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エズラとネヘミヤ / Ezra and Nehemiah

デザイナー:Shem Phillips, S J Macdonald
アートワーク:Sam Phillips
出版社:Garphill Games, KenBill
プレイ時間:90~120分
プレイ人数:1~4人

参照:Boardgame Geek

■ゲーム内容

旧約聖書の世界を舞台にエルサレムの復興を進めるゲームです。バビロン捕囚終焉後のエルサレム帰還あたりがテーマ。

大まかなゲームの流れは、カードをプレイしてアクションの強度を高めつつ、3種類のアクションを実行して、資源や勝利点を獲得していく感じ。

各プレイヤーは個人ボードと同じ内容のデッキを1セットとワーカーを規定の数だけ、そして初期資源を受け取ります。また、メインボードの四隅にある門にワーカーを門番として配置します。あと、デッキからドローして手札を4枚持っておきます。

メインボード。城壁は瓦礫の山になっていて、神殿もなければ、ユダヤの教えも浸透していない。

ゲームは3ラウンド。各ラウンドはスタートプレイヤーから時計回りに手番が回ってきます。6回手番が回ってきたら、ラウンド終了で決算を行います。6日働いたら1日は安息日。

ゲーム開始時の個人ボード。

手番に行うことは最初に手札のプレイ。各プレイヤー4枚の手札から1枚をプレイして個人ボードのスロットに置きます。

スロットは空いてる場所があれば、そこを埋めていき、全部埋まったら上に重ねていく感じ。各スロット置けるカードは2枚までなので、ラウンドが終わると各スロットに2枚ずつカードが置かれていることになります。

毎手番、手札から1枚をプレイして個人ボードに配置。

ここで、重要なのがカード左上の3枚の旗。カードをプレイしたら赤、青、灰色のいずれかのアクションをするわけですが、カードに描かれた対応する色の旗の数がアクションの強度になります。

見えてるカード全部の旗の合計がアクションの強さになる。真ん中光って見えないけど、灰色なら強さ6。

なお、旗の数を数える時は全てのスロットのトップにあるカードが対象になります。

各色のアクションは、2つの異なるアクションで構成されていて、旗の強さをそれぞれのアクションに割り振る事ができます。プレイヤーは色を選んだら2つのアクションを両方やってもいいし、どちらか片方だけやってもOK。

灰色アクションは『瓦礫の除去』と『城壁と門の再建』。ちなみに、この辺はネヘミヤさんの担当。

瓦礫はメインボードの外周に置かれたキューブ。どこか1マスを選んでそこにあるキューブを個人ボードの資源置き場に配置します。キューブの色によって必要となる旗の数が変わります。一番高い黄色は1つ取るのに3旗も必要。

持てる資源の数には限りがある。個人ボードをアップグレードすれば、上限が無くなる。

また、この時にマスから全ての瓦礫が無くなったら、報酬として壺がもらえます。壺は個人ボードのパラメータ。壺は3種類あって、全ての壺が特定のラインを越えるとボーナスがもらえます。

城門や壁の再建をするには、瓦礫のないマスを選ぶ必要があります。マスには再建に必要な資源と旗の数が描かれているので、それを満たすように支払います。

再建するのが城壁であれば、手元の城壁の山からカードを3枚引いて、1枚をマスに配置します。

城壁を置く時は山から3枚引いて、1枚を選ぶ。壁は報酬と得点が異なる。

この時、カードに描かれた報酬と隣に再建済みの門があれば、門に描かれた物がもらえます。なお、この時、門番やってるプレイヤーも同じものが貰えます。

紫が門の隣に壁を再建したので、紫と赤は門の上に描いてある資源を貰える。

再建するのが門の場合は共通エリアにある該当の門カードを配置します。この時、再建したプレイヤーはワーカーを1人門番として派遣します。あとは描いてある資源とカードに乗ってるお金が貰える。

門は場所が決まっていて、再建時は共通エリアから該当の門カードを持っていく。

アクションは『書記教育』と『テントまわり』。ユダヤの教えを布教してるイメージ。ここはエズラさんの領域。

テントまわりは、城壁の外で暮らしてる人達の訪問。周回型のトラックをコマが進んでいきます。進む数は旗の数によって決まり、進む事で様々な収入が入ります。

城壁の外で暮らす人達を訪問。進むことで様々な物を獲得できる。

もう1つのアクションの書記はプレイヤーに永続効果や決算時のボーナスを与えます。書記は逆ピラミッド型に配置されたタイルにワーカーを配置していきます。書記のタイルはテックツリーになっており、必ず下から順番にルートを辿ることになります。ピラミッドの上に行くほど効果が強力。

書記の教育。テックツリーの要領で下からワーカーを積み上げていく。上に行くほど効果が強力。

コストはお金と資源を支払います。さらに上の段にワーカーを配置する時は、辿ってきたルート上にいるワーカーの持ち主に追加でお金を払う必要があります。

赤アクションは第三の男、ゼルバベルさんの領域。エズラやネヘミヤがエルサレムに来る前に、ユダヤ人を率いて、エルサレムに戻ってきた人。

赤アクションは『神殿の建設』と『祭壇』アクション。赤アクションを選択すると最初に手持ちのワーカーをレビ人に変える行動を取る事ができます。レビ人は祭祀の役割を持つ一族。

レビ人となったワーカー。レビ人の数は赤アクションの回数やマジョリティ争いに関わる。

レビ人は赤のアクションを行う回数やマジョリティ争いに関係します。レビ人に送り込むにはコストとしてパンが必要になります。

神殿の建設は白、茶または黄色資源を神殿エリアに置いていきます。キューブは左詰めで、旗が多いほど上の方に置けます。配置すると即座に勝利点や資源などがボーナスで貰えます。複数のキューブを置く事もできますが、MAXは自分のレビ人の数です。

神殿エリア。3つの区画に分かれていて、区画を埋めきるとレビ人決算。

また、神殿は3つの区画に分かれていて、区画が埋まるとレビ人決算が行われます。これによって、レビ人の数の最多最少でボーナスやペナルティが発生します。あと、区画を埋めたプレイヤーはパンが貰えるし、全員レビ人の数だけお金が貰える。

レビ人、ばんざい。

祭壇トラック。黒と灰色の人はボーダーライン。これを越えてるか否かでラウンド終了時に、なんかある。

祭壇アクションは、黒、茶資源を支払って、祭壇トラックを進めます。それぞれの資源で必要な旗の数が決まっています。複数の資源を支払う場合は、その分のレビ人が必要です。

祭壇にはボーダーが存在しており、ラウンド終了時にボーダーを越えているか否かでボーナスやペナルティが発生します。また、ラウンド終了時に先頭を走っているプレイヤーにはボーナスがあります。

祭壇のもう1つの役割がタイブレーク。あらゆるタイブレークは祭壇で先に進んでいるプレイヤーの勝ちになります。なお、同じ位置なら先勝ち。

これらのアクションの他に、フリーアクションもあります。1つはプレイしたカードの下部にある交易アクション。こちらは、何かを支払って何かを得るようなイメージ。中にはワーカーを買う事ができるカードもあるため、旗だけでなくフリーアクション目当てでカードをプレイする事もある。

この手番にプレイしたカードの下に描いてある変換をフリーアクションとして実行できる。

さらには、長老と商人的なやつ。個人ボードの上部にあり、ワーカーを使うことで手番に1回ずつ打つことが可能です。長老は旗を強化してくれて、商人は資源やお金をくれます

個人ボードの上の方にあるのが長老と商人。ワーカーを置く事で旗や資源がもらえる。

あとは、個人ボードの強化。資源を支払うことで個人ボードをアップグレードできます。色々と貰えるものが増えたりする。

特定の資源をたくさん支払うことで個人ボードのタイルが裏返って強くなる。

これを繰り返して6手番ずつ行ったら決算。決算では、最初にこのラウンドで使わなかったワーカーを農夫か役夫にします。そうすることで、パンもしくは資源が貰えます。書記の中にはこのタイミングで何かくれる者もいます。

その次は、このラウンドで使ったカードの中から1枚を選んで埋めます。埋められたカードは以降のラウンドで使えませんが、常時、一番上の旗が発動した状態になります。

さらに埋めたカードの旗の隣に描かれている特殊勝利点を獲得します。

埋めると常に旗が発生するのと、決算での特殊勝利点になる。

その後、レビ人以外のメインボードと個人ボードにいるワーカー全てに1パンずつ与えます。もちろん、門番や書記にも払う。与えられないとペナルティ。

最後に個人ボード上のワーカーを回収して決算終了です。これを3ラウンド繰り返したらゲーム終了。メインボードと個人ボード上の得点、全ての資源をお金に変えて5金1点換算して合計点を計算します。合計点の高いプレイヤーの勝ちです。

■遊んだ感想

強さのピークへの持っていき方とそこからのアクションの切り替えを如何に行うか。

旗の数がアクションの強度につながり、プレイした物も3枚まで強さにカウントすることから、ラウンド開始時から徐々に強度が上がっていきます。よって、どこにアクションの強度のピークを持ってくるか、そしてそこから次のアクションにスムーズに移行するかを考えるのが面白く感じました。なんとなく、中盤で一度ピークを迎えながら、ある程度のその強度を維持しながら、他のアクションに繋げていく感じ。

ゲーム終了。だいぶエルサレムを復興できた。

また、ラウンド毎にカードが1枚得点カードに取られてしまうため、何を埋めるのかを選択するのが悩ましいです。特に特定の色アクションに特化しているカードは、その色による得点がたくさん入る構造なので、得点を取りたいから埋めたいけど、こいつがいなくなると強度が上げづらいと言うジレンマ。

3つのアクションは連動性はあまり高くないイメージで、独立して3つのアクションを考えられるところが、難しすぎないように感じました。

比較的、ゲームのセットアップにランダムな部分が多いのでリプレイ性も確保されていそうです。


ルールの複雑さ  :★★★★★★★☆☆☆
駆け引き     :★★★★★☆☆☆☆☆
運の要素     :★★★★★☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★★☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★☆☆☆

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