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札幌銭湯スタンプラリー2024のこと(その7・さつき湯)
2024年7月18日、さつき湯さんへ。
札幌銭湯スタンプラリー2024の7軒目。
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さつき湯のサウナにはラジオが響いている。これがたまらなくよい。厳密にはAMラジオだ。
もしFMだったらどうかというと、全然ダメである。
銭湯のサウナでネイティブ帰国子女おしゃれDJの
「マッダ〜ッナ、ハンガァ〜パッ」(マドンナ、ハングアップ)
といった曲紹介は相性が悪過ぎる。
銭湯のサウナにはAMだ。
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しかし、AMならなんでもよいかというと、そんなことはない。
いうまでもなく、オールナイトニッポンやJUNKはダメだ。なぜなら面白いからである。銭湯のサウナにはポップすぎるし、ハイカロリーだ。
低カロリーなラジオ番組の最右翼は「オールナイト2部のあとにやっている、よくわからない宗教の番組」だが、これは逆に低カロリーすぎる。捉えようによっては超ハイカロリーでもある。
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続く低カロリー番組は「新日鐵コンサート」だが、これも無論ダメだ。カロリーは低いものの、品がありすぎる。銭湯にはクラシックでなく、演歌や歌謡曲が正解だ。
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演歌や歌謡曲といえば「歌うヘッドライト」だが、これはかなり正解に近い。唯一、放送時間が惜しまれる。その時間帯、ほぼ全ての銭湯は眠っているだろう。
銭湯のサウナに響く「いすゞのトラック」は相当によいはずだ。惜しい。副題の「〜コックピットのあなたへ〜」も高ポイントなのだが。
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時間帯、カロリーなどを考慮して、ついに正解をいおう。
ベスト・オブ・銭湯のサウナで流れるAMラジオは「大沢悠里のゆうゆうワイド」だ。
お色気大賞も毒蝮三太夫も、銭湯のサウナにハマりすぎる。もはや、ゆうゆうワイドは概念としての銭湯である。少し時間帯が早い気はするが、目をつぶろう。
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ちなみに「テレフォン人生相談」もかなりよいと思ったが、回によってクオリティのバラつきがあるので、難しいところだ。
当たり回(相談者が身勝手すぎる理屈を連発した挙句にブチ切れるとか、コメンテーターが大説教を始めて相談の体をなしていないとか)だとハイカロリー過ぎるのでよろしくない。最高だけど。
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この日、さつき湯のサウナではNHK第1が流れていた。
19時の時報に続いてニュースが始まり、北海道選出の国会議員が強制捜査を受けたと、男性アナウンサーが全く感情を込めずに読み上げていた。
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水風呂を経由してサウナに戻ったところ、20億年前の地層から微生物を採取したと、女性アナウンサーが少し嬉しそうに読み上げていた。
20億年。頑張っても80年ちょっとで幕を下ろすであろう私の人生なんて、一瞬だ。
だからこそ、できるだけ風呂に入り、ラジオを聴かねばならない。
「気持ちよかったわー」「面白かったわー」と思いながら死ねれば、上々な人生といってよいだろう。
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7つめ。走れ走れ いすゞのトラック。