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フューチャーインク / Future Inc.

デザイナー:Héctor Carrión
アートワーク:Dossom Studio
出版社:DMZ Games, ForGames
プレイ時間:30~60分
プレイ人数:2~4人

参照:Boardgame Geek

■ゲーム内容

未来の工場をテーマにした経済ゲームです。工場で様々な製品を作っていき、それを需要に合わせて売りに出すことで儲けを得ていきます。

ゲーム開始時にプレイヤーにはイベントカードが配られ、初期資金が与えられます。また、中央には製品ごとの需要トラックが置かれ、山札からカードが規定枚数公開されます。

配られたイベントカード。上が需要の変動で下は臨時収入的なやつ。

ゲームは5ラウンドで構成され最初の2ラウンドが時代1、次の2ラウンドが時代2、最終的にはラウンドが時代3となります。

ちなみに山札となるカードにも裏面に1~3の数字が入っていて1から3になるようにセットするのですが、これはラウンドと無関係で2ラウンド目に裏面が2のカードが出てくる事があるとの事です。

各ラウンドでは、スタートプレイヤーから時計回りに1アクション行います。各プレイヤーが3回ずつ手番を行ったら次のフェーズに移ります。

アクションでは場札から1枚を選択して、それを『工場の建設』か『販売価格の調整』か『宣伝/逆宣伝』に使います。

工場の建設』はコストを支払って手元にカードを配置します。コストは左下に描かれたアイコンの数とお金になります。アイコンは既に手元に建設された工場で生産できる製品の数が満たされていればOK。お金は実際に支払う金額になります。

左の工場を建てるためには7金と『C』みたいなアイコンが3つ必要。アイコンが足らないのでお金で解決。

ちなみにアイコンが未達の場合は差分をお金で解決することも可能です。追加で支払う金額は需要トラックで示されていて、需要が上がるとその分支払う金額も上がる仕組み。自前で生産できない分は仕入れなさいみたいな事だと思われます。

トラックの途中にあるお金がアイコンが足らない時に支払う単価。たぶん、仕入単価みたいなこと。

また、コストとして必要とされた製品は需要が上がります。中間製品として使用されるから需要が上がるとかそういう事かもしれない。

建設された工場。カードの上部のアイコンが製品の生産数で下部のお金が1つ当たりの販売価格。

カードの上部には工場で生産できる製品がアイコンで表現されていて、アイコンの数がそのまま生産できる数になります。また、カードの下部の中央に描かれたお金が製品1個あたりの販売価格になっています。

同じ製品を生産するカードは、上または下に重ねる事になるので、そこで販売価格をまとめて変更することが可能となっています(販売価格を変える場合は下に置いて、変えない場合は上に置く感じ)。

『C』みたいなやつは2金で売ってたけど、需要が増えてきたから4金で売ることにした。

販売価格の調整』はカードを1枚取って裏向きにした上で自分の工場の下にカードを追加します。これによって、このラウンドのみ価格を上下する事ができます。製品の単価は売却の順番に関わるので、とても大事。

このラウンドは充分な需要が予測されるので、単価を3金ほど上げる事にした。

最後に『宣伝/逆宣伝』は需要を増やすもしくは減らす事ができます。プレイヤーはディスプレイのカードを選び、そのカードに書かれた販売価格に等しいお金を受け取ります。その後、需要を1つ上げるか下げるかします。

需要はこのトラックで管理される。需要が上がると右にマーカーが動いていく。

アクションが3周したら、イベントと販売のフェーズです。イベントカードが配置されていたら、それを解決します。イベントカードは上半分が特定の製品の需要が上がるイベントで下は特殊な収入になります。主に指定されたアイコンの数によって収入が貰えるみたいな感じ。

イベントは全員プレイするとは限らない。

その後、次のラウンドで発動したいイベントカードがあれば、手札から配置することが可能です。自分に不利なイベントしか手札にないと思うなら配置しなくてもOK。

最後に製品の売却。建設した工場の上部に描かれたアイコンの数だけ製品を売却します。単価は工場の下部に示された価格。単純にアイコンの数×単価の金額を得るわけですが、売却時にアイコンの数だけ需要トラックを下げないといけません。さらにそれによって需要が0になったら、それ以上は売れなくなります

ICチップ的なのがかなり需要があるので、強気の値段設定でもいけると予想。

例えば、工場のアイコンが5つあって、単価が4金。需要が4だった場合は5×4=20金ではなく、4×4=16金になります。

こうなると、売却する順番が重要になるわけですが、売却の順番は製品の単価が安い方が先になります。単価の一番安い人がその製品を全て売って、それでも需要が残っていれば、次に安い単価をつけているプレイヤーが売却をすると言った感じ。

これらが全て終わったら、ラウンド終了になります。スタートプレイヤーマーカーを隣に移動させて、次のラウンドを行います。5ラウンド終わったらゲーム終了です。

最後に各製品のアイコンの数×六芒星みたいなアイコンの数字の結果を所持金に足して、最も所持金の多いプレイヤーの勝ち。

■遊んだ感想

需要と相手の出方を見ながら価格設定を考える比較的ミニマムな経済ゲーム。

工場を建てて、需要を生み出し、値段を考えると言う行為をカードだけで行うと言うなかなか異色なゲームだと感じました。しかも、毎ラウンドたったの3アクションしかないのに全部やらないといけないので、「あれをやったら、これができない。」と言うジレンマに襲われます。

特化した方がいいのか満遍なくやった方がいいのか、どっちだろう?

限られた需要を如何に確保していくかのやり取りがプレイヤー間でバチバチになっており「これは売れるだろう。」と思った矢先に逆宣伝されるわ、価格を下げられるわで思ったようにいかないところが面白いポイントです。もちろん、反対にお互いに需要を高めあってWin-Winの関係を築く事もできます。

一過性だけど。

手元と相手と真ん中と、見ないといけない場所が多く情報量の多いゲームだと思いますが、経済ゲームとしては比較的コンパクトに納まっているのではないかと思います。


ルールの複雑さ  :★★★★★☆☆☆☆☆
駆け引き     :★★★★★★★★☆☆
運の要素     :★★★★☆☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★☆☆☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★☆☆☆

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