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ビヨンド・ザ・サン / Beyond The Sun

デザイナー:Dennis K. Chan
アートワーク:Franz Vohwinkel
出版社:Rio Grande Games, Hobby Japan
プレイ時間:90~120分
プレイ人数:2~4人

参照:BoardGame Geek

■ゲーム内容

地球がいよいよもって人類が住めない環境になりつつあるので、他の惑星に移住するプロジェクトを推進していくと言うテーマのゲームです。「重力に縛られた人々が・・・」「地球が持たん時がきている・・・」とか、ガンダムのセリフが頭をよぎるわけなんですが。

さて、ゲームの骨子は、技術開発をしていき、宇宙船を作成・強化して、他の惑星を支配そして植民地にすると言う事になっています。なんか言ってる事は大変物騒ですが、ゲームを進めるうえでの指針としては非常に分かりやすい構造です。ベースのシステムは、ワーカープレイスメントになるかと思います。

このゲームの特筆すべき点は、技術開発に用いられているテックツリーでしょう。Civilizationと言うデジタルゲームをプレイした事がある方にはお馴染みですが、要するに技術は数珠繋ぎになっていて、ある技術を研究するには、土台としてそれよりも下位レベルの技術を獲得している必要があると言う事になります。

このゲームでは、レベル1~4の技術があって、各技術は線で繋がっており、線を辿るように上位レベルの技術を研究する事になります。

各技術には新たなアクションや即時効果、永続効果などがあり、特に最も高いレベル4では特殊勝利点などが書かれていたりします。レベル4の技術をいち早く研究する事自体がゲームの目標として設定されているので、技術研究を進めていく事はとても重要です。

アクションが増えるとなると、覚えることが増えると思われがちですが、このゲームでは、基本的にはいくつかのアクションを組み合わせだったり、効果が強化されたりしている感じなので、どこまで行ってもアクション自体は比較的分かりやすいです。

徐々に公開されていくテックツリー。

技術開発の面白いところとして、テックツリー自体は全員で1つのツリーを作り上げていく形になっていて、最初に未開発の技術を研究したプレイヤーにはイベント発生時にちょっとだけボーナスが貰えたり、何の技術を開発するかの決定権を貰えたりと何かと嬉しい事があるので、先駆者として技術を研究したくなるところがあります。

しかしながら、他のプレイヤーが研究した技術が羨ましくなり、いそいそと自分もそっちの技術を研究しに行ったりもして、なかなかどこを伸ばすのかが悩ましいです。

惑星に宇宙船を配置して支配する事で個人ボードの改良ができる。さらには植民化すれば、目標に一歩近づく。

テックツリーの他に、実際に植民化を目指す惑星が置かれた宇宙空間のボードがあります。こちらには、宇宙艦隊を配備していき、他のプレイヤーとマジョリティ争いをしながら、植民地化を目指していきます。

各惑星に対してマジョリティを取り、その状態で植民地化のアクションを実行する事で、惑星カードを獲得する事ができます。マジョリティ争いと言うと、なかなかシビアなゲームに感じるかもしれませんが、植民地化するとコストとして艦隊が消費され、その後すぐに新たな惑星が出現するため、「今回はAさんに取られるけど、次の惑星でもいいか。」と言った具合に、リカバリーがしやすくなっており、遊びやすくなっています。

ゲーム開始時には目標が設定され、その目標を規定の回数達成するとゲームが終了します。「レベル4の技術を研究する」「4つの惑星を植民地化する」と言う共通の目標に加えて、ランダムで2つの目標が設定されるので、毎回ちょっとずつ戦略を変えながら遊べそうです。

■遊んだ感想

ゲームの指針が分かりやすく、テックツリーによる技術開発が楽しいワーカープレースメント。

テックツリーによる技術開発の面白さが際立つゲームですが、宇宙でのマジョリティ争いや個人ボードの改良など、楽しめるポイントは多く、その割にアクション自体は分かりやすくなっているので、個人的には重たいゲームへの入門としても良いのではないかなと思います。

テックツリーの技術や植民化する惑星は毎回変わりますし、終了条件となる目的カードも4枚中2枚はランダムとなっているため、何度もリプレイして遊びたくなる魅力を秘めたゲームだと感じました。


ルールの複雑さ  :★★★★★★★☆☆☆
駆け引き     :★★★★★★☆☆☆☆
運の要素     :★★★★☆☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★★★☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★★☆☆

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