かれこれ29回目の春にいまだに慣れない
週末に少し寒の戻りがあったものの2022年、無事に春が到来しましたね。私にとって人生で29回目の春です。そんなに生きたか、という感慨と同時に、「いつまでたっても春に慣れることはないなぁ」という思いがあります。
春といえばまず思い浮かぶのは「出会いと別れ」。私はこれが大の苦手です。小さい頃から新しい環境にはいつも苦戦してきました。
新たな環境に慣れるまでのあの所在のなさ。大人になればなるほど、初めましての人が怖く感じるようになりました。「どう振る舞うのがこの場にとって、自分にとって適切なのか」。前の環境では普通にできていたことさえも、自信を喪失してしまうことだってあります。
そしてそんな環境に一生懸命適応して、やっと自分らしくできるようになったな、と思ったところでの別れ。これは一番精神的にキツいです。腰の重い人間にとって、居心地の良い場所から未知の世界へ飛び込むことはバンジージャンプ、いや、スカイダイビングに挑戦するくらいの恐怖です。
そしてつぎに「ファッション」。こんなに春の季節を経験してきているのに、いまだになにを着たらいいのかいまいちわかりません。これは私だけなのでしょうか。
すごく寒いわけでもなく、すごく暑いわけでもないという非常に曖昧ではっきりしない気候。日によってはちょっと肌寒い日があったりするけれど、ガッツリ防寒するのはなんか違うし、巻き物でカバーするといっても、その巻き物の身につけ方もよくわからないし...。
前の年に春服は揃えたはずなのに、不思議なことになぜか次の年になるとリセットされているんです。これは一体どういうことなんでしょうか。そしてきっと今年もまた「春服がない」といっていろいろ揃えて、来年にはまた「ない」と慌てるんです。それはいつまでたっても変わらないのでしょう。
しかし一方でその変わらなさにホッとする気持ちもあります。「また変わらず苦手な春がやってきた。一年間、わたしはなんとか生き抜いてこれたんだなぁ」と。
同じことを繰り返すということについてネガティブな意見が持たれがちですが、私は逆に同じことを繰り返すことができるということはとても尊いことだと思っています。
私たちは、私たちの周りの環境は、嫌でも変わり続けます。とくに最近はその流れが目まぐるしいほどです。そんな時代だからこそ、変わらないものに目を向けてみるということをしてみたら。新しい環境から少しでも心を離す瞬間を生み出せて、また自分らしさを取り戻せるかもしれません。
進学された方、職場が新しくなった方、住む場所が変わった方がたくさんいらっしゃると思います。不安な気持ちでいっぱいの方も多いでしょう。わたしも同じです。変化に苦手なもの同士、変わらぬものを大事にしつつ、今年もまた苦手な春を駆け抜け、夏までなんとかたどり着きましょう。
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