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とりあえず匿名やめました

2月中旬に、noteやTwitterで実名化に踏み切った。

もう10年近く、敢えて自分の名前にかすりもしないハンドルネームでひっそりと、しかし全世界に向けて呟いてきたが、これからは自分の名前でひっそりと全世界に向けて呟くことになる。

匿名をやめたい

匿名をやめた最大の理由は、Twitterで実名あるいは顔出しで活動している方に話しかけるときに失礼な感じがしたからだ。もちろん一般的な話としては、匿名で活動する自由は確保されるべきだし、実名の人に匿名で話しかけると必ず失礼だというわけではない。個人的な感覚だ。

要するに、「自分の発言に責任を持ちますよ」とわかりやすく示すために実名化したかった。

加えて、実名で言えないような愚痴や惚気は、自分の場合、匿名でも言わない方がいい気がしていた。yahoo知恵袋や5chではその場限りのコミュニケーションも多いが、TwitterというSNSでは自分の発言がIDと紐付けて蓄積され、特定の人たちとの関係性が続いていく。そのようなTwitterの性質も考慮して、この機会に自らの言動を見直したほうがいいと思ったのだった。

しかし匿名をやめることに抵抗もあった。

抵抗①色々恥ずかしい

Twitterでの発言がお馬鹿丸出しでとにかく恥ずかしい。いわゆる黒歴史だ。何ともないツイートであっても数日後に見るともう黒歴史になっている。

また、自分の名前で何か発信した途端、急に内容がダメな気がしてきて、なんともいえない嫌な気分になる。

しかし「それが私だ」と受け入れる訓練だと思うことにした。過去ツイを馬鹿だと思えるのは成長した証だ。誤りはその都度訂正していけばいい。


抵抗②自分の名前にいいイメージがない

①と一部共通する話だ。どうしてかわからないが、どうしても自分の名前にいいイメージがない。

しかし、どうしても嫌いで世の中に出したくないというレベル(悪魔ちゃん的な)でもなかったので、名前は単なる識別子だと思うことにした。


抵抗③「ストーカー予備軍」に見つかるのが怖い

以前に粘着質な人間に恋愛対象としてしつこく絡まれ、物理的な被害はないもののイライラと不安が増して精神的に疲れたため、当時なけなしの貯金をはたいて防犯ブザーを買い、モニター付きの家に住むようになったという経緯がある。

例えば「どこの図書館に行った」「今日の天気はどうだ」「電車が運転見合わせで遅刻だ」といったことを実名で発信していると、「匿名の〇〇さん」ではなく、紛れもない「私」の居住地が容易にバレて、凸される危険性が高まる。

だから、物理的に被害を被らないように気を付けながら呟かなければならない。

また、そういう類の人間は、私に関するどんな些細な情報でも、その人の心の中に私の虚像をつくるための材料にしていたようだったので、その材料を与えたくなかった。

しかし、それは防ぎようがない。他人の思考は制御できないのだ。ならばそれは我慢して、好きなようにやるしかないと決意した。

このことについてはろくでなし子さんのツイートに勇気をもらった。元ツイは見つけられなかったが大意としては "どんな格好でも性的な目で見てくる人がいるし、それは防ぐことはできないのだから、堂々と好きな格好をしよう" というようなものだったと思う。


抵抗④ 親族に見つかるのが怖い

おそらく、標準よりも過保護で過干渉な親である。

しかし、いくら親といっても他人である。ネット上で見つかって親に何かを言われたとして「だからなんだってんだよ」と思うことにした。

余談だが、大人にならないと親が毒親だと気付けないとはよく言ったものだ。私はこれまでずっと心のどこかで親に対してビクビクしていたが、この半年くらいでようやくそこから解放され始めた。


抵抗⑤ 審査員に見つかると不利になる

私が応募していた研究助成金の審査員は、ネット上で応募者の情報を調べるらしい。そのため自分の研究HPを持っておくと好印象だが、そこに学術以外のページは作らない・紐付けない方がいいと聞いていた。

これを踏まえ、私は院生として実名でLinkedInとResearch Gateに業績を公開する一方、noteとTwitterでは匿名を貫いていた。

しかし審査期間が終わったので気にする必要がなくなった。

今後また別の審査や就活で、私のネット上での発言が調べられるだろう。対策するとしたらせいぜいTwitterを鍵垢にするくらいだろうか。これまで書いてきたnoteの記事が就活でプラスやマイナスにはたらくとは思えないが、それで落としてくるような所では、仮に自分を繕って就職したとしても続かないのだろう。


実名化へ

そういうわけで約半年かけて抵抗感を克服し、ついに実名化することができた。

今でも、Twitterを鍵垢にしたい・匿名になりたい・発言を撤回したいという気持ちになることはある。

しかし同時に、実名で呟く際に生じる責任は、重苦しいものではなく清々しいものだとわかり始めた。

また、傲慢なことに「私に文句や意見があるのなら、匿名で空リプしてないで実名で直接言えばいいじゃないか」みたいなことを偉そうに言える状況になった。言わないけど。

これからも匿名・実名のメリット・デメリットについて考えながらネットを使っていきたい。

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