最も酷いプロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネージャー(PM)といっても、当然ピンリキです。
知識や経験にも差がありますし、マネジメントの仕方も千差万別です。
今日は、私が出会った PM の中で「この人は最悪だ」と思った PM の話です。
エンジニア時代に出会ったこの PM の行動は、今の私の反面教師となっています。
最も効率よくプロジェクトを失敗に導く方法
そのプロジェクトの現場は、優秀なエンジニアも多く揃っていたよいチームでした。しかし、その PM が取った行動によって酷い結果に終わってしまいました。
その PM が取った行動とは以下です。
何もしないマネジメントこそ、現場をゆっくり確実に殺す方法なのです。
◎計画も立てず、上流工程をダラダラ過ごす
PM が最も忙しく過ごすべきな期間は、プロジェクト立上~上流工程です。そこでプロジェクトの成否が決まるからです。
そのプロジェクト終結後に、事後検証を行ってみたところ、
PM が「何もしてない」ことは明らかでした。
計画を立てた形跡がない
見積もりをした形跡がない
リスクを洗い出した形跡がない
見積もりを取り直したら、明らかな工数超過であり、プロジェクト末期の混乱は、立ち上げ時に対処可能な問題だったわけです。
◎信頼関係を築かず、情報の周知もしない
その PM が日々何をしていたのかといえば
会議の時間になったら出かける
会議が終わったら着席する
以上です。
事前に現場に何かヒアリングするわけでもなく、会議後に現場に情報を共有するわけでもなく。
私たちのチームは、気付かないうちに他部署から
「要求に応えてくれない」
「必要な情報を開示してくれない」
という、信頼できないチーム のレッテルが貼られていました。
プロジェクト末期には、各部署をエンジニアたちが駆け回り、信頼回復に努め、「え!?こんな要求もあったの?」と驚き、更に残業を増やすということを繰り返しました。
◎現場のケアをせず、事後検証もしない
プロジェクトを失敗させてしまったとしても、せめて事後対応をし、再発防止策を模索するべきです。これも PM の大事な仕事です。
このときは当然行われませんでした。
最終的には、ドクターストップがかかり、3 人の長期休職者が出てしまいました。
それでも事後検証が行われなかったので、結局は現場のエンジニアで行い、再発防止策をまとめました。
しかし、プロジェクト終結後に現場での作業の傍ら行っていたため、報告が遅れ、社内の他のプロジェクトへのノウハウ共有ができませんでした。
結果的に、他部署で行われていた次のプロジェクトも似たような原因で失敗をしてしまったのです。
何もしない会社が何もしない PM を生み出す
本来であれば、何もしない PM は「0点」です。
しかし、会社の評価制度によっては、減点主義の職場が出来上がってしまうことがあります。
減点主義の職場では、「何もしない」ことによる悪影響にはペナルティがありません。その環境では、最悪の結果を生む PM が育ってしまいます。
そして、非常に恐ろしいのは、その PM が「自分はちゃんと仕事をした」と本気で思い込んでいるところです。
こうなると、もはや治療は不可能で、例え会社が潰れたとしても自分の責任には一生気付かないでしょう。