職場の片づけ
片づけを仕事にしていると、まさしく片づけとSDGsは密接な繋がりがあると感じます。
SDGsの目標18の「働きがいも 経済成長も」。
片づけただけではお金にならないけど、片づけることによって生産性がアップすれば、それは間接的なサポートになります。
私は、個人宅だけでなく、企業様での職場研修でも片づけを行っています。
個人のデスクの上とか、引き出しの中はもちろん、共有スペースの乱れなどが、仕事の効率化に響くこともあります。
例えば、A社様では、営業用のチラシが多数あって置き場に困っていらっしゃいました。共有スペースを片づけて、持ち出しやすく、見栄えも良く、お客様にも手に取ってもらいやすい配置をお望みです。
「まずは、何がどのくらいあるのか数えてみましょう」とご提案。
並べて見ると、なんと20数種類のチラシ。お得意様への郵送用の封筒も含めると、その量はかなりのボリュームに。「こんなにあったんですね!」と社員様。
見ると、数年前の日付の入ったチラシが数種類ありました。
これらはもう使えません。しかも、そのチラシのストックは、まだ封が切られていない状態で、紙に包まれたまま放置されていました。
これはもったいない。
チラシは、会社の営業マンと同じです。
相手に届いて本領を発揮します。それが、届かずにずっと置きっぱなし。
しかもお金をかけて印刷しているので、会社は、仕事をしないでサボっている営業マンにお給料を払っていることになります。実にもったいない。
印刷されたチラシは、パルプ、木からできています。使わずに捨てられるチラシは、木や紙を無駄に使って捨てるために作られたようなものです。
SDGsの目標15の「陸の豊かさを守ろう」に繋がりますね。
いくら社員様が仕事をして利益アップを図っても、穴の開いた桶に水を汲んでいるように無駄にお金が流れていては、本当の利益にはなりません。
この片づけからもわかるように、職場全体の片づけが大事なのは、普段、自分のデスク周りだけ片づけていると見えてこない、会社の無駄が見えることです。それを、社員全員が共有できることです。
営業さんは、お客様に渡すチラシを、折れているモノを省いてキレイなモノを選んでいたら廃棄が多くなります。キレイな状態で保管できるように工夫する仕組みが必要ですね。
経理さんは、印刷物が過剰に発注されていないかチェックすると、無駄な経費を払わずに済むので、経済効果もアップします。
チラシ1枚でも経営者の目線で仕事ができてきます。
今回は、チラシの配置場所をご希望でした。私もアイデアをいくつかご提案し、社員様全員にも、どこに配置したら取り出しやすいか、どんな什器なら使いやすいかアンケートを取りました。実は、使っている人が、一番使いやすい動線を知っているんですね。ここを無視しては、また使いにくい状態に戻ってしまうので、現場の声が大事なんです。
私は、職場の片づけは雑務ではなく業務と考えています。
書類の整理や持ち物の定位置管理など、ついでに作業することで大掛かりな片づけが要らなくなります。それは、仕事と同じ重要性を持っています。
誰かがやればいい、ではなく、気づいた人が、足りないチラシを補充するなど、それぞれができる事をすることで、社内の雰囲気も変わってきます。
社員の皆さんが、いろんなアイデアをだして笑顔で片づけている姿を見ていると、楽しそうで嬉しくなりました。
片づけることで社内環境が良くなることが、「働きがいも 経済成長も」に繋がっていると実感しました。
今後は、チラシの印刷も数を見極め、廃棄が減ることと思います。
片づけただけではお金にならないけど、片づけることによって無駄なお金をかけずに済むのは、結局はお金を生んでいるのと同じです。
職場の片づけは、地球に優しく、会社にも優しいのです。