「テニプリっていいな」に全て帰結する話#2

やはり何よりも誰よりも、名実共に『テニプリの神様』である許斐先生について語らなければいけない。

許斐先生の神性は、単純に「世界の創造主である」という点にあるのではない。許斐先生はその世界を「みんなが幸せになるために」創造している。この点が圧倒的な”光”であり、"唯一神"なのである。

もちろん、その形は連載当初、同人真っ盛り、メディアミックス当初からあったものではない。有名な「跡部様坊主事件」で剃刀入りのファンレターが届いた件もあれば、アニメシリーズ放映時にいろいろ追いつかず、有象無象のオリジナル設定やオリジナル展開が詰め込まれたこともあった。そういった人気コンテンツが避けては通れない悲喜こもごもをきちんと経て、今の神性があるとも言える。

ただ、許斐先生が他と違うところは、そんな人気真っ只中で「自分で作詞作曲し」「自分で歌った」ことである。そして『ハッピーメディアクリエイター時々漫画家』という肩書きを名乗り始め、そのとおりの存在になったことである。

銀魂にもパロられた『テニプリっていいな』は有名な曲でありフレーズだが、是非一度フルで聞いていただきたい。原作者としてのあまりに真っ直ぐな思いが、こんなにストレートにファンへ伝わることがあるだろうか。

また私の一押しは、これまた許斐先生作詞作曲の『フェスティバルは突然に』だ。
なんと、この曲では許斐先生とリョーマがおしゃべりをしている。しかも会話の中で「最初、この物語の主人公は俺じゃなかったんでしょ」とリョーマ本人が先生に言うという、昨今蔓延るメタ展開作品もびっくりの内容である。それに対する許斐先生の応えがまた、リョーマに言うにはあまりにも熱い言葉なのだから是非聴いてみてほしい。(※最初の構想では、テニプリの主人公は四天宝寺中の金ちゃんだった。ちなみにこの曲には金ちゃんver.もあり、先生は金ちゃんにこの真実を話しているから更に愕然としてしまう。だいたいの人間が金ちゃんの立場なら闇落ちまったなしだろう。)

アニメ声優のキャラソンライブでも、テニミュの千秋楽や運動会にも、許斐先生の姿が必ずといってよいほどある。原画展にもゲリラで登場したことがあった。今年のコロナ禍で皆が一番弱っていた時期にはtwitterで、各校1人ずつが円陣を組み「君が勝てるまで見ててあげるから」という旧テニ最終回で流れた『Dear Prince テニスの王子様達へ』の歌詞を添えた書き下ろしイラストを急に投稿してくれた。
ツイートと画像はこちら
またこの曲もずるいんだ。今思い出しただけで泣きそう。15年の出戻りである私なんかよりも、人生の節目節目や辛いときにこのフレーズがいつもあった人はたくさんいるだろう。曲が出る前にジャンプ本誌掲載の最終回で流れ、コマ外に「JASPAC申請中」と表記されていたことはもはや伝説となっている。

そういった「皆が幸せになるサプライズ」をいつも考えてくれるのが許斐先生である。
漫画のキャラクターや世界を愛する上で、それらを創造する実在の存在は良くも悪くも絶対、まさに神様として受け入れなければいけないが、私は許斐先生なら絶対の信頼を寄せられる。まさに”光”の存在だ。
原作ではワールドカップで幸村と手塚が真っ向勝負をし、来春には氷帝vs立海のオリジナルストーリーの映画が封切られる。どんなマッチアップになるのかを考えると震えるが、何が来ても受け入れる覚悟はできている。信頼しているからだ。

この後、私が個人的に許斐先生を尊敬し始めた件について書き綴ろうと思ったが、予想以上に個人的な了見が入りすぎているので次回に回すことにした。
次回は15年ぶりに「氷帝の女」に戻ってきた自分として、氷帝学園について語ろうと思う。氷帝こそ、許斐先生がファンの期待に応えようと試行錯誤をしてくれた軌跡が色濃く残っている学校でもある。

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