見出し画像

英雄伝説 界の軌跡-Farewell,O Zemuria- 初見ナイトメアクリアレビュー   (ネタバレあり)

 PS5版界の軌跡を難易度ナイトメアでクリアしたのでレビューを残します。なお、本稿には本作の重要なネタバレが含まれておりますので、未プレイの方はご注意ください。あくまで個人的見解と感想ですので、誤解や偏見がある記述があるかもしれませんが温かい目で読んでいただけると幸いです。




戦闘

 ナイトメア攻略ということで主にコマンドバトルについて語らせていただきます。
 まず本作はヘイト状態の弱体化により、ヴァンをタンクにして残りのメンツで遠くからアーツで攻撃するという戦法がとりにくくなっています。また、猛威を振るった強シャードスキルの弱体化もあり、序盤から中盤にかけての攻略難易度は高いです。特にアークフェザーとカバーシールドの大幅弱体化と必要属性値の増加は痛すぎる。

 新要素「Z.O.C」「シャードコマンド」をフル活用する必要があり、これらを発動するためにブーストゲージを消費するためその管理も非常に重要。スピードライズやアルティメットウィンドを代表する硬直・駆動時間短縮のシャードコマンドを維持しつつ、ブーストゲージを使って火力を上げ、スタン中やリーサルを取れそうな場合は物理or魔法威力UPのシャードコマンドをかけて一気に畳みかける。これがナイトメア攻略の定石だと思ってます。 正直前作前々作はナイトメアであっても戦闘は生ぬるく、強い動きがほぼ決まっているため単調すぎて面白いとは言いにくかったです。反面、本作ははるかに戦略性が増し、かなり歯ごたえのある戦闘が楽しめたので神調整!


 と、いいたいところだが甘いぞ!ここで本作のぶっ壊れアーツ、シャードコマンド、シャードスキルを紹介します。


ヘルオブケラヴノス
 能力低下デバフを付与するクジラに対して、こちらは各種状態異常を付与できる高威力アーツ。特に高確率で行動不能にする封技&恐怖状態がめっぽう強く、ZOCによる連続攻撃を妨害、また不意の割り込みSクラを封じることができる点で非常に優秀。

 唯一の欠点としては攻撃範囲の狭さがあり、敵を中心とした中円内であるため、敵が分散してしまうと単体アーツに成り下がってしまうこと。ただ、味方キャラの配置次第で敵の位置や移動範囲をある程度はコントロールできるため、欠点とは言ってもささやかなもの。

ランサクスの雷槍みたい

ケートゥスファンタズマ 

 前作黎Ⅱで誰もがお世話になったであろうクジラ。繁忙期を乗り越え少しは落ち着いて仕事ができると安堵したのもつかの間、何故か何の弱体化もされておらず結局今作でもぶっ壊れアーツの仲間入り。 このままではクジラさんが長時間労働で過労死しかねないので、次回作はいい塩梅の調整をお願いします。

残業中のクジラ

アルティメットウィンド
 ずっちょ俺のターン!まさに究極にして無敵。とにかく駆動時間と硬直時間を減らして手数を増やすことが求められるナイトメア攻略においては、あるとないとでは天と地ほどの差が生まれる。ホロウコア-メア(グレイ)がブーストゲージ2本消費で駆動・硬直時間0.4倍に対して、これは同数のゲージ消費で駆動・硬直時間0.2倍。 ちなみに、Sブーストアビリティの性能に関しても汎用性ではアルテラが上なので、明らかに調整を間違えてます。

へブンリーラック 
 本作初登場の新シャードコマンド。とりあえずこれを全員が発動できるようにクオーツをつけましょう。上述でSブーストゲージの管理が大事だといったが、ATボーナスの一つ「ブーストゲージ+2」が付くと格段に管理がしやすくなる。 次回作では必要属性値上がってそう…

 多少調整不足な点はあるものの、全体的には満足しているので次回作にも期待したい。

BGM

 ビビッときたのはやはりラスボス戦のBGM!圧倒的脅威と未知、未来への不安と絶望を押し付けられるような禍々しくも神々しい曲調がいい!
 数多あるファルコム戦闘曲の中で個人的神曲トップ5には入りそう!

メインストーリー

 賛否あるとは思いますが、どちらかといえば私は肯定的に捉えていて伏線の張り巡らし方と仔細な舞台設定に関してはよく作りこまれているなとは思いました。結末にしても「まあ、そうなっちゃうわな」「ファルコムらしい終わり方だな」と感じたぐらいで別段不満はなかったです。(序盤のハミルトン博士との繋がりとかそろそろツバメが巣立つころだとか、制服デートの件とか、宇宙計画とアニエスの誕生日が被ってる等々、ヒロイン死亡もしくは失踪フラグは乱立してたしね……)

俺からすればまだ地味すぎるぜ!
もっと腕にシルバー巻くとかさー
もう!からかわないでよっ!

 これまで謎のままだったヴァンが甘党になった理由、リゼットの過去と技術革新を行うMK社の背景、キャットレディとゲネシスとの関係等々、メインキャラの諸事情が明らかになったのもよかったです。

 何より、軌跡シリーズと言ったら女神の至宝の存在は欠かせないと思うところがありまして、やっと!満を持して!ようやく!刻の至宝が出てきてくれたのは嬉しかったし、その絶対的支配力に対して今後主要キャラたちがどう動いていていくのか期待と興奮もありました。

ただ!
謎のまま投げっぱなしなところも多く、消化不良感は否めない。考察の余地を残してくれているのは良いが、プレイヤーの置いてけぼり感はすごい。

  1. ハミルトン博士の目的と残滓「レムナント」の存在理由。レーヴァテイン計画が失敗したときの保険として動いているようだが?女猟兵のレムナントは一体誰?未来のフェリ?

  2. 結局、グレンデル化とは?何故鬼畜眼鏡もグレンデルになれる?

  3. メアの正体。黒の庭城に彼女のルーツがあると言うが?グランドリセットのことも知っているっぽいし、至宝の聖獣ちゃうの?

  4. 刻の至宝が壊された後に出てきたゾア=ギルスティンのそっくりさんの正体

  5. エプスタイン博士が替えの利かない保険として用意した、アニエスが継承した”ある因子”とは?

  6. ユメの目の色が変わったのは何故?……いやなんもしないんかい!アニエス救ったり世界を救ったりしろ!


時空間ゆがませたら逆にグランドリセット早まらない?まるで意味が分からんぞ!

総評

 軌跡20周年記念作品ということで、完全に軌跡ファン向けの一本。点数で評価するなら75/100点。来年はザナドゥに空の軌跡フルリメイクもあるので、次回作は最低でも二年以上先になってしまうだろうけれども、考察班さんの意見で想像を膨らませながら楽しみに待ちたいです。


 以下は妄想と願望ですが、「《ゼムリア時空》を一時保存、限定回帰を実行」と言ってたので、これまで一緒に戦ってきたアニエスが存在しない時空での話になるんじゃないかと思ったり。「別のアニエスへ渡してほしい」といういわくつきのメダイユを手掛かりに、ヴァンとその他事務所メンバーがアニエスを救い最終的に刻の至宝をぶっ壊してハッピィエンド!みたいな。 
 
 綺麗に大団円を迎える形の終わり方がいいな

いいなと思ったら応援しよう!