九月著『走る道化、浮かぶ日常』感想。"※この(文)章は一人称を使わずに書かれています"

九月くんの著書、『走る道化、浮かぶ日常』を読んだ。本書を通じ、この世がまた少し平和になった。ページをめくるたび鳩が一羽、また一羽と羽ばたき、読み終わる頃にはひと握りの愛と大量のフンだけが僕の手元に残った。


"※この(文)章は一人称を使わずに書かれています"
ー僕はどれだけ大層なご高説を承ったとしても、ソイツがフルーツ好きなら何も響かない。
わざわざフルーツを好き好んで食べるような輩に、僕のことなんて何も分からないからだ。
普通、フルーツなんて食べない。まともに生きていたら食べる機会なんてない。

もし君が甘いもの、つまるところスイーツ、デザートが食べたくなったとき、どうするだろう。
きっとケーキが恋しくなるだろう。プリンかもしれないし、お団子かもしれない。
食後のひととき、一杯の紅茶と添い遂げるのは誰?

何があろうと、フルーツじゃない。
ケーキに入ってるのは良いよ、もちろん良い。いちご大福だって嬉しい。サプライズだ、ニコニコしちゃうな。
別にこっちはフルーツが嫌いな訳じゃないんだ。おいしいと思っている。
ただ単に、それ単体で食べるなと言っているんだ。

絶対ケーキの方が美味しいだろ。味も食感も同じすぎるって。スイカとかどうすんだ?
1日で食べ切れる量じゃないって。

いちいち食べる必要がなさすぎる。
それなら朝ごはんにすればどうだって?ふざけるな。良い訳ないだろ。

なんで朝から口周りベトベトにしてまでフルーツを食わにゃならんのだ。
寝起きに食べるものにしては水分過ぎる。黙ってろボケ。

健康に良いとかも弱いって。
普段食べるものに全部入ってるだろ。フルーツを食べないと不健康になる筈がない。
もしそうだったとしたら馬鹿過ぎるだろ人体。

それなのに、あえてフルーツを手に取る風変わりな人はもう、カッコつけてるとしか言いようがない。
フルーツが好きなのではなく、フルーツを食べている自分が好きなのだ。
フルーツは果物じゃない、野菜でもない。自尊心が具現化した呪物だ。呪いを喰らうな。早く帰ってくれ。

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