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【修論】最終月の進捗管理から完成まで

どうも、人文系のへっぽこ院生です。

自分は昨年、9万字超の冗長な修士論文を書いたが、簡単なことではなかった。

M1(修士課程1年生)の頃は材料集めをしながら構想を練っていたが、M2になった時点=締切8ヶ月前でもまだビジョンが持てず、量的にも質的にも書ける気は全然しなかった。

特に、自分の研究室では字数の目安が80,000〜120,000字だと聞いてビビっていた。自分の卒論は約35,000字だったので、その2.5〜3.5倍ほどということになる。

これを意識するたびに、世の中の修士号をもっている人々と自分との間には能力的に大きな隔たりがあると感じていた。実際には元から備わった能力の差だけの問題ではないのだが、それすらわからないくらい焦っていた。

しかし最終的に、質はともあれ字数・形式については最低限満たして提出することができた。

締切前、最後の一ヶ月の工夫と最後の一日の行動を、反省しつつ振り返りたい。


最終月の進捗管理

減量・増量したい人が体重計に乗らねば意味がないのと同じで、何か数値目標があるなら定期的に可視化して確認しましょうね、という話を各所で聞いていた。資金を貯めるためには家計簿をつけることが、論文を書き上げるためには字数をカウントすることが大事だということだ。

各章ごとの字数はなんとなく把握していたが、現実を見たくないという気持ちがあり全体の字数を厳密に把握することは避けていた(こらこら)。しかし締切約一ヶ月前、そろそろ現実に向き合わなければと思い立ち、Googleスプレッドシートで字数の記録をつけ始めた。目的は進捗の可視化である。

修論グラフ全体像

数字やグラフについては素人なのでよくわからないが、とりあえず増えていることがわかるものを選んだ。また章ごとのイメージカラーがあったので、セルやグラフをその色で塗り、見てすぐ進捗がわかるようにしたつもりだ。

項目ごとに見ておこう。


・データ

グラフのもとになるデータ。11月11日から毎晩寝る前に字数を入力した。右端には常に「目標値」を表示しておいた。

データ

なお、章タイトルは伏せ字にしてある。


・章ごとの進捗

上記のデータをもとにグラフを作成し、それぞれの章の字数の増減を把握し、バランスを見た。

章ごと進捗

例えば、第2章の分量が多すぎるのが悩みだったが、最後まで思うように減らせなかった。逆に、第4章は目標値を上回ることができた。

何事も計画通りにはいかないものである。


・全体の進捗

データをもとに、章ごとの字数を足すとどうなるのかも可視化した。単なる字数把握だけでなく、日毎に増えていく様子を見ると安心するという効果もあった。

全体の字数


最終日の工程

字数を満たし、ガタガタの論を形にはめこんだところで、本文の方は試合終了として諦めた。それが提出期限2日前(1日前の早朝?)である。日数カウントが微妙なのは、徹夜ができない人間なので最後の数日間は2時間睡眠でやりくりしていたためである。

中味・外見の調整

本文を早々に諦めなければならなかったのは、他にやることがたくさんあるからだった。最終日には主に以下のことをした。

・注の挿れ忘れがないか確認
・本文・注の誤字脱字の確認
・図表番号の確認
・史料番号の確認
・章番号と節番号の確認
・参照頁数の確認(〇〇頁参照などの箇所)
・アラビア数字→漢数字の変換確認(縦書きのため)
・目次の入力
・注編(別冊)の作成
・要旨(別冊)の作成
・表紙の作成
・印刷屋に駆け込む

誤字脱字の修正は徹底できなかった。審査者に失礼なことをしてしまい気分が悪いが後悔先に立たずである。


・注編の作成

さて、研究室の規定では本文編・注編を分けることになっていた。

wordで文末脚注をつけていれば注を別冊=別ファイルにするのが簡単であることは、卒論で学習済みだった。気をつけるべきは、別冊の作成前に、本文に注を挿入し忘れた箇所がないか確認することだけだ。

またテクニカルな話で恐縮だが、注を別冊にするために以下のことをした。メモ程度に残しておく。

・文末脚注を全選択(⌘A)、コピー(⌘C)
・wordでファイルを新規作成
・注データを、テキスト形式を選択してペースト
・全ての段落頭を揃える
・段落番号(連番)のスタイルを選び、適用
※この時点で元の注番号が再現されるはず
・本文編と注編で、最後の注の番号が同じであることを確認
※同一の注の中で改行があると不要な行頭番号がつく、削除すればよし

もし有用な情報を求めてこれを読んでいる人がいたらごめんなさい。きっともっとわかりやすい注編(別冊)の作成方法がどこかにあるはず。


・製本〜提出まで

さて、ここまでやった時点で日が暮れていた。時節柄ということもあってか、日曜で夜まで開いている印刷屋は少ない。22時まで開いている某店に行くことにして、べそをかきながら要旨を書き上げ(制限字数の8割をギリギリ満たした)、本文・注・要旨それぞれの表紙のPDFファイルを作成し、全てのデータを入れたUSBと、念のためノートPCとモバイルルータも持って、21時過ぎに印刷屋に駆け込んだ。なお、当然ながらファイルの形式や分け方は印刷業者によって異なるし、部数も研究科・研究室で指定されているので、事前の確認が大事だ。

その後、家に帰ってから博士課程進学の願書を急いで書き、アラームを設定して寝た。

そんなこんなで翌朝に完成版を受け取り、朝イチで提出できたのは幸いだった。例年は締切日に印刷・製本する人もいると聞くが、世情が不安定なので自分は早めを心がけたつもりだ。それでも、コンピュータが壊れなかったとか、提出に向かう途中で事故に遭わなかったといった、些細な幸運の積み重ねで提出に漕ぎ着けたとしかいいようがない。


おわりに

要するに、最終月に字数を把握することで量を確保し、最終日に主に外見を整えて提出したということだ。

既に論文審査を通過したからいいものの、思い出すだけで疲れた。反省を今後に活かしたいものである。

当時は集中力の欠如等が原因で執筆に時間をかけられず、思うように動けない自分を責めてばかりいた。しかし、かけた時間ではなく書けた字数(おっと駄洒落になってしまった)に注目することには一定の効果があったと思う。

例えば、5分で書けるメールに取り掛かる前に25分間悶々としていたとすれば、メールを書くのに30分必要だったことになる。自分の場合であれば、実際の執筆時間だけでなく、食事する時間や落ち込む時間もまた、執筆するために必要な時間だったといえる。もっと言えば、これまでの人生すべての時間がこの修論の完成には必要だったのだろう*。


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*人生かけてこのクオリティかよ、というツッコミは無しでお願いしますね。

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