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アノ1800 / Anno 1800: The Board Game
デザイナー:Martin Wallace
アートワーク:Fiore GmbH
出版社:KOSMOS, Arclight
プレイ時間:120分
プレイ人数:1~4人
■ゲーム内容
自分の都市に様々な工場を建てて発展させ、旧世界や新世界を探検し、なんやかんやしていくゲームです。同名のデジタルゲームをボードゲームに落とし込んだものになります。
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ゲームを始める前に個人ボードを受け取り、ワーカーとそれに紐付く島民カードを受け取ります。これらのワーカーが求める物を生産していく事がゲームの目標にもなっています。
メインボードには大量のタイルが置かれます。タイルはそれぞれ工場、造船所、船となっており、工場には生産できる製品とそれを建設するのに必要な製品が描かれています。
工場はテックツリーのようになっていて、『AとBでCの工場を作る』→『CとBでDの工場を作る』→『CとDでEの工場を作る』みたいに徐々により技術的に難しいものが作れるようになります。
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また、ゲームごとに変わる得点条件や特殊アクションなどが公開されます。
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ゲームが始まるとスタートプレイヤーから時計回りに手番が回ってきます。手札の島民カードを全てプレイしたら、終了フラグ。同じ手番数になるようにプレイして終了です。
手番に出来ることは、以下の通り。
《アノ1800の手番にできること》
・工場/造船所/船の建設
・島民カードをプレイする
・旧世界/新世界ボードの獲得
・ワーカーの追加/アップグレード
・遠征カードの獲得
・手札の島民カードの交換
・お祭りの開催
まず、工場、造船所、船の建設や島民カードのプレイには必要な資源を生産する必要があります。資源を生産する場合は個人ボードの対応する工場にワーカーを配置します。各工場は置けるワーカーの色が決まっており、同じ物は1つしか生産できません。
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工場、造船所、船はそれぞれ自分の個人ボード上に建設します。既に配置されている建物や船を上書きする事も可能ですが、造船所と船は海岸線と海にしか配置できません。工場はテックツリーの要素となるわけですが、造船所は船を作るために必要で、船はその種類によって、交易トークンか探検トークンをプレイヤーにもたらします。
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島民カードは、個人ボードの横に公開します。島民カードには1度だけ使える様々なお助け効果があります。島民カードを全てプレイすることがゲームの終了条件なので、できる限りのプレイしたいのですが、自転車や自動車みたいなテックツリーの頂上にあるような製品を求める人もいます。
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ちなみに、製品が生産できない場合は交易トークンを支払う事によって、他のプレイヤーから貰う事ができます。使われた方は代わりにお金が1金が貰えます。
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旧世界、新世界ボードの獲得には、探検トークンが必要となります。探検トークンは主に船から生み出されたり、島民カードの報酬でもらえます。
旧世界ボードは所謂個人ボードの拡張です。新世界ボードは、新世界でしか生産できない素材の獲得になります。スパイスとかカカオとかそういうものですね。
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また、新世界を獲得することで島民カードが3枚も増えます。これらは通常の物ではなく新世界の人々です。ちなみにこれらの素材は工場建設で、コーヒーやチョコレートにできるのですが、素材を使うにはワーカーではなく交易トークンが必要になります。
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ワーカーのアップグレードや追加は、やはり必要な製品を工場で生産する事で行えます。ワーカーを追加すると島民カードが増えることを忘れずに…。アップグレードでは島民カードは変わりませんが、ワーカーの色を1段階強い色に変えます。一番下の緑なんかはゲームが進むと必要なくなってくるため、適宜上のレベルに上げていきたいところです。
遠征カードの獲得は探検トークンを支払って獲得するカードで、ゲーム終了時にワーカーを得点に変えます。カードに示された色のワーカーを配置していき、その分だけ得点です。
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最後にお祭り。お祭りを行うことで工場で使用していたワーカーを家に戻し、交易と探検トークンを船の上に戻します。要はリセットですね。
ちなみにワーカーはお祭り以外でもお金を支払う事で戻すこともできます。お給料大事。
何れかのプレイヤーが全ての島民カードをプレイしたら、そこから手番が同じになるようにプレイを続けてゲーム終了。得点計算を行って最も勝利点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
■遊んだ感想
タイルの数に圧倒されるが、箱庭感のある、のびのびテックツリー。
メインボードに並んだタイルを見て、「こいつはビッグゲームになりそうだ…」と覚悟しましたが、意外とシンプルなテックツリーのゲームでした。
何よりも、交易トークンがあれば、他人から資源を借りることができ、「なければ借りればいいや。」の精神でいられるため、バチバチとやりあう感じはありません。
この緩さゆえに、大量のタイルと手元のカードを見ながら、自分で好きなようにテックツリーをデザインしていく楽しさが味わえます。
ワーカーが増えると島民カードも増えていくため、ワーカーを増やすばかりが良いことではなく、状況にあわせて、適宜アップグレードしていく必要があるところもちょっとした計画性が求められて面白いところです。
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相手からの干渉もほぼないため、自由に箱庭を作りながら、テックツリーをデザインしていくのがとても楽しい作品です。
ルールの複雑さ :★★★★★★☆☆☆☆
駆け引き :★★★★☆☆☆☆☆☆
運の要素 :★★★★☆☆☆☆☆☆
おすすめ度 :★★★★★★★☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★★☆☆