障害者とその家族の災害時における避難生活の課題
台風10号が猛烈な勢いでおそってくるとのこと。
幸い私は関東圏に住んでいるので、天候が悪くなるだけで、そこまでの被害は無いと思うのですが、また次の台風はやってきますよね。
そこで、今回は”災害時における障害者の避難生活”について書いていこうと思います。
台風しかり地震もそうなのですが、もし、自分の家から避難を余儀なくされたらどうしますか?
大抵、みなさんは近くの指定された避難所にいくでしょう。
ですが、障害者はどうでしょうか?
自分で情報を収集して避難所に向かえる人もいますが、それが難しい人もいます。
・避難所に行けない人たち
私の弟は重度の自閉症・知的障害があります。
自分で情報収集をすることはできません。
必ず彼には誰かしら家族や支援員が付いています。
よく、母と話していることがあります。
「大きな地震がきたら、避難所にはいけないね」
障害をもっていなければ、避難所に行くことができて、窮屈かもしれませんが、必要物資もある程度届くはずなので、一番安心できる場所になると思うのです。
ですが、障害者やその家族たちは、避難所に行くことも許されない。
なぜなら、もし、避難所で弟が騒いだら、ただでさえ張り詰めた空気の避難所に追い打ちをかけるように、避難されている方々にストレスを与えてしまうのではないかと考えてしまうからです。
となると、障害者とその家族が家に住めなくなった場合どうすれば良いのでしょうか?
私は車での生活でしかないと考えます。
車の中であれば、ガソリンが入っている限り空調も効きますし、多少大きな声を出しても防音されるので、家族で生活するには狭いですが、これしかないと思っています。
食料物資も車で生活していると行き届かないことも考えて、常に非常食は置いておく。
そんなことを考えるのです。
福祉避難所というのもあるようですが、そこには直接避難することはできず、まずは一般避難所に行き、福祉避難所に行きたい旨を伝え、保健師等の人から福祉避難所への移動をするべきかを判断されてからでないと行けないようですね。
どこの地方自治体もそんな感じでした。
やっぱり何かしら助けを求めるのも一般の避難所に行かないといけないのです。
ただ、プライベートの確保が保たれない避難所生活はきっと、誰にとっても苦痛だと思うんです。
むしろ車の中で過ごせるのであれば、そっちの方が良いかもしれないとさえ考えてしまいます。
・考える避難訓練
そもそも、私は大きな災害を体験したことがなく、強いて言えば東日本大震災で、私の地域は震度5弱くらいだったと思います。
家は無事でした。
出かけていた母が交通機関の乱れで帰ってこれなくなるというくらいです。
なので、実際にとても大変な思いというのはしていないのですが、災害大国の日本にいたら、いずれは自分も何かしら大きな災害の被害にあうと思うのです。
だから、万一のことを想定しておかなければならないと思うんですよね。
これは、誰しもがです。
また、みんなが自分の命のことで必死なのに、他人の命の心配ができる余裕が無いことも事実でしょう。
自分の命や家族の命の方が大切です。
日本では避難訓練を小さな時から取り組んでいるはずです。
もし、会社や地域で避難訓練を定期的に行っているのであれば、その避難訓練の想定を「もし、聴覚障害の人がいたらどうするのか」「もし、視覚障害の人がいたらどうするのか」等、ダラダラとやってしまいがちな避難訓練を、考える避難訓練にするのも良いのかなと思います。
・情報発信・情報取得の仕組みづくり
何度も言うように自分の命の方が大事です。
こういった避難訓練をすることで、なかには情報を得づらい人もいるんだということが、頭の隅に残っていれば、実際、被災した際、ある程度自分たちの安全の確保も取れた時、「そういえば、この近所に耳の遠いおばあちゃんいたなぁ」などと気にして頂けるのかなと、思うのです。
あとは、障害者が緊急事態時でも情報を得られるような仕組みづくりを普段からしておけば、実際、被災した際に慌てなくて済むのではないかと考えるのです。
・発信していくことの大切さ
私含め障害者やその家族も受動的になってはいけないと思うんです。
障害があるから何も手立てがないと考えるのではなく、障害があっても何かしら対策はうてるはずです。
弟は情報を得ることも困り事を発信することも難しいです。
ですので、彼が情報を得て次の行動に移すためには、家族や平日の日中であれば作業所の支援員がサポートをし、彼は被災時の行動に移せるのです。
私は、障害者の家族ではありますが、当事者ではないので一体何が困るのかは想像の範囲でしかわかりません。
きっと、私の知らない、不便で困ることがたくさんあると思います。
当時者の方も発信できる方は、遠慮せずに発信していくことも時には大事なのかなとも思います。
・オーストラリアでみた光景
オーストラリアでワーホリをしていた際、車いすの人がステップの高いとラムに乗車しようとしていました。
どう考えても彼の力のみで乗車することはできません。
すると、彼は周囲の人に手伝ってもらえるように声をかけていました。
周りの人は当たり前のように彼の車いすを2~3人ほどで持ち上げてトラムに乗せていました。
あの光景は今でも忘れていません。
また、車いすのユーザーのみならず、ベビーカーの乗せ上げ、降ろしも、お年寄りの補助も見ず知らずの周りに居合わせた人が手伝っていました。
結構、こういった光景を目の当たりにし、私自身も手伝うこともありましたし、手伝ってもらったこともあります。
これは、国民性なのかもしれませんが、すごく素敵だなと思っています。
なかなか、日本で同じようにとはいかないかもしれませんが、やはり、あの時の彼のように、さらっとヘルプを求められるのって良いなと思いました。
周りもすぐに気付き手伝ってくれるんですよね。
・まとめ
このようなことを書いてますが、まだまだ、私自身も情報不十分で、思いつくままの甘い考えです。
それに、このご時世、集団避難生活も考えものです。
今一度、避難所・避難生活のあり方を考えることも必要なのかなと思います。
おそらく、地方自治体はコロナの状況での避難対策は考えているはずです。
私の住んでいる地域は運営方針がありました。
これを機に、一度自分の住んでいる地域の避難等、確認しておくのも良いかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
あなたの大事なお金です。サポート費はいらないです。それでも、サポートしたい!と思って下さる方、ありがとうございます。