内服ステロイドの違い
ステロイドの違いみなさん理解して服薬指導できていますか??
私はあまり理解しておらず、服薬指導時に「炎症を抑える薬です」としかなかなか言えていませんでした。
ステロイドの種類
①短時間型(生物学的半減期:8~12時間)
コートリル(一般名:ヒドロコルチゾン)
②中間型(生物学的半減期:12~26時間)
プレドニン(プレドニゾロン)
メドロール(メチルプレドニゾロン)
③長時間型(生物学的半減期:36~54時間)
リンデロン(ベタメタゾン)
デカドロン(デキサメタゾン)
中間型は作用時間が長すぎず、短すぎず適度に効き目があるため、隔日服用、朝多め夜少なめなどの調節をするのにプレドニンは最適なのです。
作用の強さ
ステロイドの強さはヒドロコルチゾンを1として評価されます。
コートリル:1.0
プレドニン:4.0
メドロール:5.0
リンデロン:25.0-30.0
デカドロン:25.0-30.0
強さはコートリル<プレドニン<リンデロンです。
作用機序
プレドニンは炎症を誘導するタンパク質発発現を抑制します。
ほぼ全ての細胞に存在し、炎症を誘導するグルココルチコイドという受容体に結合できます。
服用時の注意点
プレドニンの用法は朝または昼の処方が多いと思います。
なぜでしょう??
これは副腎皮質で作られているステロイドの量と合わせるためです。
副腎皮質で作られるステロイドは1日で朝が一番多いため、体内リズムに合わせています。
しかし症状に合わせて夕に出る場合もあります。この場合は不眠等の症状が出ていないか確認してみてもいいかもしれませんね。
妊娠中の使用
ステロイドを分解・不活化させる酵素が胎盤には多く存在しています。この酵素によってプレドニンは90%近く不活性化されるため1日20mg以下であれば胎児に影響することはありません。
しかしリンデロンは不活性化が33%と低いため、妊婦がステロイドが必要になった場合はプレドニンを使用するのが一般的です。
まとめ
短時間型:コートリル
中間型:プレドニン
長時間型:リンデロン・デカドロン
強さ:コートリル<プレドニン<リンデロン
服用時点:朝が推奨(症状に合わせて夕に服用することも)
妊婦:プレドニン20mg/日以下であれば使用可。リンデロンは使用しない