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境界を極めるバス/旧国境編2.5/六浦台と湘南鷹取

武蔵/相模旧国境編その2.5
2020/08/27公開
現地調査:2020年5月/2022年8月
本文中のデータ類は、特記無き限り2022年8月時点のものです。
また、画像は、特記無き限り、著者が撮影したものです。 

今回の武蔵・相模国境編は、国境を越える車道?はあるのですが、自動車が通過することができない場所(なので「その2.5」)です。ある意味、閑話っぽいので、本文は短いかもしれないですが、画像は多目かも?

場所

今回の現場と、以前の記事で取り上げた場所の位置関係。
ベース白地図は、例によって freemap.jp より。

 武蔵・相模の旧国境のうち、現代にて横浜・横須賀の市境となっている部分は、基本的に分水嶺=天神尾根になっている旨は、前回の武相国境編その2で記した通りである。しかも、市境を越える幹線道路と呼べる道が、横浜横須賀道路を除くと実質的に2経路しかない、ということも、前回記した通りである。
 しかし、自動車は通れないものの、天神尾根を越える車道らしきもの?が存在する。この道により、横浜市金沢区六浦南地区の住宅街と、横須賀市湘南鷹取の住宅街が接続されている。現場を見ると良く判るが、がっちりしたガードレールが設置されていて、緊急時に消防車や救急車などが通り抜けられるようにはなっていない(管轄が違うから良いのか?)。徒歩や自転車であれば、容易に通行できるが、付近の坂道は結構きつい。

相模国=横須賀市=湘南鷹取側から見た現場。
階段のみならずガードレールまであっては、戦車でもない限り通行は無理。
武蔵国=横浜市=六浦側から見た現場。
ガードレールの警戒色ペイントで、うっかり突っ込む車はなさそう。
横浜市側から見た通行止め地点の遠景。
黄色のセンターラインが引かれていることから、
幹線道路とする目論見があったのかもしれない。
横須賀市側から見た通行止め地点の遠景。
こちらは典型的な住宅街端の行き止まり風。

 場所は、国道16号線よりもかなり内陸寄りで、後述する横浜・横須賀・逗子の三市境との中間ぐらいにあたる位置になる。前記事の天神尾根切り通しからは、横浜市側に迂回して尾根に取り付けば、この地点までは徒歩道が整備されているようである(が、この区間は未調査である)。

バス路線

 ご丁寧に、横浜市側も、横須賀市側も、路線バスがすぐ近くまで乗り入れている。何れも京急バス追浜営業所が担当する。どちらの系統も、住宅街の中をくまなくカバーするためか、駅からの最短ルートではなく、かなり回り道をしている。

現場付近のバス路線概念図。 
"追1"/"追5"系統の途中停留所は大胆に省略。

 横浜市側は六浦駅とその南側の住宅街を結ぶ右回りの循環路線で、途中止まりや途中始発もあるが、完全に循環する系統は”六1”の系統番号を与えられている。ちなみに、途中の「エステシティ3号棟」終着が”六2”「六浦台住宅」始発が”六3”「六浦5丁目」終着が”六4”系統である。
 六浦駅付近で非常に狭隘な道を走るため、コミュニティバスでよく見かけるマイクロバスサイズの車両が使われている。ほぼ終日20分間隔での運転であり、基本は1台のバスが循環しているようである。途中止まりや途中始発が入るところで車両が入れ替わる模様。冒頭で述べた天神尾根越えの道に最も近いバス停は「湘南六浦第三」であるが、天神尾根に最も接近するのは、「六浦南小学校」~「エステシティ壱番館」の間である。

”六1”系統が天神尾根に最接近する地点の遠景。
高圧電線の鉄塔がある付近が当該地点。
エステシティ壱番館のバス停から撮影。
天神尾根に最接近する"六1"系統六浦駅行。
六浦駅前で客扱い中の"六1"系統。
駅南口の道は非常に狭隘です。

 横須賀市側は、武相国境編その2でも紹介した、内川橋始発・終着で追浜駅と湘南鷹取の住宅街をを結ぶ”追1””追5”系統がすぐ近くまで入る。こちらも2系統合わせて毎時3本の運転が基本で、湘南鷹取の住宅街の中は右回りの循環ルートが基本になっている。距離が長いこと、渋滞しがちな国道16号線をバス停2区間分であるが走ること、始発/終着が整備拠点のある内川橋であること、などから、何台かで担当している模様。件の天神尾根越えの道に最も近いのは、「湘南たかとり6丁目」であるが、天神尾根に最も接近するのは、1つ手前の「マンション北口」という停留所との中間付近にある直角カーブである。

「マンション北口」停留所発車直後の"追1"系統。
循環区間であるため、行先表示は「内川橋」になっています。
(それにしても、バス停の名前、もうちょっとなんとか……汗)
天神尾根に最接近する(少し手前の)"追1"系統内川橋行。
厳密には、もう少し先の右直角カーブ付近が最接近地点。
画面奥の高い場所が天神尾根です。
追浜駅到着直前の"追1"系統。
ここから多数のお客さんを乗せて、満席+立客ちらほらになりました。

天神尾根の登山道?

 前記事などで述べたように、国道16号線より海側は、天神尾根の上を(多分)市道が通っている。国道16号線と京浜急行本線が通る切り通しで、一旦、尾根を辿る道も途絶えるが、横浜市側に迂回することで、再度尾根上の徒歩道に出ることができるため、問題(??)の地点までは(体力がそこそこあれば)徒歩で到達することができる(この区間は未調査である。気候が良くなったら行ってみたい)。


問題の地点から、国道16号線方面から登ってきた道を望む。
登ってくる途中には階段状になっている箇所もあるらしい。
問題の地点から更に尾根を登る方向を望む。
完全に住宅街の中の小径の風情。

 問題の地点よりも西側は、六浦・鷹取双方の住宅街が尾根直近まで拡がっているので、尾根道というよりは、住宅街の中の遊歩道雰囲気になり、このまま横浜・横須賀・逗子の三市境までいけそうな気持になる。
 が、それは、罠(?!)である。
 遊歩道的雰囲気の道を歩いていくと、気付けば横須賀市=湘南鷹取側の住宅街に入っていて、その地点から急登となる天神尾根に続く道が無い。

ここを突破すれば天神尾根の続きを辿れるらしい。
急斜面・激藪・おそらく私有地のため、突破はまず不可能?
住宅街の小径、もとい、尾根道から放り出される地点で振り返った風景。
普通に住宅街の中の小径です。
画面左手に続く草むらが天神尾根の続き。

 しかし、横浜市=六浦側からは、住宅街の奥に尾根上に続く階段があり、これを登れば天神尾根に復帰することができる。ただし、横須賀市側で尾根から出てしまった場所から、横浜市側の尾根に登る階段に至る道は、ちょっとしたロールプレイングゲームみたく、初見ではあちこち探し回らないと見つけられない位置になっている。

横浜市側から天神尾根の続きにアクセスする入口。
上の画像の地点からは、件?の地点まで迂回する必要があります。
階段を登り切った地点から、尾根下方を眺めた風景。
正面やや右方向が、激藪急斜面私有地を突破した場合に出てくる場所。
常人では完全に突破不能。

 ここから上の天神尾根の道はちょっとしたハイキングコース風になり、三市境にて三浦半島中央山稜にたどり着く。ここから南に行けば鷹取山の石切場跡に設置された公園に至り、その先も各方面にハイキングコースが続いている。北に行けば1本道であるが紆余曲折(途中に雨が降った翌日だと、登り切るのに難渋する土?泥?の急坂がある)を経て六浦と逗子を結ぶ峠道で突き当たる。六浦側にルートをとった場合、またまた1本道であるが紆余曲折(霊園の脇で車道風になりそのまま降りられると思わせられながら、再度登山道になる)を経て、最終的には横浜横須賀道路を越えた直後に長い階段で六浦の住宅街の西端にでる。逗子側は未調査なので、気候が良くなったら辿ってみたい。

天神尾根の登山道。
横須賀市側が開けてる区間。
天神尾根の登山道。
ここは横浜市側が開けてる区間。
勿論、こういう普通の登山道区間もあります。
この地点が、横浜・横須賀・逗子の三市境。
手前が横浜市金沢区/横須賀市。奥が全面的に逗子市。
三市境から南下して至る、鷹取山山頂の展望台より。
昔の石切り場の跡らしいです。
三市境から北に進んで、六浦・逗子間の峠に突き当たった地点。
通常ならばハイキング装備で行けますが、
場合によっては極端にぬかるんだ斜面を突破する必要あり。
上画像の三叉路を六浦方面に進むと、最終的に出てくる階段。
横浜横須賀道路を越えたすぐ先から長~い階段が続いてます。

あとがき

 実のところ、天神尾根上部~三市境は、全く別な目的=三市境がどうなってるか見たい、ということで、二年以上前に探訪していた場所である。しかも、1か月の間に2回も行っている。
 今回、というか、野島・夕照橋を探索した頃から、天神尾根の完全踏破=海岸から三市境までを目論んでいたが、体調や天候のため、未だ実現していない。
 多分、境界を越えるバスとは異なるシリーズになると思うが、いつかは踏破してレポートしたい。

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