敵なタイトルがついてます)の成果展示に。
講師の金川晋吾さんとディレクター細谷くんとの往復書簡の中にあった
Barbara Hammerというアーティストの言葉が印象に残った。
”自叙伝をつくりなさい。他人に任せたりしないで”
的な内容だったと思う。
受講者として植本一子さんが参加されていたことを知ってびっくりする。
一子さんの日記を読む。
なんだか、体に鍼を打たれるような文章だなと思う。
ちくっと刺さるけど気持ちいいような。
このワークショップの参加者は、
期間を通じてとても仲が良くなったらしい。
納得。
日記(=なんらかの自分の内部)を開示し合うということは
なかなかやりづらい分、信頼も生まれそうだなと思った。

神谷伝兵衛宅の2階でやっていた
横湯久美さんのお祖母様の死に対峙した写真展示は、
父の四十九日を終えたばかりの自分の状況と重なって
ぐっと入り込めた。
展示資料にあった
「四十九日 成仏できないのは私」という言葉は
まるきりちょっと前の私と同じだ。
(正確にいうと、私は四十九日を終えて、かなり落ち着いた。
時間を置いてちょっとずつ供養していく法要の仕組みは
よくできていると思った。)
家の中をぐるぐる巡る展示構成も
なんだか横湯さんの頭の中をめぐるみたいでよかった。
廊下にあった、横湯さんが骨壺に足を入れようとしている写真には
ハッとした。

子供たちは、お父さんと一緒に
庭の池の鯉に餌やったり、
迷路みたいな昔の邸宅を堪能してくれたので、
私は一人じっくり鑑賞することができた。
ありがたや。

満足した気分で、次の川内倫子さんの展示に向かう。
会場のコミュニティセンター松波分室、
存在は知っていたけど
初めて訪れた。
こちらも昔の邸宅みたいだが
素敵な場所だった。

川内さんの写真は
2016年に生まれた娘さんをめぐる写真だった。

偶然だけど、鑑賞の順番が絶妙だった。
横湯さんの、一本一本杭を打つような死の切り取りと
川内さんの、キラキラ流れる川面のような生の切り取り
くっきりと対比して感じられた。

生と死ってことを思った時に
やはり7月の次女の誕生日に
父が急逝したことが重なった。
誕生日と命日。
生と死を一緒くたに感じる日になってしまった。

さて、川内さんの展示は
娘さんが生まれた直後から2,3歳?くらいのムービーもあって
こんな何気ないシーンもちゃんと撮ってるんだなと
同じ年頃の娘らを持つ身として感心してしまった。
いや、そういう何気ないことに価値があるから撮ってるのかな。
常に、体の横にカメラがあるのかな。

柔らかい光を背景に
しっかりした目とまつげと眉毛と
おそらく食欲旺盛な感じの娘さんがくっきり。
ひとつひとつが綺麗だった。
いつまでもみていられるムービーと写真だった。

昔、カメラマンを夫にもつ子が
夫に
「毎日、子供の写真を撮るように」
と言われたそうだ。
「いや、大変だろ、それ」
と思ったけど
毎日撮るということに意味があるんだろう。
今はなんとなくわかる。

お子さんの写真ではないが
ツバメの赤ちゃんの写真もよかった。
親鳥を凌駕するばかりの勢い。


先の、日記と写真のワークショップの講師をされた
写真家の金川晋吾さんは、
千の葉芸術祭の参加アーティストとして
インタビューを受けていて
「良い写真とは?」という問いに
”あらゆる写真が、何かの記録であるという点でおもしろいものだと思っている"
というような答えをされていた。



写真でも日記でも
それがプロによるものでもそうでなくても
外部的な評価を受けなかったとしても
自分の日常を切り出し提示すること自体に意味がある。
そしてそれを日々続けていくことが、
Barbara Hammerが言うところの自叙伝になるのかな。
そんなことを思って
影響を受けやすい私は
こうして、noteを初めて投稿してみたりしています。

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