牡牛座と金星
愛することを恐れている
与えることを恐れている
愛することで手持ちの愛が
目減りするのを恐れている
昼間の意識は雄弁ぶって
「恐れてない」と放言するが
それすらただの方便か
生産され続ける聖餐
物質ではない 量もない
手にしてみても 所有はない
与えてみても 贈与はない
それゆえ誰もが満ち足りる
物体/結果
否
現象/行為
ただ生きているだけで
時間と所有を失い続け
有限の夕餉を貪るだけの
その人間という物体が
認識する現象にしては
愛は
あまりにもあまりある
あまるほどにあり
ありあまる
愛が恐れ
失い恐れ
無限の贈与と受領の恐れ
老いてくるった赤ん坊が
果てない毛布の端つかみ
放すものかと泣き叫び
(Photo by Jon Meza on Unsplash)