土橋温泉とエディオンピースウイング広島と音戸温泉のこと(その2)
広島城を後にした私は、呉へと向かった。
目的はコイツである。
海上自衛隊呉史料館。通称を「てつのくじら館」という。溢れるジュディマリ感。
ミリタリー趣味のない私が訪れた理由は、これだ。
本物の潜水艦に入れる!
入りたいじゃん、潜水艦。(小2)
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残念ながら潜水艦内は撮影禁止だったが、思ったより狭かった。
「敵艦発見!」
などと叫びながら二等兵が艦内を走り回るくらいの広さをイメージしていたのだが、全力で叫べば恐らく全員に聞こえる。
撮影オッケーのレプリカゾーンもあり、そちらのシャワーコーナーがこれ。
狭い。そもそも、風呂がない時点で私は無理だ。海自側も私は無理だろうが。
なるほど。豪快な掛け湯なぞをした日には、上官から熾烈な折檻を受けるに違いない。やっぱり私は無理だ。
以上、てつのくじら館。
「『この世界の片隅に』で、すずさんが住んでたのって、こんな感じのとこだったな!」と撮った写真。後に調べたら全然違った。ただの住宅街。
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呉で昼メシに寿司を食い(穴子最強)、メインイベントのエディオンピースウイング広島へ。
SNSで何万回と見た映えスポット。やっぱり映えてる。映えに映えてる。映え倒しまくってる。
ボールすら友達にする奴は、そりゃ平和を祈るだろう。
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早く着きすぎたので、併設の広島サッカーミュージアムを見物。
エントランスでは広島のレジェンド達がお出迎え。
服部、よい選手だったよな。某監督が若干寂しげに見えるのは、私が北海道民だからだろうか。
撮影オッケーなのかわからなかったので写真はないが、この先で流れていたウェルカムムービーが素晴らしく、正直ちょっと泣いてしまった。あれだけで元は取った。
君たち、これ割らなかったっけ?
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ミュージアムを満喫し、いざキックオフ。
試合はアレだったが、スタジアムは評判通りの空間だった。
最新のスタジアムともなれば、火だって吹く。ピッチの近さゆえ、ゴール裏でも結構熱かったのだが、スタンド最前列の人たちは大丈夫だったのだろうか。
スタグルなるものに興味はないが、腹が減りすぎたために買ったコウネすき煮丼。
コウネとは牛の肩バラ肉のことらしく、広島でよく食べられているとのこと。
食べながら「コウネ太夫」という大変面白いダジャレを思いついたが、伝える相手がいなかった。一人旅の辛いところである。丼は美味かった。
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試合後、路面電車に揺られて音戸温泉へ。
最寄りの停留所からGoogleマップさんの指示通り進むと、いかがわしい繁華街へ突入した。
無料案内所。
エロい恰好のおネエさん。
タンクトップのマッチョおじさん(夜なのにサングラス with 金ネックレス&ヒゲ)。
この先に銭湯があるとは思えない。あるとしたら違う種類の風呂だ。
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しばらく進むと、ファイナルファイトの1面みたいになってきた。
「広島死闘篇」という言葉が思い出される中、銭湯のお出まし。
名湯。言い切ることの力強さよ。
フィリピンクラブ エブリナイトも気になるが、私の疲れを癒すのはジャパゆきさんでなく銭湯だ。
マッサージって、普通のマッサージだよね?
手ぶらって、その手ぶらじゃないよね?
いわゆる温泉銭湯らしい。ありがとう、疲労回復。
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そそくさと身を清め、いざ入浴。
「しょっぱい!」
そういえば塩化冷物泉と書いてあった。間違いなく温泉である。
しょっぱい湯でしばし温まった後、浴場内に階段があったので、しょっぱい身体で上ったところ、そこにはサウナが待っていた。階段の上のサウナだ。
この階段を上がった札幌市民が何人いるのかわからないが、恐らくその全員が思ったろう。「逆・喜楽湯だ」と。
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音戸温泉のサウナを一言で表するなら「無骨」だろうか。熱く、乾いた空気。
そんな空間で、寡黙な男たちが鋭い目つきでテレビを眺めていた。
この感じはそう、喜楽湯だ。逆どころか、まるで兄弟じゃないか。
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しょっぱい身体は無骨な熱さに耐え切れず、短時間で出てしまった。広島の名湯でサウナに完敗である。こんなしょっぱい試合ですいません。
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一見さんということもあり、階段を下りる私は、どうにも注目されているような気がした。もちろん、実際そんなことはないのだけれど。
軽快に階段を下りるため、脳内でMステの女子アナに
「今日は新曲を初披露してくださいます!水風呂のボーイズ・ライフさんで〜す!」
といわせた。堂々と階段を下りるためのライフハックである。
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しょっぱい温泉、薬湯、サウナ、水風呂というカルテットですっかり身体は軽くなり、スキップでホテルへ。
広島最後の晩酌。
広島の人は肉に変な名前をつけないと気が済まないのだろうか。「せんじー北京」という大変面白いダジャレを思いついたが(以下同文)
カップ酒のフタがミニマルミュージック。テキトーにメロディをつけて歌ったら、信じられないくらい楽しくなった(泥酔)。
宴もたけなわ。おやすみなさい。
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2024年6月16日。
やや早めに広島空港へ。
「カキ食ってねぇ!」
と慌てて空港でいただいた。
「厚岸以外のカキはカキじゃねぇ!フジツボだ!」
などと思っていたが、広島のカキもカキだった。美味しかったです。
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ゲート通過後、売店で「西日本でしか買えません!」というポップにまんまとやられ、カールを購入。うすあじとチーズあじで迷い、うすあじを購入。それにつけてもである。
そうこうしているうちに搭乗。
ありがとう広島。またね。
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初めての広島、最高だった。
初めてを言い訳に有名な観光名所を訪ねて歩いたが、有形無形の素敵なものをたくさん得ることができた。
やや揺れの強い飛行機。
眼下に広がる広島の街を眺めながら思った。
「広島2回目だわ、俺」
高校の修学旅行で来ている。すっかり忘れていた。