いつも周りの目を気にしていた
とにかく人の目が気になって仕方なかった。
仲良くなりたいなぁと思う人の顔色を伺って行動していた。
好きな人の目を気にして行動していた。
周りからの評価を気にして生きていた。
自分の価値を全て、周りの評価や態度に委ねていた。
馬鹿にされ、見下された頃は、とにかく萎縮していた。それが自分なんだと思い込んでいた。
また、周りが自分の良さをたくさん認め、伝えてくれるようになってからは、自分もその良さを認められるようになってきた。
今でこそ、自分は自分として生きられるようになってきたけど、子どもの頃はなんというか、とにかく周りが求める自分を演じていたような気がする。
それはそれで、ある意味で鍛えられたり、自分の新しい一面を見つけられたり、という良さがあった。
ただ、いざそんな生き方でここまできて、自分は空っぽだな‥と感じるようになった。
万人に共通して受け入れられる行動や性格はない。どんなに自分が、周りに求められる行動や態度をとったとしても、必ずそこには受け入れてもらえない部分も出てくる。
そうなっていくうちに、自分の中で、何をやってもダメなんだとか、どれが本当の自分なんだとかそういうのがわからなくなっていた。
ちょうど大学生の頃、たまたま見かけたこの台詞は、僕の心に鋭く突き刺さった。
ようやく今、自分を自分として認められるようになった。嫌われる嫌われないじゃなく、自分は自分と言える強さも少しずつ身についてきた。
それでも、やっぱり仲良くなりたい人、認めてもらいたい人、好きな人‥
こんな人たちには、嫌われたくないし、僕を見る目が気になってしまう。
人の評価のために行動してしまうと、結局自分が空っぽになってしまう。
あの頃、求められていた自分を演じていた。
そして、自分というものは結局、今も朧気なままだ。
そこを今になって、取り戻そうともがく日々を、僕は過ごしているような気がしてならない。