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墨のゆらめきを読みました

 三浦しをんワールドのテッパンである「変人とそれに振り回される素人(笑)の話」とあって、終始ニヤニヤ、時に涙ぐみながら読みました!
 途中で代筆屋が出てきたときは、代筆といえば、小川糸さんの「ツバキ文具店」シリーズも良かったなと思い出しました。私の身の回りには代筆屋なんて聞いたことがないけど、本当にこんな商売があるんですかね?最近では退職届を代わりに出す商売があるってネットで見たことがありますけど…。まあ、それとは違って、ツバキ文具店の鳩子や今回の遠田&チカは、(結果的に)カウンセラー&憑依系で、代筆された手紙を読むだけでぐっとくるし似ていると思いながら読んでいたんですけど、さすが三浦しをんワールド、手紙を渡したその後は、そうきたか(笑)!の展開となります。ただ、チカは、最後まで「賃上げを要求する手紙を書きましょう」なんて言っているところが、いやいや、あの子の本音はそこじゃないよね、チカはこれまで周りの人に愛されてきたんだな(ため息)と思っちゃいますね。まあ、だからこそ、遠田への愛情は本物だし、遠田もそれに気付いているよね?いや、気付いてと思わずにはいられません。
 「まほろ駅前シリーズ」の行天と多田のコンビもハラハラしながら見守っていましたが、2巻目の「まほろ駅前番外地」で岡老人(バスの間引きを監視させる)の奥さんから見た2人を描いた話を読んで、いいぞと思ったのを覚えています。
 墨のゆらめきも続編がでて、遠田とチカのこれからが確かめられるといいのにな。でも、本にならなくても、2人は、きっと明るい方へ向かっていると信じられます!
 
 

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