組織における "怒りや悲しみ" の90%以上は "合意のない期待" から生まれる。
みなさんは、こんな経験をしたことはないだろうか?
👨「この仕事、今日中に 仕上げておいてください!」
👩「かしこまりました!」
...夕方
👨「頼んでいた仕事、終わった?」
👩「えっ!まだ終わってません。」
👨「何やってんだよ!今日中って言ったじゃないか!」
👩「今日中っておっしゃったので、今日の23:59までかと....」
👨「いやいや、今日中って言ったら今日の定時までだろ」
👩「す...すみません...(えっ期限ははっきり言わなかったじゃん!もやもや)」
私は覚えている限り、数えきれないほどこんな経験をしてきた。
人間の怒りや悲しみの90%以上は、合意のない期待から生まれる
頼む側は「言ったはずなのに、やってくれなかった」
頼まれた側は「言われた通りにやったのに、怒られた」
一説によると人間の怒りや悲しみの90%以上はこうした、合意のない期待を原因に起こるらしい(結構比重が大きい☝️)。
解釈が含まれる表現の罠
では怒りや悲しみの原因は何だろう?
👨「いやいや、今日中って言ったら今日の定時までだろ」
👩「す...すみません...(えっ期限ははっきり言わなかったじゃん!もやもや)」
この部分からもわかる通り "解釈が含まれる表現" が根本原因だ。
「今日中」という表現 1つを取り上げたとしても
1. 今日退社するまで
2. 今日の定時まで
3. 今日の23:59まで etc... と無数の解釈ができてしまう。
結果としてそれぞれが別の解釈で動いた結果、怒りや悲しみが生まれたのである。
フタを開けてみればこんな単純な原因なのに、人は繰り返し, 繰り返し 解釈が含まれる表現を使い、それを許してしまう。だから世の中に怒りや悲しみが絶えないのだ(言い過ぎ...?)。
"合意のない期待" は双方の怠慢
次はこんな問いを。
それでも解釈が含まれる表現を使ってしまう理由は?
私なりの仮説だが、双方合意が取れているつもりになってしまっていたり、そもそも依頼側の人ですら期待値(期限)を考えていない・依頼された側も考えていない なのではないだろうか。
つまり、この問題が繰り返される一番の理由は 怠慢(考えてない, 結果に無頓着)だと思っている。
依頼する側が、依頼に責任を持っていたとしたら、期限や成果指標は明確に示した方が良い。だって、その方が自分が得たいものを、確実に手に入れられるから。
依頼される側が、依頼内容を承諾するならば、そのアウトプットに責任を持つべきだ(と私は思う)。責任を持つならば、その依頼内容を100%遂行するために、期限や成果指標を知りたくないだろうか?
双方、自己責任100%で仕事を遂行するならば、解釈が含まれる表現は絶対的な悪であり、自分から合意をとりにいった方が成果を出せるのである。
そうして出来上がった文化
実は当社 FREEPLUS のオンボーティングでは、何よりも先に「組織における "怒りや悲しみ" の90%以上は "合意のない期待" から生まれる。まずは解釈が含まれる表現をやめることから始めよう。」ということを教える。
(入社時は合意のない期待が起きやすいタイミングだ。だからこそ、これを一番最初に企業側のスタンスを伝え、合意のない期待を防げるようこちらから提供できる情報は全て提供するので、オンボーディングで確認しましょうね、ということにもなる)
結果として新人が「今日中にやっときます!」とか言ったときには、社内の先輩から「今日中っていつですか?」と反射的に質問が返ってくるような文化が出来上がった。みんな、解釈が含まれる表現が気持ち悪くて仕方ないのだ。
*ただしデザインなど、芸術性を問われる業務においては、解釈による表現は可能。
私も転職してきた当時は、みんなきっちりしてるなぁ(感心)と思っていたところだが、今やプライベートで「なるはやで」と言われたりすると「何分以内?」と思ってしまったりする(笑)
でもこのおかげで、不要なイライラや悲しみも減り、社内コミュニケーションやプライベートにも良い影響があるので、ぜひみなさんも徹底してみることをお勧めしたい。