管理・監視されていないとネジ1本の緩みもなく、飛行機を飛ばすことはできないのだろうか？

私の勤める FREEPLUS では、創業者や本部長（今は階級は全撤廃された）が朝礼のスピーチで語ったことをすべて社内イントラネットに残している。最近はそれを遡って読むのが密かな楽しみだ。

そんな中、気になる創業者のスピーチを見つけた。

「役職者が緩めば、すべてが緩み始める。
　飛行機は、ネジが1本でも緩んでいたら
　墜落事故を起こす。」

簡潔に言えば、当時の役職者たち向けたメッセージで  "ルールを守らせろ！" というようなことが書かれていた。一般的に経営者が恐れているのは、まさに飛行機のネジ1本足りないだけで、飛行機が墜落してしまうように、小さな綻びが大きな歪みになって経営に悪影響をもたらすことだと思う。だからこそ、管理監督者による監視と統制で、一般メンバーを制御しようとするのだろう。（当社の場合、全くメンバーを信用していない訳ではなかったが、当時は上場を目指していたこともあり、厳しく管理統制していた、というイメージだった）

一方で "監視と統制せずとも、飛行機は落ちない"
そう考えるのが、ティール組織である。だからこそ、1人1人を信頼して意思決定やアクションを任せる。

※FREEPLUS は2019年6月より、ティール組織の考え方を取り入れて会社運営をしている。例えば、お金の使い方も、出社時間も、どこで働くのかも、お給料をいくらにするのかも、メンバー1人1人が決めるている。この変化の経緯が気になる人は、↓ Youtube をご覧ください。

このお話をする時に必ずと言ってもいいほどもらう質問が、「暴走するメンバーはいないのか？」だ。つまり、飛行機の話に例えるならば、1人1人に意思決定権限を持たせたら、飛行機はきちん安全に飛行できないのではないか？ということだ。

質問者の意図としては「人は基本的には怠ける生き物である」「人はそもそも自分本意＝エゴで行動する生き物である」「まとめる人を作らないと機能しない」それなのに「管理統制しなくても大丈夫なのか？？」というところが気になるのだと思う。

では、本当に管理統制しないと組織は成り立たないのだろうか？

シンプルにいうならば「できる」。
それがティール組織の解だ。

なぜ、成り立つのか？
当社の取り組みを例に、考えてみよう。

成り立つと考える理由の1つが意思決定を行うときに "助言プロセス" を経るという仕組みだ。（本に取り上げられる企業ごとに様々なアプローチがある）

1：意思決定したい。
2：その意思決定に関わる専門家と、その意思決定によって影響を受けるメンバーに助言を求める。
3：助言を求められたメンバーは、自己責任100%として躊躇なく助言をする。
4：助言を受けた上で、自分で決める。

当然、代表取締役であっても "助言プロセス" を経てなされた意思決定は覆すことができない。

だたし、全てを自分で意思決定ができるとはいえ、メンバーは自分のエゴを超えたことを目的として意思決定をする必要がある。「その意思決定は、私たちの存在目的・意義に対して効果的なのか？」ということを、意思決定にしてもミーティングにしても常に考えなければならない。（さもなければ、会社は会社は個人の欲求を満たすだけの箱になる）

それを体現するためには、人材採用が大切だ。

当社HPより：https://www.freeplus.co.jp/jp/recruit/member/faq
Q：どのような人材を求めていますか？
A：FREEPLUSの存在目的を追求することが、自分の人生の信念を追求することになる方を求めています。

*"人生はその人のものであり、会社の理念や使命を押し付けることなんてできない" 根本的な考え方はここからきている。

これが当社の採用方針である。

そのようなメンバーで構成されている組織であれば、FREEPLUS や FREEPLUS の存在目的・意義にとって効果的な意思決定をしてくれる。そう信じることで、上記の意思決定プロセス=助言プロセスを採用することができるのだ。

まとめる人を作らなくても大丈夫か？という疑問に対しては...ちょっと長くなるので、また次回の note に...（ごめんなさい笑）

ここまで読んでみていかがだろうか？
管理統制されずとも機能する組織のイメージが湧いてきただろうか？

本日伝えたかったこととしては、管理統制されなくても安全に飛行機を飛ばすことができる。ただし、手放しにそうはならず、採用や意思決定のプロセス、そこにいるメンバーの人生の信念が組織につながるという条件が揃って、飛行機を安全に飛ばせる、ということだ。

当社の取り組みはまだまだ発展途上。この取り組みが結果としてどうなるのかはわからないが、組織の存在目的にとって効果的な意思決定を繰り返し、安全に飛行機を飛ばし続けたい。