見出し画像

クトナー・ホラ:銀の町 / Kutná Hora: The City of Silver

デザイナー:Ondřej Bystroň, Petr Čáslava, Pavel Jarosch
アートワーク:Roman Bednář, Štěpán Drašťák, Dávid Jablonovský, Jakub Politzer, Milan Vavroň
出版社:Czech Games Edition, Hobby Japan
プレイ時間:60~120分
プレイ人数:2~4人

参照:Boardgame Geek

■ゲーム内容

チェコにある都市クトナー・ホラを舞台にした都市発展ゲームです。ざっくり言うと、鉱山を掘って土地を確保して建物を買って建てる。と言う行動を繰り返していく感じになります。

各プレイヤーは最初にギルドに所属します。ギルドの所属は決められた3つのギルドのセットの中から選ぶ感じです。

ギルドによって変わるのは、収入で参照する資源建てられる建物になります。つまり、プレイヤーによって建てられる物が変わる事になります(3つのギルドに所属するのでもちろん被りはあります)。

個人ボードの真ん中にハマってるのがギルド。青は許可証、黒は鉱石、茶色は木材を取り扱うギルド。

ゲームは規定のラウンド数行われます。各ラウンドではプレイヤーは手番に手札として持っている6枚のアクションカードの中から、2枚、2枚、1枚とプレイして合計5アクション実行します。カードは上下で異なるアクションが記載されており、プレイする時は、どちらかのアクションを選択です。

各アクション2枚ずつしかない。ジョーカーはオールマイティーだけど、使うと名誉が減る。

カードのアクションは『鉱山』『区画』『独占権』『建物』『収入』『聖バルボラ』とオールマイティーだけどペナルティのある『ジョーカー』。

鉱山』は文字通り鉱山を掘ります。コストとして代金を支払って労働者を鉱山に派遣します。鉱山に入るには許可証が必要で、許可証のない労働者がいる場合はその分のお金を支払っておく必要があります。

鉱山に入ると、鉱山タイルを引いてそれをメインボードに配置します。この時、入り口から繋がるように掘り進める必要があり、隣接したタイルによって、追加でお金を支払う必要があります。

鉱山は横軸が階層。ゲーム終了時には、各階層ごとに星の数でマジョリティ争いがある。

鉱山タイルによって、収入となる鉱石の生産量が上がるのに加えて、各資源の価格変動が発生します。また、ゲーム終了時には鉱山の深さごとにマジョリティ争いを行います。

区画』は町の1区画を購入して、自分の土地とします。購入できるのは、既に建っている建物に隣接した区画、かつ誰も購入してない区画。区画を購入するにはお金が必要になりますが、やはり隣接している建物によって価格が変わります。

建物に隣接した区画の所有権を得る。コストは隣接する建物タイルに書かれている。

独占権』は建物タイルの購入です。建物タイルはギルドごとに山になっていて、所属しているギルドの物か公共の建物しか購入できません。購入されたタイルの山は次回の購入価格が上がります。

建物はギルドの色と同じものか全体的に黄土色っぽいのが共通の建物。

建物』は所有している土地購入した建物タイルを配置します。配置するためには、建物タイルに示された数の木材が必要になります。こちらも許可証と同様、建設する時に必要な木材分のお金を支払う事になります。

建物を建てることで、鉱山と同様に資源の生産力が上がります。上がる生産力はそのギルドが取り扱える資源です。また、建物が建つ事によって資源の価格が変動します。建設された各ギルドの建物には建てたプレイヤーの家コマが乗せられます。これにより、ゲーム終了時得点やコマが個人ボードから外れた事によるボーナスが発生します。

建物の報酬を貰ったら建物タイルは裏面にしておく。隣接する建物とアイコンが同じなの大事。

ギルド以外の建物としては中立の公共施設があります。病院とか市庁舎みたいなものですね。こちらも建てると資源の価格変動が置きますが、それ以外に集めると様々な恩恵がある名誉点や、『聖バルボラ』アクションで使う紋章トークンなども貰えます。さらには、議会に送り込むための貴族が出てくる事もあります。公共建物の周囲にある建物はゲーム終了時に貰える勝利点も高くなる傾向があるので大事です。ただし、公共の建物なので自分の家コマは置けません

収入』は資源の生産力に応じたお金を獲得します。このゲームでは資源はいくつかありますが現物支給ではなく、常に市場価格から計算されたお金で支給されます。各アクションのコストの支払いも全てその時の市場価格をベースにお金で支払いですね。また、公共施設により発生した貴族を議会へ放り込む事が可能です。もちろん、こちらもお金を支払う必要がある。

左側が生産力。資源1つ辺りの価格から収入を割り出す。

貴族が議会に入ると、ゲーム後半に定められた条件を達成していれば、ラウンドごとに勝利点が発生します。達成条件は『自分の建物に隣接している公共施設の数』とか『紋章トークンの数』とか『鉱山の各階層に労働者がいるか』とかそんな感じ。

10金払って貴族を議会に送り込んどくと、ゲーム後半に特定の条件で勝利点が貰えるようになる。

聖バルボラ』は紋章を使って行う特殊なアクションで、強力なのですが誰かが使うとアクションの内容が変わっていきます。無料で何かができたり、勝利点が貰えたり、名誉点が上がったりします。中には収入が2回入るとか言うものもある。

バルボるとタイルが裏返って、効果が変わっていく。左下から右上に向かって効果が移り変わる。

ラウンド終了時には、ラウンド開始時に提示されたイベントの解決と税金の支払いがあります。税金はイベントカードによって引き上げられ、公共施設を建てたり、聖バルボラアクションをするとさらに上がります。払えないとペナルティ

最初の数ラウンドや税金も1桁だけど、最後の方は20金とか平気で言ってくる。

これを繰り返していき、ゲームが終了したら得点計算。鉱山の階層ごとのマジョリティ争いによる得点と町の建物による得点を加算します。町の得点は周囲の建物とのアイコンの一致数です。

一番得点の高いプレイヤーの勝ち。

最後にこのゲームの大きな特徴である市場について。

このゲームには鉱石、銀、木材、許可証、ビールなど各ギルドが取り扱える資源があるわけですが、それらの資源は全てお金に換算されています。その価格を決めているのが、市場になるわけです。この市場は2つ用意されていて、それぞれ鉱石デッキ(鉱石、銀、許可証)と人口デッキ(木材、ハム、ビール)と言った具合にカードデッキになっています。

スライダーの下は、実は山札がセットされている。カードがめくられると価格がまとめて更新される。

市場の価値は横にスライドする事もありますが、鉱山を掘ったり、建物が建ったりすることでデッキ自体がめくられていきます。そうすることによって、関連している資源の価格が一緒に変動していきます。

最初の頃は銀の価格も高いけど、いっぱい掘れるようになると、果たしてどうなることやら。

各資源の価格は収入や支出に直結するので、「木材の生産力上げて収入しようと思ったら、木材がストップ安になってる」とかも考えられます。

■遊んだ感想

やることの見通しはいいが、連動して変動する市場が問題。

鉱山掘る→区画を確保する→建物を買う→建てるを繰り返すような形でゲームが進んでいくので、やることの見通しは重量級のゲームとしては比較的良いと思います。

問題なのは市場。

人口が増加すれば、色々と相場も変わるよね。とかそういう事だとは思いますが、複数のパラメータが変わっていくため、収入などのアクションを見定めるのが難しくなっている印象です。

特にゲームの終了に向かって大まかに資源の価値がどうなっていくか分かれば良いかもしれませんが、特に指針はないため、気付いたら下がる一方だったりします。

聖バルボっていくとキレイな大聖堂が出来上がる。

裏を返せば、読めない市場の変化に一喜一憂することになります。この市場の変化をどのように感じるかによって、ゲームの評価が分かれるように感じました。

コマにはリウッドが使用されていて、造形もただの木コマより作り込まれているなど、コンポーネントもしっかりしているように感じます。ただ、ボードが折り畳み式ではなく、パズルみたいに組み合わせる方式になっているのが、ちょっと気になりました。


ルールの複雑さ  :★★★★★★☆☆☆☆
駆け引き     :★★★★★☆☆☆☆☆
運の要素     :★★★★☆☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★☆☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★☆☆☆☆

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?