入院記録④初めての完食



外泊での発見

以前からお昼ご飯は食パン2枚を食べていた。外泊でも入院前と同様お昼に食パン2枚を食べた。久々のパンはとても美味しかった。
この時、1枚半くらい食べた辺りから満腹感を感じているものの、まだ食べ続けられている自分に気付いた。
お昼のパンはずっと2枚で慣れていて、それで吐いたりしたこともないので、満腹感があっても吐かないから大丈夫という確信があったから食べ続けられたのだと思う。

そこから、満腹を感じ始めてもまだ入るのでは?と気付いた。思い返してみると普段は満腹感が吐き気に繋がる気がして怖くて、いつも白米を食べる時は腹八分目で止めていた。

外泊から戻り病院に帰ってから、腹八分目で止めるのをやめて満腹を感じても食べ続けるように頑張ってみたところ、ある程度のところまでは多少の満腹感があるが、それを超えると逆に何も感じなくなることに気付いた。

メンタル面の工夫

もちろん、満腹感を無視して食べる!と口で言うだけなら簡単だけど実際はそうもいかないので、それ以外にもメンタル面で自分なりに工夫していた。

1つは、2Lのペットボトルに食事を詰め込む想像をすること。胃は2Lまで広がると聞いたことがあるから、このくらいの量なら胃に入り切るから大丈夫、と自己暗示していた。実際、もし本当にペットボトルに詰め込んだとしても多分1L分くらいの量だったので、ハードルが低く感じられた。

それから、食べ切れる想像をすること。食べる前から「多分これしか入らないな」と残す想像をして食べ始めると、その想像した分だけ食べ切れて本当はまだもう少し食べられそうだったとしても、それ以上食べようと思えず箸が進まない。なので、無理かもしれなくても全部食べ切れている自分を想像をして食べるようにしていた。

母の言葉

母は身体的な病気で思うように食事をとれず痩せてしまったことがあり、その頃の体験談を話してくれた。「食べるのは辛いけど、良くなるためには食べるしかないから、苦しくてもとにかく口に入れた」と言っていて、実際母は今何の困難もなく食事をとれている。そんな母の言葉を信じて、食事中辛くなっても「食べるしかない」と母が話してくれたことを思い出しながら食べ続けるようにしていた。不安なことや辛いことを相談すると優しく受け入れて応援してくれたので、母の存在が入院中大きな支えになった。

初完食

この満腹感についての発見と自分なりの工夫のおかげで、初めて完食できた。完食できたことが自信に繋がって、その後もどんどん完食の日が増えてきた。
時々苦手な汁物やカレー系(好きだけど胃がタプタプになる感覚が怖い)が出ても、この工夫のおかげで頑張って食べ切ることが出来たので、それが「あの時あの量食べられたから次も大丈夫」という自信になっていて、好循環が生まれた。

まだ爆弾を抱えている

ただ、完全に吐き気の恐怖を克服できた訳では無い。今はまだ、毎食2Lのペットボトルや食べ切れる自分を強く想像しながら頑張って詰め込んでいる状況だ。いつ吐き気や動悸がぶり返してもおかしくないと思っていて、爆弾を抱えてるような緊張感がある。とはいえ、その爆弾も例えるなら「今静かな部屋で急にしゃっくりが出たらどうしよう」くらいの、95%起こらないけど低い確率で起こり得る程度の不安感ではある。これから今の食事量に慣れていって、この不安感をできる限り小さくしていきたい。

過小評価と呪い

自分の胃のキャパを過小評価して、自分自身に食べられない呪いをかけてしまっていたのだと思う。
これは他の不安感にも通ずると感じていて、今は外出に対して吐き気や動悸の恐怖があるけど、これも自分を過小評価して「出来ない」呪いをかけてしまっているだけなのだろうと思っている。
なので、外出や外食に関しても1歩ずつ練習を積んでいって、この呪いを解いてあげることが目標だ。

つづく

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ねこ
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