九月著『走る道化、浮かぶ日常』感想。"寂しさを舐めてはいけない"
九月くんの著書、『走る道化、浮かぶ日常』を読んだ。本書を通じ、この世がまた少し平和になった。ページをめくるたび鳩が一羽、また一羽と羽ばたき、読み終わる頃にはひと握りの愛と大量のフンだけが僕の手元に残った。
"寂しさを舐めてはいけない"
ーそれならば、腹痛も舐めてはいけない。
考えてみてくれ。
寂しさに耐えられず息絶えるうさぎだって、うんちを食べる。
ここから寂しさとうんちは同義だということがわかる。
寂しい夜があるでしょう、やりきれない、耐えられない夜があるでしょう。
でも、明けない夜はない。
同じように、うんちが出ない腹痛もない。
と思いきや、割としょっちゅうある。
どうしてだよ。
あれだけ辛い思いをして、耐えて、耐えて、耐え抜いたのに、うんちすら出ないなんて。
やり切れない。こんなのあってはならない。そうでしょう?
その反面、うんちが出た瞬間の感動は凄まじい。
この世に生を受けた意味を、神の真意を知る。
かと言って、流石に食べるのはどうかと思うよ。うさぎ、お前。
嬉しいからってうんちは食べない。
せめて雄叫びを上げるくらいにしておきな。
ガッツポーズで良いじゃん別に。食べなくても。
多分さ、だから寂しい思いするんだと思うよ。
嬉しいからってうんち食べるようなヤツに誰もついて来ないって。