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地方出身者が就職上京して感じた違和感

日本在住の同年代といっても、住む場所や環境次第で様々なギャップが発生する。例えば方言や子供のころの遊びなどが簡単に例に挙げられるだろう。

私は九州出身で大学までは九州内で過ごし、就職を機に上京して4年が経つが、この違いを肌で感じる瞬間が多々ある。私の地元は県庁所在地にあり、家の近くはバスや電車が通る、ど田舎とは言えない環境である。中学生のころからインターネットを使い始め、流行りの音楽やエンタメ情報もキャッチアップしてきたつもりであった。習い事も不自由なく通えたし、中学・高校共に塾にも通い、首都圏の学生と同じように勉強してきたと思っていた。

だが、やはり確実に違いは存在していて、身に染みて差を感じる瞬間がある。どちらがポジティブ、ネガティブということではなく、単純に感じた違いを3つ紹介したい。

※地方と首都圏を比較するような文章となるが、個人的な肌感覚である点を承知いただきたい。

1. 高校進学に対する考え方(私立 vs 公立)

これは他でも聞く話であるが、首都圏では高校まで私立学校に優秀で裕福な学生が集まるという。一方私の地元では、私立高校といえば公立の進学校に落ちた学生が一定数入学するイメージがある。もちろん、私立高校にはその学校ならではの教育理念やカラーがあり、目的を持って入学する学生も多いことは承知いただきたい。

ただ、偏差値だけで見た時、地方では公立の偏差値が高く、私自身学校でも塾でも公立高校を第一志望で目指すよう指導されてきた。当時は全国的に同世代の学生は同じ指導をされていると思っていたが、主に首都圏の学生は違ったようで、後になって驚いた。

そして、首都圏では進学する高校・大学を見据え「中学受験が一番の難関だ」という一定数の意見を聞いたことがあり、これには大変驚いた。

2. 大学進学に対する考え方(私立 vs 国公立)

次に大学進学について。ここは個人的に特に驚いたポイントだ。

私の出身高校ではとにかく「国公立大学に対する執着」が強かった。「親孝行を考えるなら国公立へ」と言われ、私立大学を第一希望と言えば裏切り者のような扱いを受けることもあった。

全員国公立大学を受験する前提で学校生活が繰り広げられるため、1年次から夏の勉強合宿が強行され、3年生になればセンター試験(現在は全国共通テスト)5科目受験対策を中心に授業が進められた。ちなみに3年生の勉強合宿では、1週間ほど箱詰め状態で朝から晩まで自習を行う。試験前や受験前になると土日も自習の為の登校が強制された。

当時はまたこれが一般的な日本の受験生の姿だと思っていたが、首都圏の大学受験生の様子を目の当たりにして驚いた。私が上京して見た学生たちは圧倒的に自由度が高かったのだ。首都圏こそ偏差値トップクラスの私立大学が集まり、それぞれの受験に合わせて勉強している印象だ。私立大学の入試は大学により異なるが、一般入試だとしても5科目すべて求められることは少ない。自分の強みの科目を見つけそこを伸ばす努力が求められる。

どちらの学生も、受験に向け一生懸命勉強していることには変わりはないが、方法と目的意識に差があったと感じる。

3. どこか感じるジェネレーションギャップ

さて、ここまで大学受験の在り方に注目し述べたが、これに限らず首都圏で社会人生活を送るうえで、「ジェネレーションギャップ」のような違和感を感じる瞬間が多々ある。何か発言した際に自分に「ダサさ」を感じるのだ。

実際に過ごした年代は同じであるし、本当の意味でのジェネレーションギャップは生まれるわけがない。現代はインターネットも普及し情報格差も小さいはずだ。

ただ、どこか首都圏と地方では「流れる時間」が違ったような錯覚がある。例えば、小学生を比較したとして、首都圏の電車やバスを利用し毎日登下校する子どもと、地方の徒歩で通う子どもではやはり時間の感覚が異なってくる気がしないだろうか。登下校に費やす時間というだけでなく、「流れる時間」が首都圏は大人のように早く、地方はのんびりしている気がする。

こうした時の流れが違う環境で過ごす中で、一種のジェネレーションギャップのようなものが生まれてしまうのだろうか。

最後に

ここまでまとまりのない完全な個人的な所感を述べ、「何を訳のわからないことを言っているんだ」「私の地元はそんなではない」と思う人が多いだろう。

でもそれがきっと正しいのだ。つい「東京 vs 地方」のような対立構造をとってしまうが、日本列島各地の土地には当たり前だがそれぞれ特色があり同じ風景は存在しない。それを「百貨店がない」「コンビニが少ない」等の共通点だけで土地柄を理解したつもりになってしまう。

本来は気候も違えば根付いている産業も異なる唯一無二の土地である。首都圏がもつ特色を他の多くの土地と比較し取り上げることはできるが、「首都圏以外=ほぼ同じ」のようなステレオタイプを持たないように気を付けたい。そして、日本各地の特色に興味を持てるように成長したい。

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