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人生2回目の人工肛門生活

ヒルシュスプルング病(全結腸型)と言われて大腸を全摘出した次男。

その後、小腸に潰瘍ができ続け、クローン病と診断される。

クローン病を改善するための特効薬が思うように効かないことから、成育医療研究センターで精密検査をした結果、

クローン病じゃなくて、大腸全摘出した時の手術箇所に問題があることが原因だったのでは?というところが今回の始まり。


2週間毎に輸血が必要なレベルの貧血になっているから、前回の手術箇所を早く改善したほうがよさそう、でも今は潰瘍が多いから少し治まってから・・ってことで、精密検査の結果が出て1週間後には、人工肛門を造設する手術をして、潰瘍のある箇所に便がいかないようにすることが決まった。


次男の人工肛門生活は6年ほど前に経験していて、今回で2回目なので私たち親の精神的なハードルは低い。
ただ、前回と違うのは周りの環境。保育園と家の往復だけだったけど、今はいろんな方に支援を受けている。

ということで、手術が決まったことを夫に連絡したすぐ後に、学校・学童・放デイ×2か所、移動支援…全部で5か所に連絡。長期でお休みすることと、人工肛門作るので何か手続きや準備が必要なら教えてほしいと伝えておく。

ドタバタしながらも1週間後には人工肛門造設手術。
手術は無事に成功したものの、麻酔から目覚めてすぐの次男は錯乱状態。
手術室から病棟への移動中も変わらず泣きわめいていて、鎮静剤を投与されてやっと(強制的に)落ち着きました。宇宙人にさらわれて肉体改造された人と同じような心境なのかな…と想像。術前説明しても理解できないとはいえ、なんか切ない気持ちになりました。

術後の痛みがなくなってから、退院、そして新生活に向けての準備が始めました。

■本人に人工肛門生活を受け入れさせる

「今日から人工肛門生活だよ~大切にしてね」と言っただけでは残念ながら伝わらない知的障害のある次男。

そんな次男に、病棟の保育師さんはキワニスドールという人形に、

https://tokyo-kiwanis.or.jp/doll

人工肛門を付けたものを見せながら、
「あまり人には見せちゃダメだよ」
「触る時にはそっと触るんだよ」
「この袋(パウチ)は取っちゃダメだよ」
と何度も何度も言い聞かせてくれたそうです。

おかげで、退院した今でも、パウチをいじることなく、ケアもほとんど嫌がらずにさせてくれます。病棟保育師さんに本当に感謝です。

■親がケアの仕方を覚える

親が排液を捨てたりパウチを替えたりできないと暮らしていけないですからね…退院させるためにはやるしかない。
実は、すべての看護師さんが人工肛門に関する知識があるわけではありません。WOCナース(ウォックナース)という日本看護協会認定の皮膚・排泄ケア認定看護師さんがパウチの選定や替え方、排泄液の出し方、皮膚ケアの仕方、用品準備などを教えてくださいました。

我が家の場合は面会頻度の高い私がレクチャーを受けます。
が、私はパウチを貼るのが苦手なのが前回の経験でわかっているので、メインで夫が貼ることにしました。夫のために週末にも替え方のレクチャーもしてもらいました。
さらに、排液を出すのも、次男自身ではできません。周りの大人たちがやってあげる必要があるので、次男の性格に合わせた、誰がやっても失敗しない方法を一緒に考えていただきました。

■病院から関係各所への説明

次男の日常生活は学校・放デイ・学童保育と様々な施設のおかげで成り立っているわけですが、(私が各所に確認した後で)病院から直接連絡して、説明の場を設けてもらいました。

病状の説明と、排液の捨て方やタイミングが主な目的ですが、人工肛門は恐れることじゃないよ~もし困った事があれば相談してねという精神面のケアが一番の目的だったのかなと思っています。

という感じで、前回の人工肛門生活に比べて、いろいろと退院支援してもらいました。これだけ手厚い支援なのは時代の変化なのか…主治医の違いなのか…わかりません。

その他のSpecialThanks

★学校の先生、学童保育のスタッフさん、放デイのスタッフさんの皆さん
ネガティブなことは一切言わずに人工肛門になる次男を受け入れてくれたこと、一緒に勉強してくださいました。今現在次男が手術前と同じ生活ができているのも皆さんのおかげです。

★医療的ケア児支援法
医療的ケア(人工肛門は国が定める医療的ケアには該当しないのだけど)児を受け入れるこのが当たり前の世の中にしてくれました。ありがとうございました。


★ユニクロ
あの、誰もが知るユニクロ(UNIQLO)です。
110~150cmのボディスーツを販売してまして、アンダーウェアとして活用してます。

KIDS コットン前あきクルーネックボディスーツ(半袖)

実は医療的ケア児の親界隈では人気の商品で、今回使えるかもと購入してみたのですが、
  ・パウチを隠しやすい。
     (術前から服をめくってお腹を見せることがあるので…)
  ・服をめくらなくてもパウチ確認ができる
   ・ズボン脱着時にパウチを気にしなくていい。
といいことずくめだったので追加購入しました。
販売終了予定だったらしいですが、あるツイートがきっかけで販売継続となったそうです。ありがとうございます。


ということで、いろんな人たちに助けられながら、次男2回目の人工肛門生活を過ごしてます。
貧血もなくなり、食事制限もなくなったため身長体重も増えていて…うん?術前よりも調子いいじゃん。
2ヶ月後には再手術予定だけどもっと後でもいいんじゃないか思っている親と主治医でした。

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