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僕は1度死んでいる


大学2回生の冬、
ロードバイクの大会で結果を残したかった僕は寒い冬の山で登坂を上っては下ってトレーニングをしていた。

ロードバイクは下り坂でも相当な速度が出る。
かなりの速度で下っているときに転けた。


転けたときの記憶はない。
思い出せるのは恐らく転ける前の20秒前で、その次に思い出せるのは地面に横たわっている時だけ。

鎖骨は折れて、手も脚も擦り傷や切り傷でぐちゃぐちゃになった。

ヘルメットは酷く割れていて、多数の小石が突き刺さっていた。


一歩間違えれば自分の頭がこうなっていたと思う。


自分は運よく生き延びただけなんだと思う。
医者にも何もないのが奇跡的だと言われたし、同じ自転車で亡くした知人や友人がいるぐらいだから。

自分は本当はあそこで死んでいて、もしかしたら死んだ自分が見てる都合の良い世界が今の世界なのかもしれない。
そんな風にさえ考えてしまうくらい自分が死んだと思った。


僕はあれから歳をとって25歳になった。

僕は正直いつ死んでもいいと思っている。
だって1度死んだ人生なんだから。

ただ、無気力に生きているわけじゃない。


僕は大学4回生の頃に出会ったお姉さんに言われた
「私は後悔したくないの。いつ死んでも、明日死んでもいいように今を生きたいの。今が一番若くてなんでもできるんだから。」という言葉。

僕はその言葉が頭から離れなかった。
そのお姉さんが後悔したくないとしていたことがただの男遊びだったということはさておき、
その言葉が座右の銘になるくらい、その言葉に影響された。


改めて言う。
僕はいつ死んでもいいと思っている。
なんならこうやってnoteを打ち込んでいる今も死んだって受け入れると思う。
1度死んだ人生なんだから、皆にはない2度目の人生なんだから。

ただ、1度死んでいるからこそ
後悔せずに生きてやろうと思う。

思い切って生きてやろうと思う。


どうせたまたま運よくコンティニューされただけの命だから


僕は1度死んでいる。

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