サーチコンソールの内部リンクはページランクとリンクジュースの濃さを表している?
内部リンクの張り方の目安を導き出すために、サーチコンソールの「内部リンク」のデータを整理し「ページランクとリンクジュースの濃さ」が読み取れるのではないかと考察しています。
内部リンクの目安(暫定)
内部リンクを設置する目安は、次の通りです(24/07/04暫定)。
「全ページ」にトップページとカテゴリページへのリンクを設置
「カテゴリページ」は配下の子ページすべてにつなぐ
「子ページ」は同一カテゴリ配下の子ページすべてと、関連性のあるページ(少なくとも1回以上キーワードが出現するもの)につなぐ
記事本文中で紹介する形が最も強い
設置する数の目安はない
全ページに行う施策
サイト内すべてのページに、「トップページ」と「カテゴリページ」へのリンクを設置します。弊サイトの場合「index.php」「業界研究」「エントリーシート」「企業研究」などへの内部リンクを全ページに設置しています。
カテゴリページに行う施策
カテゴリページには「トップページ」「他のカテゴリページ」に加えて、「配下の子ページすべて」に対する内部リンクを設置します。上記例では「就職活動のやり方」には、そのカテゴリに属する「早期選考」「就活の時期」「〃の準備」などの子ページにリンクを張っています。
子ページに行う施策
子ページにはカテゴリページと同様のリンクを設置します。上記例では「就職活動のやり方」配下の子ページ同士を関連記事という形でつないでいます。
本文中で紹介する形が最も強い
上記はテンプレート的な設置方法ですが、それはあくまで「サイト構造をGoogleに伝える」「抜け・漏れなくクロールしてもらう」ことが目的です。
「各ページの検索順位を上げる」目的では、各記事本文中で紹介する形が最も強く、「関連記事」として一覧表示するだけではほぼ効果がありません。
設置する数の目安はない
「内部リンクがいくつあれば最適なのか」が気になると思いますが、「検索順位を上げる目的」の場合、内部リンクの数に意味はありません。
SEO評価では、リンク数が多いと「これはトップページだ」「カテゴリページだ」と認識してもらえますが、それ以上の意味はありません。上位表示されるのは「関連性の高いリンクを集めているページ」です。
要するに、関連性の低いリンクを大量に集めても無意味だということです。例えば「全ページから全記事に張る」ような行為は「リンクジュース」を無駄に垂れ流すため、関連性の低いものはなくしたほうがよいでしょう。
一方で関連性の高いリンクは積極的に張っていきましょう。例えば各記事で「エントリーシート」に言及する際は、「エントリーシート」の記事へのリンクを必ず張るということです。ただし、1つの記事内で2回以上張ってもSEO上の意味はありません。例えばwikipediaのように、「エントリーシート」という言葉が複数回登場する記事でも「リンクは1回ずつ」にするのがよいでしょう。
考察の過程
サーチコンソールの内部リンクについて、どのように考察したのか具体的に記述します。
リンクの総数と一覧表示の件数の差異を発見
「トップページ」「カテゴリページ」において「内部リンクの総数」と「このページにリンクしている内部ページ(以下、一覧表示の件数)」に差異があることに気づきました。
画像中の「howtoselect.php」はカテゴリページですが、内部リンクの総数が513件あるのに対し、一覧表示の件数は214件と大きな差があります。
これを当初「『1ページ複数回リンク』がカウントされているもの」と考えていましたが、それは間違いでした。子ページはこのような差異が見られなかったからです。
一覧表示されないリンクの特徴
一覧表示されないリンクの特徴を探るため、「内部リンクを設置しているにも関わらず一覧に表示されないページ」の表を作成しました。(トップページとカテゴリページには全ページから内部リンクを施しています)
そもそも弊サイトのコンテンツ数は464件なので、「内部リンクの総数」が多すぎます。これはおそらく現在発生している重複ページ約16,500件のうち、Google的にページの存在が許されたものがカウントされていると思われます。
調査の結果、一覧表示されないURLには次の特徴が認められました。
カテゴリページとの関連性が低いページ
直近1ヶ月で新規作成したページ
サイトマップのlastmodが3~7年以上前なページ
また、トップページで一覧表示されないURLは、自分が属しない他のカテゴリページでも一覧表示されない傾向がありました。
このことから、「このページにリンクしている内部ページ」に表示されるURLは「一定水準以上のリンクジュースを渡してくれているページのリスト」だと推測できます。
考察の詳細
「内部リンク」に表示される基準が「リンクジュースの濃さ」だとした場合、次のようなことが考察できます。
「かつての人気ページ」は順位下落後も濃いリンクジュースを流せる
カテゴリ分類を間違えるとリンクジュースが流れない
リンクジュースの濃さに「そのページの検索順位」は関係ない
ただし、本項目の記述はあくまで考察であり、現在実施中の「重複コンテンツの処理」および「サイトマップのlastmodに関わる一連の諸問題」の解消とあわせて検証する必要があります。
「かつての人気ページ」は順位下落後も濃いリンクジュースを流せる
「トップページ」「全カテゴリページ」にリンクジュースを流せているURLの中でも目を引いたのは、「かつて人気だったが現在では検索流入がほぼないページ」です。
「リクルーター面接」「グループディスカッション」のページは現在検索圏外で、流入はほぼありません。しかし、2012年当時はこれについて記述したサイトが他になかったため検索1位を取っていました。裏を返せば独自性だけは確実にあるページです。
Google公式見解で「検索ランキングは人気映画ランキングのようなもの」とありますが、過去の人気映画はランキングには出ないものの、現在でも価値はあると言えそうです。
カテゴリ分類を間違えるとリンクジュースが流れない
弊サイトは2024年5月にカテゴリ分類をし直しましたが、その際に「苦し紛れに分類した関連性の低いページ」が少なからず生じました。そのようなページからはどこへもリンクジュースが流れていません。
これは「内部リンクによるエンティティ形成」に失敗し、サイト全体との関連性をGoogleが理解できていないと推測できます。
このことから、子ページは「当該カテゴリの詳細記事である」ことを記事本文中で示す必要がありそうです。
(エンティティとは:その記事の意味・目的・役割などをまとめた言葉。Googleが『それが何の記事なのか』を認識することをエンティティ形成と言います)
リンクジュースの濃さに「そのページの検索順位」は関係ない
lastmodが比較的新しいページで(とは言っても2019~2020年ごろ)、検索上位を取ったことのないものも「トップページ」「全カテゴリページ」にリンクジュースを流しています。
「かつての人気ページ」でも触れましたが、検索順位は関係なく、独自性の高い記事は価値があると考えられます。
サイトマップのlastmodが古いとリンクジュースが流れない
lastmodが2022~2023年のものはおよそリンクジュースが流れていますが、2017~2021年がボーダーライン、2016年以前のものはほぼ流れていません。まとめると次の通りです。
1~2年前までは濃い
3~7年前までは記事の価値による
8年以上前は無価値
特にひどかったのは、「著者プロフィール」が「トップページとの関連性がない」とされていたことです。そのURLは全ページで構造化マークアップまでしているにも関わらず、価値がないとされていたわけです。おそらくその原因は、lastmodが2013年だったことでしょう(lastmodは24/06/29にすべて修正更新しましたので、今後の反映が待たれます)。
(追記)本記事執筆中にリンクが更新され、プロフィールもトップページの一覧表示に追加されました。
考察を正とするならば言えること
仮に考察を正とすると、次のことが言えます。
検索順位が低くても、パクリ記事でなければ消さないほうがよい
サイトマップのlastmodは少なくとも年に1回は更新するか、もしくはそもそもlastmodを記載しないほうがよい
子ページでは属するカテゴリについて言及し、記事本文中で内部リンクを設置するのがよい
よく「不人気記事を消したらサイト全体の順位が下がった」という報告が見られますが、これは「実は濃いリンクジュースを流していた」「他の記事のエンティティ形成に寄与していた」という場合でしょう。
また「lastmodを記載しないほうがよい」については、「就活サイト」とは別で運営している「ゲームサイト」の事例からその根拠を、次の記事で解説しています。