九月著『走る道化、浮かぶ日常』感想。"目次まであと三ページ"

九月くんの著書、『走る道化、浮かぶ日常』を読んだ。本書を通じ、この世がまた少し平和になった。ページをめくるたび鳩が一羽、また一羽と羽ばたき、読み終わる頃にはひと握りの愛と大量のフンだけが僕の手元に残った。

"目次まであと三ページ"
ー世界にはワクワクを増幅させるいなせな言葉が沢山ある。焦らしつつも、そう遠くない未来にある幸福を感じさせてくれる、そんなComing Soon慣用句が大好きだ。慣用句の使い方合ってるかな。まあいいか。言葉は紡いだ者に権利があるからね。僕が今後使う慣用句はそういう感じのニュアンスも含まれます。もちろんみんなも含んでいいよ。

ーーーお客様の荷物が出荷されました。
僕が1番好きな言葉だ。とにかくワクワクする。ヤマト運輸も佐川急便も大好きだ。
欲しいと思って買ったものが、動き出す。嬉しすぎる。あれより嬉しい知らせがこの世にあるだろうか。

この文章を書いている今、新しいパソコンが届いた。生涯5台目の超インテリ家電だ。
別にそれまで家で使っていたパソコンだって、日常的な作業は問題なくこなしてくれた。それでも、一度欲しくなったらもうその衝動は抑えられない。
ピンと来ない人は他の何かに置き換えてほしい。お気に入りのブランドが出したスニーカーでも、限定のコスメでも何だっていい。別に必要ないけど買っちゃうでしょ。僕にとってのそれが家電、ないしガジェットなわけです。
そこまでお金を使うタイプでもないけれど、ガジェットだけには課金を惜しまない。惜しめない。
欲しいと思ったら手に入るまで鎮まることはない。

三大欲求で言うとアレだね、完全に性欲と一緒だ。物欲は射精だよ君。
普段社会を身にまとっているくせに、種の本能が疼くと矮小な一匹の獣に成り下がる。ビーストモード。どうだろ、多分メガトロンだろうな、性欲は。怖かったりもするし。

よくよう考えればビーストウォーズも機械だよな。多分。ってことはまあ、僕の物欲対象になる訳か。
性欲すらも喰らう、哀れなカニバリズムの獣がここに誕生しましたと、さ。

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