【レポート】RBCプロローグ in レインボースポーツ
2024年10月6日(日)、プロモーター大井氏の「常にゼンカイな耐久レースって面白そうやない?」という発想からRBC(Racing Battle Colosseum)が発足することになった。
すべてが初めての試み、前代未聞のレースフォーマットで行われた今大会、まず予選は2段階のノックアウト方式で行われる。
60min+αの所要時間を設けた決勝ヒートは、始めにスプリント15min+1LAPを行った後、残り時間(約43分)+1LAPで耐久レースをノンストップで行うこととなる。
また、レース中にマシントラブル等で車両回収が必要になった際にFCYが出され、一例でグリット上に停止して整列後、1列ローリングスタート。
この間ピット出入り口が封鎖され、ギャップはなくなり、勝負の展開が分からなくなるというエキサイティングなレース。
1チーム2名もしくは3名のドライバーで構成され、車両規定としてL1タイヤを履くライト規定は125kg、FDタイヤを履くスタンダード規定は145kgとなっている。
また今回は新しい試みとして、規定ピットストップ時間を10秒短縮できるジェントルマン・ファットマンハンデが採用されており、幅広い層からの参戦があった。
いきなり駆け引き、騙し合い。「ノックアウト予選」
ノックアウト方式となった予選では、Q1はTOP6がQ2に進み、7位以下はその時点で順位が確定する仕組みとなっている。
この予選でいきなり駆け引きが勃発。確実にQ2進出を狙いQ1でエースドライバーを出走させるチームと、セカンドドライバーでQ1のTOP6を狙い、残ればQ2でエースを送り出して有利に戦う賭け出たチームがハッキリと分かれた。
そんな2つの戦略が入り混じったQ1は結果的にTOP6の中でセカンドドライバーを起用したのは#47 VehCOOL AA(上島、小川組)のみ、上島より体重の重い小川がQ1を担当し4位と好位置につけた。他にも#21 Scuderia Vifonte(大井、小池組)も同様に賭けに出たが、中途半端に小柄な大井の影響で18kgの体重差を課せられてしまい、小池の好走を持ってしても7位、Q2進出にあと一歩及ばなかった。
進出した6チームで行われたQ2。もちろんQ1からのドライバー交代は義務となる。ここで満を持して#47 VehCOOL AAは上島がQ2に現れた。上島は唯一の40秒台を叩き出し、2位に0.6秒差をつける圧倒的な速さで見事ポールポジションを獲得、2位は#91 HY Racing with Ash(平野、山口組)、3位にはAⅢ's@UNiTY Bチーム(田中、松田組)となった。
猛者たちのガチバトル「スプリントタイム」
決勝ヒートはスプリントタイムから始まる。
スタートを決めたのは#47 VehCOOL AAの上島、1周目から予選同様のハイペースで後続を突き放す。
離れた2番手争いは#46 Frozen Shoulder team Vifonte(若林、樋江井組)の樋江井、#99 MUNEHISAレーシング♡(瀧口親子コンビ)の瀧口純輝、#4てぃるるってぃー(加藤、中村組)の中村の三つ巴となり、その中で#46樋江井がいち早く2番手に浮上する。
2番手争いを尻目に順調にギャップを築いていたトップの#47上島。しかしこの後まさかの展開が起こる。
#44小林ブラザーズ(小林、西岡組)がマシントラブルにより8コーナーでストップ。初のFCYが導入された。これにより、#47上島が築いたギャップがゼロになってしまう。
マシン回収後再スタートとなり、再びギャップを築こうとした#47上島だったが、9位スタートから追い上げてきた#46樋江井が10コーナーでトップを奪い、ここから熾烈なトップ争いが始まる。
互いにけん制し合った末、勝負はファイナルラップの11コーナーで#47上島が空いたスペースにノーズをねじ込むも、#46樋江井が冷静にクロスラインで応戦。#46樋江井はそのままトップチェッカーを受け、スプリントタイムを優勝で飾った。
「耐久」といえど、常に全開。
チェッカー後、一列でのローリングスタートで残り約45分の耐久レースがスタートした。
スタートしてから1回目のピットストップまで#46樋江井がレースをリードする。
#46樋江井ピットインし若林に交代、ここでレースの展開が動き出す。それまで2番手につけていた#47上島は前が開いたと見てペースを上げ始める。
#47上島が1回目のピットに入ったのはスタートから35分後だった。なんとドライバー交代をせずダブルスティントを決行。粘りに粘り続け、2回目のピットストップの時には47分経過していた。
ここで#47は上島から小川に交代。ピットアウトすると5秒弱の差で2番手につける#99瀧口純輝が迫っていた。
最後はレインボーシリーズの小川、琵琶湖シリーズの瀧口、二人のランキングトップによる、熾烈なトップ争いが始まった。
お互いに見えないギャップの攻防を広げたが、最終的には築いたギャップを守り切った#47 VehCOOL AA(上島、小川組)の小川がトップでチェッカーを受け、スプリントでの借りを返す結果となった。
2位には最後まで接戦を繰り広げた#99 MUNEHISAレーシング♡(瀧口親子コンビ)、3位にはスプリントで優勝した#46 Frozen Shoulder team Vifonte(若林、樋江井組)が入った。
全員が「本気」になれるレース
前代未聞のレースフォーマットで行われた今大会、開催までに様々な壁があったものの無事終えることができました。
いざ始まれば、雰囲気は超刺激的。趣味でも、仕事でも、アマでも、プロでも、全員を「本気」にさせるレースが出来上がったと感じています。
来シーズン、シリーズ開催を予定しています(3大会を予定)
更に改良し、もっと熱く、刺激的なレースにしていきたいと思います。
来シーズン、面白くなりますよ!