しょうらいのゆめ

物心ついた時から作家になりたかった。

テレビはずっと海外ドラマを流していて、母親はそれを見ていて、父親は何かを作っていて、スマホもパソコンもなくて、怒られないようにじっと本を読んでいようっていうのが私の小学校低学年の記憶だ。それか壁紙の柄をひたすら眺めていた。

読んだところで意味なんてほとんどわかっていなかった。人が死んで、なんやかんやあって犯人が決まる。時間が潰せて、そこそこ集中できれば良かったから、話が解決するならなんでも良かった。だから詩は嫌いだった。
いつしか、誰が犯人か見当がつくようになってからは、犯人を特定するまでを読むのがつまらなくなった。今だって先に誰が犯人か知ってから読んだ方が面白い。結末のわからないストレスに年々耐えられなくなってしまった。

だから作家になりたかった。面白い話が書きたかったし、物語の中でならどれだけ人を傷つけても最後に一欠片でも救ってあげれば許される気がした。なんか楽しそうだったし、夢らしい夢だった。

それから中学生になって、なぜか絵を描き始めた。文をやれよと思うけど、あの頃の自分にとってはCGはセンセーショナルで魅力的だった。図工の時間でも絵は苦手だったけど、なんとなくで今も絵を描いている。閑話休題。

夢だ。今から作家になんかなろうとも思わないし、目指したところでなれるわけもない。才能がなければ夢もない。社会に不適合だし、破綻しかけの自転車操業しかできない。
大きな夢なんかいらないから、普通の人間として暮らしたい。社会とか将来とか難しく考えずに、毎日決まった時間に起きて仕事行って帰って寝て、年に2回ボーナスが入って有給休暇もあるような生活がしたい。私には無理だから。

ナガレちゃんに将来の夢を聞いたら、歌手だと言っていた。楽しそうだったから。将来の夢なんてそんなものだ。それでいてその時から人間はそう変わらない。形は違えど奴もうたを書いているし、私も趣味で文を書いているのがその証拠だ。


それと、先日の北ティアありがとうございました。楽しくなかったわけじゃないんだけど、周りの会話で、今回の敗因はこういうとこだねとか、こうすれば売れるとか、そういうのばかり聞こえてきて、あっ売れないってことは負けなんだって思って。なんだか馬鹿馬鹿しくなったのでもう出ないです。通販はやってるんで、ぜひ。

ナガレちゃんの詩、めちゃくちゃ気に入ってます。みんなに読んでほしいです。オススメです。

https://n06ba05.booth.pm

#エッセイ #将来の夢

無理な金額は自重してね。貰ったお金は多分お昼ご飯になります。