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【ゲーム業界よもやま話】ゲーム開発が組込開発からアプリ開発になった日

今日は、90 年代から 2000 年代に切り替わる頃のお話。

当時の新人ゲームプログラマーたちの昔話です。
特に、教訓めいたことは何もないと思います。(^^;





学生プログラマーの開発環境

私は 2001 年に社会人になったので、90 年代後半に学生時代を過ごしたことになります。
当時、ゲームを開発する環境といえば以下でした。

  • OS:Windows 9x 系

  • 開発環境:Visual C (人によっては Borland C)

  • ライブラリ:DirectX

オンラインマニュアルではなく、分厚い本と睨めっこが基本でした。(^^;


コンシューマーゲームの開発環境は少し違う

対して、当時のコンシューマーゲーム(PS2 や Nintendo64 の時代)の開発環境は、少し異なっています。

  • OS:搭載されていない(Dreamcast が初めて OS を搭載した)

  • 開発環境:各ゲーム機専用(使いにくいのが基本)

  • ライブラリ:基本的にゲームプログラマーが作る

当時のコンシューマーゲーム開発は、ハードウェアマニュアルと睨めっこしながら作る、いわゆる組込開発でした。

それが多少の参入障壁にもなっていたのですが・・・
自分たちで一からプログラムを作り、ハードウェアの性能を最大限引き出す!
それが非常に面白かったのです!m9( ゚∀゚)

素材提供:Adobe Stock


Microsoft のゲーム機参入

当時の新人には、組み込み好きのプログラマーがまだ多くいました。
しかし、潮目は変わりつつありました。

2000 年 3 月 10 日に、Microsoft がゲーム機事業に参入することを発表しました。(まだ当時の記事が残っていました。)

  • PC ゲームがそのまま(…とはいきませんが)動く!

  • Visual Studio でデバッグができる!使いやすい!

  • LAN で異なるフロアにある開発機のデバッグができる!

アプリケーション開発では「当たり前」だったことが、ゲーム開発でもできるようになったわけです。

素材提供:Adobe Stock

日本ではいまいち振るわなかった Xbox ですが、開発環境へのインパクト という意味では、大きな影響がありました。


岐路に立たされるゲームプログラマー

一重にゲームプログラマーと言っても、様々な担当分野があるので一括りにはできませんが、反応は以下に二分されたと思います。

「もう余計なハードウェア制御から解放されるぞ!」

「ハードウェアをもう弄れなくなるのか・・・」

私は後者でした。(^^;

もちろん、すべてのハードウェア制御がいきなり消えてなくなったわけではありません。初代 Xbox でも GPU プログラムはアセンブラで組む必要がありました。

素材提供:Adobe Stock

しかし、「ゲーム開発は、組み込みからアプリへ移行する」という流れは、はっきりと感じました。


それぞれの道へ

私は、2004 年に組み込み業界へ転職しました。
・・・まぁ、そのあとゲーム業界へ戻るんですが。(^^;

私の同期の中にも、別業界へ転職した人が何人かいました。ゲーム業界に残った同期も半分くらいいたと思います。

とにかく、潮目の時代に業界へ入ってしまった我々世代は、夕飯を食べながら「将来、どうしようか?」ということをよく話していました。

彼らとは、今でもたまに集まって飲む仲間です🍺




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