砂遊びとひこーき。
〜2歳児クラス 9月のエピソード〜
いつもの公園で、砂遊びをしている男の子3人組。
私は、遠目から遊びを見守っていたため、具体的な遊びの内容は分からなかったが、3人で頭を寄せ合い、ときどき「あははは!」と大声で笑い転げては、楽しそうにしていた。
3人は、地面に広がる砂(正確には砂利)を使い、それぞれのイメージを共有しながら、遊んでいた。
そこには、枝も、落ち葉も、水も、玩具もないけれど、子ども達は、生まれもった天才的な発想力で遊びの世界を広げていた。
何度目かの笑い転げたタイミングで、ひとりの子が、空を飛んでいる飛行機を見つける。
地面だけで埋め尽くされていた視界が、笑い転げたことで〝空〟の世界まで広がったのだ。
「あ!ひこーき!」
その声を合図に、サッと立ち上がる3人組。
そして、3人で飛行機に向かって砂を投げ始めた。
「砂投げよう!」とか一言も言っていないはずなのに、3人が同じタイミングで、砂を投げ始めたものだから、びっくりした。
そして、飛行機が通過し見えなくなるまで、笑いながら砂を投げ続けた3人。
飛行機が見えなくなると、また、誰からともなく地面に座り、静かな遊びを展開していた。
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保育スタッフの役割として「遊びの提案をすること」があるけれど、今回のエピソードを振り返ると、2歳児の自然遊びにおいて、保育スタッフが遊びの提案をしなくても、子ども達自身で遊びを見つけ、展開していることが分かった。
はじめは〝砂遊びだけ〟の世界だったとしても、ふとした会話や視線の動きから、新たな遊びが生まれていく。
もちろん、遊び込むための環境として、保育スタッフが見守っているという〝心理的安全性〟が保たれていることは大切だ。
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今回のエピソードをもとに「砂遊びの広がり」とか「なぜ飛行機は子どもの興味をひくのか?」とか「言葉にしなくても意思疎通ができるのはどんなときか?」など掘り下げてみたいテーマがいくつか出てきた!
保育スタッフとして、子どもと関わり、遊びを見守るなかで、次々と疑問がうまれ、自分自身やスタッフ同士で考察していくことが、この仕事の楽しいところでもあるなぁと改めて思った🤔💭
いつも、子どもから学ぶことがたくさんある!