100回聞かれた「なぜ新卒で派遣社員を選んだの?」
私は大学卒業後、派遣社員として働き始めた。
そして今に至るまで、ずっと派遣社員として働いている。
今の今まで、冗談抜きで100回、つまりは100人以上に聞かれてきた。
「なんで派遣社員で働いているの?」
「大学時代、就職活動しなかったの?」
聞かれるたびに、どこかモヤっとした気持ちを隠しながら答えた。
「関東で内定を貰っていたけど、パートナーが地方にいて、遠距離が嫌で内定を断った」
「内定を断ったとき、また1から就活する気になれなくて、とりあえず派遣会社に登録して地方に引っ越してきた」
そうすると、次に帰ってくる言葉は2通り。
「初めから地方で就活すれば良かったんじゃない?」
「この先、正社員で働かないの?」
ここまでが、だいたいワンパターン。
私が初めて会う人や、久しぶりに会う人に近況説明する前に話すこと。
100回も繰り返していると、自然にサラッと話せるようになった。
それでも、心の中ではモヤっとして、そのモヤっとしたものを見て見ぬふりをしてやり過ごしてきた。
『なぜ、新卒で派遣社員を選ぶと不思議がられるのか』
『なぜ、正社員で働くことが前提条件なのか?』
モヤっとするのは、自分の選択を否定されたような気がするからだと思っていた。
しかし、そうではないことに最近気づいた。
自分自身が、新卒で派遣社員を選んで後悔しているからだ。
しかも、その後悔を他人のせいにしている。
どんな選択も、最終的に選んで行動に移すのは自分自身。
自分が新卒で派遣社員という働き方を選んだのは、”自分の気持ちを優先させた結果”であるということを証明していきたい。
”パートナーと一秒でも長く一緒にいたい”
”一つのコミュニティーに留まりたくない”
”色んな会社や業界を知りたい”
この3つを満たす働き方が、私にとっては派遣社員で働くことだった。
多分これからも
「なぜ新卒で派遣社員を選んだの?」と聞かれるだろう。
そのときは胸を張って、
『自分のために派遣社員という働き方を選んだ』
と答えたい。