『星に願いを』Cocco(思い入れのある曲シリーズ)

今日はCoccoさんの楽曲について取り上げたいと思います。

皆さんはCoccoさんの音楽に対してどんな印象を持っているでしょうか？

なかなかに強烈な歌詞を書くのでそこに注目している方も多いでしょうし、その歌詞を透明感のある歌声で歌い上げるCoccoさんのボーカルが何と言っても好きだという方もたくさんいると思います。

そういったところには筆者も同意した上で、更にここが良い！と思っているのはバンドサウンドの格好良さです。

特にアルバムでいうと『サングローズ』までのバンドサウンドはグランジ、オルタナ的な生々しさ、粗野な部分を持ち合わせているような印象で、それを邦楽のPOPシーンで通用するような良質でポップなメロディと共存させているのに唯一無二さを感じています。

バンドサウンド全体が漏れなく格好良いのですが、元々ベーシストの根岸孝旨さんが編曲、プロデュースしていることもあり、ベースの格好良さはその中でも際立っています。

今回取り上げた『星に願いを』はアルバム『サングローズ』に収録されているシングル曲なのですが、シングル曲とは思えないほど暗く鬱々とした楽曲になっています。

イントロとサビで鳴っている高音弦のアルペジオフレーズはタイトル『星に願いを』を連想させるような少しキラキラしたフレーズである一方で、下の方ではギターとベースのユニゾンリフが這うように繰り返されていく。
そこに乗るCoccoさんのボーカルはあまり高低差のない淡々とした歌い方が印象的で、サビの最後の方でのみ少し高音に上がり、吐き捨てるようにサビが終わる展開が『星に願いを』というタイトルとのギャップが凄い。
歌詞もキラキラとした願いをするような内容ではなく、むしろもう終わらせてくれと言うようなネガティブな訴えが込められています。

グランジオルタナ好きにも刺さるような楽曲になっていると思うので、まだ聴いたことがないと言う方がいたら是非聴いて見てください。