『Trinity』松本孝弘(思い入れのある曲シリーズ)
今回は言わずと知れたB’zのギタリストである松本孝弘さんのソロワークスでの名曲、『Trinity』について。
この曲が収録されているのは2002年に発売された『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』という6曲入りのミニアルバムで、『Trinity』はラストの6曲目を飾っています。
ミニアルバムの発売と同じタイミングでフルアルバム『華』もリリースされており、当時どちらを購入しようか迷った末に、値段の安かったミニアルバムの方を購入したのを今でも覚えています。
この二つのアルバムはそれぞれ作品全体のテーマ性が異なっていて、ミニアルバムの方はロックに寄った楽曲が、アルバムの方はよりメロディを重視したオリエンタルな楽曲が多くなっていました。
自ずとこのミニアルバムに収録されているのはアップテンポな楽曲が多くなっているのですが、この『Trinity』は少し他とは雰囲気が違い、スローテンポのバラードのような曲調になっています。
正直この『Trinity』を聴くまで、ギターインストと言えばロックで、何だったらテクニカルな速弾きが凝縮されているものが至高!と思っていました。
そんな自分の嗜好にミニアルバムの5曲目まではグイグイ刺さるもので(ゴリゴリの速弾きはそれほど入っていませんが)、満足満足と。
そんな中で最後に流れてきたのがこの『Trinity』です。
いわゆるロック的な曲調でも、速弾きが繰り広げられているわけでもない楽曲なのですが、ギターが泣いている!と、安っぽい感想を述べてしまいたくなるくらいに魅了されてしまいました。
そんじょそこらのボーカルでは太刀打ちできないくらいに表情豊かな演奏です。
レガートやチョーキングを上手く活用していることは五流ギタリストの筆者でもわかるのですが、譜面には表し得ない表現方法が多数込められていると思います。
ちなみにこの『Trinity』を聴いてから同時発売のアルバム『華』を聴くと良い流れでアルバムの世界観に浸っていけるので、『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』という流れで聴くのが筆者のおすすめです。
どちらの作品もお勧めできるので、心が動かされるギターインストが聴きたい!という方がいたら是非トライしてみてください。