私の一風変わった部屋づくり

おしゃれにまとめられた素敵な部屋や簡素に片付いた部屋の画像をSNSで見ることがある。私はごく単純な人間だから、すぐに「いいなあ」と思って真似をしようとしたりする。断捨離についての動画や投稿を見てはさっそく捨ててみたり、100均で便利だというグッズを買ってきてみたり。だけど、たいていうまくいかない。捨てることに成功しても、それでもまだまだ物が多い。一度に捨てることより、継続して捨てることが大切だとミニマリストたちが言う。だけど私は1回の捨て活で「もう捨てる物がないよ」というところに行き着く。100均の便利なグッズだって、それを買うことで物を増やしてしまってる。1つ買ったら1つ手放すということさえ、私にはきっとハードルが高い。

私の家は1K6畳だ。そこにパートナーの彼も居座って、もともと多い私の荷物に加え彼の物も置かれている上、彼は捨てずに収納しようとする人だ。実家があまりに広かったため、物を置くスペースがあるぶん捨てる習慣がないと言う。
そんな彼と捨て切れない私が組み合わされば、部屋が物であふれることは想像に難くないでしょう。
私は、この部屋が嫌いだった。もっとおしゃれにしたかったから。もっと生活しやすく、生活動線を考えてインテリアを配置して、もっと可愛くしたかった。

今日、彼が床に寝転ぶためにこたつ用の小さなカーペットを敷いた。
それを敷いて人が寝転びでもしたら、いったん起き上がらなきゃ人が通れないというようなあまりにジャストフィットすぎる隙間。
私はベッドで悠々とゴロゴロしていたから、通るのが面倒だなくらいでそれを見ていた。
ところが私がキッチンで用事をしている間に、彼がベッドに移動。少しよけてもらってベッドに行くのもいいが、狭い。だから仕方なくカーペットの上に座った。その時だ。衝撃が走った。

「めっちゃええやんこれ!」

カーペットの横にはテーブル。その上にテレビ。それは私の作業台。noteを書いたり紙のノートを書いたり勉強をしたりする唯一無二の作業台。そして、なんとなく座りたいとは思えなかったテーブルの前。そこに安物の薄いカーペットが敷かれるだけで座り心地が良い、なんというかちょっとあったかいし!

こ、これだーーー!

私が目指していた部屋は、簡素でほとんど何もない部屋ではなく、生活感を残しつつ利便性に優れちょっとガヤガヤしていて可愛らしく、そして何より利便性がすごい部屋なのだ!

それでも実際は「ちょっとガヤガヤ」どころではなくめちゃくちゃガヤガヤとした、言うなればまあ散らかっている部屋ではあるのだけど、私が部屋に求めているのは見かけの可愛さだけではなく、このあたたかな安心感がまず第一である。カーペットを敷くだけでこうも部屋が見違えて見えるなんて、自分の単純さに驚いた。しかしこれなのだ。これこそが私が部屋に求めていたものーーー。

本当に汚い部屋ではあるけれど、ベッドからなんでも取り出せるようにベッド横に置いたカゴにワゴン。そのワゴンの隣にテーブルがあり、テーブルの前に座ってもカゴの中の物に手が届き、かゆいときに欲しくなる小物たちをよく見えるようにぶら下げて、棚にはネイルポリッシュを100均の入れ物にシンデレラフィットさせ…決しておしゃれではないが、確かに私が究極の利便性を求めて作り上げてきたものたちがそこにあった。それはもはや、いとおしいと言っても家族と言っても過言ではない、私の生活に欠かせないものたち。

これからまた魔改造をしてどんどんよくしていくのもいいだろう。
正直狭すぎて引越したいのは山々だが、あまりの立地のよさに踏ん切りもつかないし、ほぼ一生ここで2人暮らしていくくらいの覚悟がいる。

部屋が嫌いだとささくれていた私の心にほんの少し光が差した、今日のカーペットでした。

ベッド脇のカゴ
テーブルとワゴン

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