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アルティメットレイルロード / Ultimate Railroads

デザイナー:Helmut Ohley, Leonhard "Lonny" Orgler
アートワーク:Martin Hoffmann, Claus Stephan
出版社:Hans im Glück
プレイ時間:90~120分
プレイ人数:1~4人

参照:Boardgame Geek

■ゲーム内容

ワーカープレイスメントの傑作として名高い『ロシアンレイルロード』シリーズのビッグボックス的な扱いのゲームです。基本に加えて、今まで発売された拡張の『ジャーマンレイルロード』、ミニ拡張の『アメリカンレイルロード』、そして今回追加された『アジアンレイルロード』が遊べます。

あとは、ミニ拡張的なものがいくつか付いています。まさにアルティメット。

コンポーネントの量もアルティメット。

いずれも、基本的にはワーカーをアクションスペースに置いて、個人ボードで線路を引いて、機関車をグレードアップさせていきます。さらには別に工業トラックが存在していて、そこには工場を建てながら工業化を進めていく。そんな感じのゲームです。

ゲームは人数によって変わりますが、6~7ラウンド。毎ラウンド終了時に決算が発生し、最後は決算に加えて終了時得点を計算してゲーム終了です。

各ラウンド、プレイヤーはアクションスペースを1つ選んでワーカーを配置します。アクションによってワーカーを置く個数が変わります。アクションは早取りなので、スタートプレイヤーは大事。

アクションは大きく分けて、『路線トラックの前進』『機関車or工場の配置』『工業トラックの前進』『技術者』『その他』みたいな感じに分かれます。

ワーカーを配置するメインボード。ワーカーを置くスペースはおおまかにジャンル別になってる。

まずは『路線トラックの前進』。個人ボードには3つの路線をイメージしたトラックが用意されています。アクションをする事で、このトラックでマーカーを進めます。最初使えるのは素点が0点の無色マーカー。

各色のマーカーを移動させるアクションスペース。

各線路のマスの中には、特定の色のマーカーが描かれている所があります。その色のマーカーが到達すると、矢印の先に描かれた報酬を得ることになります。ちなみに、マーカーが描かれてないけど報酬のあるところは最初からある無色のマーカーが到達すればOK。

これによって、より得点の高いマーカーが貰えたり、追加のワーカーが貰えたり、決算時に追加の勝利点が貰えたりします。なお、マスの中に小さく機関車が書いてある場合は、機関車もそこに辿り着かないといけない

例えば、一番下の緑マーカーは6のマスに到達したので、報酬として追加のワーカーが貰える。

中でも、重要なのは電球マークの場所で、条件を満たすと強いことしか書いてないアイデアチップを配置する事ができます。

アイデアチップの中には、早取りで強力なボーナスが貰えるアイデアカードを獲得できるものなどもある。

これを配置すると、ゲーム終了時の得点になるカードや強力なアイデアカードが貰えたり、やたらとマーカーを動かせたりします。これを上手に使うことでコンボが発生する事もあります。

各プレイヤーが持ってる強力なアイデアチップ。使うことでコンボが期待できたり、特殊カードが貰えたり。

続いて、『機関車or工場の配置』。機関車は共通のサプライに置かれていて、だんだんと数字が大きくなっていきます。

機関車or工場の配置は真ん中辺りのスペース。その右側は工業トラックの移動アクション。

機関車は個人ボードの3つの路線のいずれかに配置され、その数字分の距離だけ輸送できるみたいなイメージです。既に置かれている機関車をグレードアップする事も可能です。

機関車は数字の小さい物から獲得していく。裏面は工場タイルになっている。

機関車の裏面は工場になっており、工業トラックに配置します。工場にはそれぞれ追加アクションが付いていて、工業トラック上でコマがその工場まで到達する事で即座に追加アクションを獲得する事になります。

個人ボードに配置された機関車と工場。路線によっては複数の機関車を配置することもできる。

そして、『工業トラックの前進』。こちらはそのまま工業トラックをコマが進んでいきます。途中、工場タイルがないと進めない所なんかもあるので、進める場合は、工場タイルをいい感じに配置しておく必要があります。

アジアンレイルロードでは工業トラックが共通化。

技術者』は個人のアクションスペースをもたらしたり。技術者はタイルになっており、ゲーム開始時にボードに配置されます。

毎ラウンド1人はコインで雇う事ができて、2人は特殊なアクションスペースになります。技術者を雇うと以降そのプレイヤー専用のアクションスペースとなります。ラウンドが進む度に、並んだ技術者はスライドしていきます。

技術者。右端の人はコインで雇える。その左にいる2人はアクションスペースとして利用可能。

なお、技術者は最後にマジョリティによる得点があるのでたくさん雇っておいた方が良いです。

その他』は一時的に使えるワーカーを獲得したり、コインを獲得したり、得点計算の時に点数を上げるトークンを配置したりできるアクションスペースがあります。さらに、手番順を変更する場所もある。

こんな感じで、ワーカーを置いてアクションをするを繰り返していき、全員がパスしたらラウンド終了で決算となります。

決算では、主に各路線のマーカーによる得点と工業トラックの得点が貰えます。工業トラックはシンプルに進んだ所の得点が貰えます。

各路線は前提として路線ごとの機関車の数字の合計以下のマスが得点計算の対象となります。どんなにマーカーを進めていても機関車が『1』なら1マス目しか得点計算しないみたいな感じ。

機関車が5なので、得点計算は5マス目まで。4と5マス目は緑で1点。1~3は茶色なので1マス2点。

マーカーは進んだマスまでその色で塗りつぶしているようなイメージで、後からより高得点なマーカーが追いかけてくると塗り替えられていきます。

上の図だと、機関車が『5』なので、1~5マス目が計算対象。4~5マス目は緑で1マス1点。1~3マス目は茶色で塗り替えされているので1マス2点。さらに、5マス目は緑で機関車が通っているので+20点。1~4マス目も無色コマと機関車が通りすぎていているので、合計で+10点。全部で37点。

規定のラウンドが終わったら最後に終了時得点の計算です。技術者のマジョリティ得点と終了時得点カードの点数を加算します。

ゲーム中、早取りになる終了時得点カード。大体、一緒に特殊能力的な物も手に入るので噛み合ったヤツを選びたい。

一番得点の高いプレイヤーの勝ち。

■遊んだ感想

直球のワーカープレイスメント。効率良く得点を得るための計画とコンボのシンフォニー。

非常にオーソドックスなワーカープレイスメントとパラメータ上げの組み合わせと言った印象のゲームです。鉄道がテーマになっていますが、線路を引いたりしている感覚はありません。

路線3本と工業トラックの4つのパラメータを上げていくわけですが、それぞれに特色があるため、どこを延ばしていくかで、プレイングが変わってくる所が面白くできています。

また、アイデアチップによる一時的なブーストがゲームに抑揚をもたせており、アイデアチップからの報酬のコンボが発生するとゲーム展開がグッと進んで盛り上がります。チップは置ける場所がそれほど多くないので、コンボが常に発生するわけではない所もグッドです。

ロシア(基本)、ドイツ(路線のカスタマイズ)、アメリカ(工業トラックの変更と取引所)、アジア(工業トラックの共通化)のどれで遊んでも基本は変わらず、様々な味付けがされているので、まずはロシアで遊んでみて気に入ったら他のモジュールでも遊んでみると良いと思います。

ジャーマンはマーカーがある場所に到達すると路線タイルで報酬をカスタマイズできたりする。

個人的にはジャーマンレイルロードの路線カスタマイズがお気に入りです。


ルールの複雑さ  :★★★★★★★☆☆☆
駆け引き     :★★★★★★☆☆☆☆
運の要素     :★★☆☆☆☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★★☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★★☆☆

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