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『birth!』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

アルバム『HEART』も後半に入りましたね。
今回は6曲目『birth!』です。
今まで気づいていなかったんですが、タイトルにエクスクラメーションマークがついていたんですねw
『birth』とすると何だか勢いがなく感じてしまうので、この曲の勢いを象徴するには『birth!』としておいた方が良いよなぁと今回改めて思いました。

前半5曲のシリアスな印象からここでガラッと雰囲気が変わり、底抜けな明るさを感じさせてくれるのがこの曲『birth!』です。
メンバーもこの曲がアルバムにおけるB面の幕開けといった位置付けにしていたそうですが、まさにそんな感じですよね。
この楽曲の持つ勢い、明るさを最も象徴しているのがイントロのギターのフレーズではないでしょうか。
少し特殊な押さえ方でメジャーコードをガシャガシャと豪快に掻き鳴らすこのフレーズ、すごく好きです。
作曲者のhydeがこの曲を作るときにUK感を意識したそうなのですが、まさにUK感がよく表れたフレーズだなぁと思うんですよ。
この音色のバッキングはほぼ全編を通して続いていき、ところどころでピッチシフターをかけたギターなのかシンセなのかの判断が難しいリード的なフレーズが重なってきます。
このフレーズも何だかUKみを感じるんですよね。
ところがギターソロに入ると徐々に様子がおかしくなります。
ここは当初kenとプロデューサーの岡野さんがインド風アレンジを敢行しようとした時の空気感が残っていて、緩やかなワウをかました音色で演奏されるフレーズはオリエンタルな要素増し増しですよね。
こう言ったソロやソロ前の間奏で違う国に行ったかのようなアプローチをするパターンは今後も見られますが、この曲ほど大胆なアレンジは他にはないかもしれません。

ベースはこの曲もかなりウネウネとしていますよね。
指板を右へ左へと縦横無尽にスライド、グリスしている音がかなり強目に出ていて、いわゆるバンド演奏の縦線をスバっと合わせるというよりは、隙間をある程度埋めながらうねりを出すような効果を演出しています。
こういった演奏スタイルは好みが分かれるところだと思うのですが、個人的にはもはやこれがL'Arc〜en〜Cielだというくらいに象徴的なものだと考えています。
フレージングを見ていくと、コード進行が他の曲とは一風変わったものになっているのも影響して、他ではあまり聴くことのできないような響きのフレーズが多くみられますね。
個人的に好きなのはBメロのフレーズで、一度ハイポジションまで行って高音のフレーズを弾いたところから徐々にローポジションまで戻ってくるんですが、その戻る時の動きがとても美しいんですよ。
ここは必聴だと思います。
あとは曲のラストの部分も興味深くて、普通であればルートの音を伸ばしておきそうな箇所で、勢いのあるグリスでブンっと音を鳴らしてそのまま曲が終わっていくんですよね。
あれもある種発明と言っていいレベルではないでしょうか。

ドラムもかなり聴きどころのあるフレーズが多いです。
ベーシックとなるリズムにまずふんだんにスネアのゴーストノートが入っていて、この少し腰が高く感じられるようなフレーズはまさにyukihiroというイメージがあります。
あとは何と言ってもサビの細かいフレーズですよね。
サビは他の楽器隊がシンプルなフレーズになり、ボーカルのメロディラインもリフレイン的な一定のフレーズになっている一方で、ドラムは細かく刻むようなフレーズでメリハリをつけているのが巧みなアレンジだなぁと。

ボーカルについてはとにかく歌詞が印象的です。
この曲の歌詞、なかなか強烈ですよね。
ただただ前向きで、むしろ前向きすぎてその前向きさに引いてしまうような内容でもありますw
ハイになり過ぎている人を見て引いてしまう感覚ってあると思うんですけども、まさにそんな感じです。
この辺りはインタビューとかを見る限り、hydeもある程度意識して書いているみたいですね。

そういえばshibuya 7days前のリハで、この曲を演奏しようとしたけど構成を忘れてしまったというようなやり取りをしている映像をどこかで見たような記憶が‥
確かにちょっと覚えづらい構成になっているような気もします。


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