#2 実際に習ってみての難しさ
難しいのは「間」でした。
とにかく「間」が怖くて、次々に縄をかけてしまいます。これでは、受け手は縄の感触を味わう時間や、自らのM性を演じる隙がありません。次から次へと縄を受ける状況に「結局この縛り手は何がしたいの?」とリアクションをやめてしまいます。
縛り手は、受け手の無反応な状態に焦ります。縄が足りないと思い、さらに縄を足していきます。無理やりポーズを作りにいきます。結果、冷ややかな時間だけが過ぎていくのです・・・。
緊縛は縛り手のアクションからスタートします。ですから、まず最初は縛り手は少しリードする必要があります。そしてすぐフォローに回り、そしてまた少しだけリードして、すぐフォローに入る、それの繰り返しだと思います。もちろん、流れの中での「決めるポイント(感情のピークポイント)」を作ることは重要です。
相手のトーンを感じ、そのトーンに合わせて縄をかけます。今日は激しくなのか、静かに抱いて欲しいのか、そのトーンを探ります。
言葉では簡単ですが、実際に受け手さんの後ろに座ると、全部飛んでしまい、頭が真っ白になることがあります。これは経験ですね。
気持ちも重要です。極論を言えば、気持ちがすべてです。縛り手が遠慮したり、恥ずかしがったり、あるいは注意力が散漫になったりすれば、受け手さんに一発で見透かされます。吊りもせず、いっけん地味な床縄に見えますが、実はそれほど緻密なやりとりを行っています。見透かされたら、怖いですよ・・・。
ちなみに困ったときは「難儀やな~」とか、雪村先生の関西弁を思い出すようにしています。「#1 なぜ雪村流の縄が好きなのか?」で「恋愛小説」という言葉を出しました。恋愛ですから、時にはすれ違いもあるでしょう。そのすれ違いでさえ「こっちや~」と上手にストーリーに組み込めば、もう立派な縛り手だと思います。頑張りたいですね。
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