損得とは何か
目先の僅かな「得だと思えるもの」を掴みに行く。しかし大抵の場合、その「僅かな得」は大局的に見ると損だったのではないか。
人は誰でも得をしたい生き物だと思う。人より欲をしたいと思う。その心が長い目で見たとき、損をさせている。私たちは一体、何を損だと思っているのだろう。
お金を失ったとき、時間を無駄にしたとき、チャンスを逃したとき、そのものというよりもそう感じたときだろうと思う。けれどそのできごとや現象が起きた時には損だったのかどうか、わからない。
損とは何か。人が求めてやまない得とは何か。
得をするのは賢い人間か。損をするのはバカな人間か。それは所詮一方からの見方。
得をするのは賢いのか、得をするのは良いことなのか。誰もが得を求めて右往左往する。しかしその「得」の裏には深い、深い「損」が貼り付いていやしないだろうか。その僅かばかりの得の裏に貼りついた損は、あまりに不釣り合いでとうてい「勘定」などできる気がしない。
損、得とは何か。自分が得を取ろうと必死なものは、他人に損をさせられまいと疑心暗鬼になり安らぎを失う。これは損ではないのか。自分の得ばかり考えるから当然、他人もそうであるに違いないという考えに至る。
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