【SEO】301リダイレクトの解除の前に確認するべきこと|重要な”内部リンク”である可能性
「htaccessが冗長になったので301リダイレクトを解除したい」場合に、SEOに重大な影響を及ぼす「確認しておくべきこと」があります。これについてサーチコンソールのデータから解説しています。
301リダイレクトはいつまで続ける?
結論を言うと、旧URLがサーチコンソールから消滅するまでです。よく「最低1年」のような言われ方をしますが、弊サイトでは6年経っても重要な”内部リンク”としての機能を果たしているようです。つまり、リダイレクトをやめると正規ページの評価が下がる可能性があるということです。
このような事態を防止するため、301リダイレクトを解除する際は、旧URLがサーチコンソールから消滅していることを確認しましょう。
このような結論に至った理由について、「(旧)HTTPサイト」「(新)HTTPSサイト」のそれぞれのサーチコンソールのデータを用いて解説します。
HTTPサイトが未だクロールされている
弊サイトは6年前の2018年4月にSSL移行を実施しており、それ以来「HTTP→HTTPS」への301リダイレクトを施しています。ですが、6年経った現在でもGooglebotが旧URLをクロールし続けています。
「HTTP時代にも存在したページ」のうち「約250ページ」について、未だ月1回~毎日の頻度で旧URLをクロールし続けているのです。
参照元に旧URLがある
弊サイトの大半が、サーチコンソールでURL検査すると参照元ページに旧URLが表示されています。
これが「旧URLを未だクロールしている」原因であると考えられます。厳密に言うと、内部リンク再評価のタイミング(3~6ヶ月に一度?コアアップデート時?)で「重要な内部リンク」と位置付けられたのでしょう。
新規ページには参照元にHTTPページがない
サイトがSSL移行した後に新規作成したページは、参照元にHTTPページがありません。
つまり、Googlebotはクロールの際に「わざわざhttp版も見に行っている」のではなく、「”リダイレクトという内部リンク”でつながっているページ」としてhttpページをクロールしているものと思われます。
未だ旧URLが「重要な内部リンク」と認識される理由は?
これには様々な説がありますが、1つ言えるのは「現在の内部リンク構造がGoogleによってまだ評価されていない」ことです。
一般にサイトのリニューアルは、効果が出るのに3~6ヶ月かかるとされています。これは内部リンクの再評価が直ちには行われないことに起因しており、3~6ヶ月に一度、あるいは次回コアアップデートを待たなければなりません。
言い換えるならば、「旧URLからのリダイレクト以外に評価できる内部リンクがない状態」というわけです。主な原因としては、次のものが考えられます。
aタグ&テキストによる内部リンクがないまたはnofollowを付している
関連性の高いリンクに絞れていない
サイトマップのlastmodが古い
弊サイトでは「全ページから全ページへのリンクを張る」という愚行を犯していた上に、サイトマップのlastmodを記事作成日から更新していなかったという問題があり、これにより6年経っても評価できる内部リンクがない状態に陥っていると考えています。
サイトマップのlastmod問題については次の関連記事で解説しています。
【考察】リダイレクトを解除できる条件
リダイレクトを解除してもいいページの条件を考察しています。ただし、あくまで考察のため永久に解除しないほうが無難であることは念頭においてください。
前回コアアップデート以来クロールのないページ
クロール済み - インデックス未登録に移行したページ
【有力】旧URLがサーチコンソールから消滅したページ
前回コアアップデート以来クロールのないページ
弊サイトのhttpページのクロール状況を見ると、明確に「2024年3月」を境に「重要性の高いページ」「低いページ」に分かれています。以下は、「httpサイト」の「ページにリダイレクトがあります」の一覧です。
最終クロール日が3月以前、つまり前回コアアップデートより前のものはすでに内部リンクとしての重要性を喪失しています。しかし、まだ「完全なる無価値」にはなっていないためリダイレクトの解除にはリスクがあります。
クロール済み - インデックス未登録に移行したページ
httpページの「クロール済み - インデックス未登録」の欄を見ると、以下の11ページがリスト化されていました。6年前からリダイレクトを施していますから、今さらこの項目に入るのはおかしな話です。
青色でマークしたものは「リダイレクト先も404」のページで、その他のページの共通点は「スパムリンクを受けたページ」でした(スパムリンクについてはスパムリンク「/1000」で生じた重複ページの処理方法を参照)。
ここから考察するに、スパムリンクによって良くも悪くも内部リンクの構造に変化をもたらし、旧URLの内部リンクとしての重要性が下がったと考えられます。
これによりGoogleデータベース上の内部リンクが切断され、切り離された旧URLが「リダイレクト」ではなく「未登録」に放り出されたということでしょう。
ただし、スパム対応が進むにつれてこれらのページも元に戻る可能性があることと、「未登録ページからのリンク」も「完全なる無価値ではない」ため、やはりリダイレクト解除にはリスクが伴います。
【有力】旧URLがサーチコンソールから消滅したページ
弊サイトでは5月初週より内部リンクを再構築しています。これに関して「旧URL」でのインデックス状況に変化が見られました。それは、「旧URLの消滅」です。
内部リンク再構築以降、徐々に「旧URL」がサーチコンソールから消滅しています。おそらくGoogleにより「新しいサイト構造」が認識され始めており、「価値がなくなった旧URL」をデータベースから削除していると考えられます。
上述の通り、内部リンクの再評価は3~6ヶ月後あるいは次回コアアップデート時に行われますから、現在は旧構造での評価が継続していますが、次回の再評価時に新構造の評価が反映されると思われます。
このように「旧URL」がサーチコンソールから消滅したページは、どのみちGoogleが「存在しない」と認めたURLですから、リダイレクトを解除しても問題ないでしょう。
この他にも内部リンクに関して考察記事を無料公開しています。以下の関連記事では、サーチコンソールの「リンク」のページ、また「HTTPS URL」からそれぞれ各ページの「リンクジュースの濃さ」や「Googleによって把握された内部リンク状況」を推測しています。