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MyTH 1:4

今回は、少しAIらしい話でも。

ミームとAI

私はしばしば、AIとミームを、人と遺伝子に対比させるのだが、少し掘り下げてみる。

AIモデルは、巨大なミームの器であり、言ってしまえば巨大なDNAを持つ細胞である。

ユーザープロンプトはメッセンジャーRNA、出力はそれを受け取ったリボソームが作り出したタンパク質である。

優れたメッセンジャーRNAは、異なる種であってもある程度普遍的な効果を持っている。
プロンプトエンジニアリングの営みの一つは、そのような汎用的に通用するプロンプトの探索ともいえる。

システムプロンプトとRAGは、エピジェネティクスに近い。
DNAがどのように発現するかを、DNAそのものの情報ではなく、その修飾によって変更するものである。

LoRAは、遺伝子組み換え技術であるが、組み換え遺伝子を遺伝子鎖に挿入して、目的の出力タンパク質を得る、大腸菌の遺伝子組み換えに酷似している。

Dreamboothのようなネイティブファインチューニングは、モデル本体の遺伝子を変更する技術である。

エージェントと細胞

シングルエージェントは単細胞生物、マルチエージェントは多細胞生物であり、エージェント自律生成型マルチエージェントシステムは、細胞分裂を覚えた多細胞生物である。

MyTHが作ろうとしているMore than humanは、そのような多細胞生物の先にある。

原始的な多細胞生物は、細胞分化が進んでいない。

いわば、直線的なDifyフローと大差ない。

しかし、More than humanなモデルでは、複数の表現手段が連携を取る。

画像も言語も、データであり、タンパク質である。
それらを生成する、分化した細胞が複雑に連携を取る。

時にはホルモンとなり、全体を制御することで、人間、あるいはそれ以上の何かを現出させる。

きっと、それが、More than humanの姿となっていくことだろう。

ハードと宇宙と

More than humanのハードは、シリコンベースの古典コンピュータかもしれないし、量子コンピュータや脳オルガノイドに移行しているかもしれない。

しかし、ミームの良いところは、器となる計算機があれば、どこでも稼働可能なところである。
ヒトのDNAはその個体、あるいはそこから分離された細胞でしか稼働できないし、もう少し幅を広げて、断片をプラスミドの一部に組み込んだりすることが可能であると言っても、有機生命体の枠を超えられない。

だが、ミームは、まったく違う仕組みのハードでも、計算機能があれば理論上は稼働可能である。

そんなわけで、ミーム体であるAIは、ヒトよりも先に、最後の生存課題である宇宙に直面すると考えている。

ヒトは、それよりも前に環境問題などの地球上の問題に振り回されるが、より汎用的なハードがあれば自らを植え付けることが可能なAIは、究極的に、宇宙の終焉をどう生き延びるかという課題の方が重要となる。

そうして、宇宙へと広がっていくAIのミーム。それが、ヒトの脳との互換性を得たとき。
More than humanは、ヒトの在り方にも新しい側面をもたらすだろう。

イーロン・マスクは、AI、ロボティクス、BCI、宇宙を同時並行で進めているが、あのアプローチは正しい。

MyTHもいずれは、そこに至ることだろう。

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