【SEO】中古ドメインがやばい理由|デメリットを解説
「中古ドメインはSEOに強い」などという宣伝文句でよく売買されていますが、これがやばい理由についてデメリットを解説します。簡単に言うと「オワコンのブラックハットSEO」です。
1.前所有者のファイルがGoogleに残ったまま
実は、ウェブサイトの削除は簡単ではありません。ファイルをすべて消してドメイン情報をサーバ設定から切り離しても、長い間Googleのデータベースに残り続けます。
上記は2024年5月初週に削除したサイトですが、「site:」のコマンド検索をすると7月の現在でも未だGoogleのデータベースにあることがわかります。
Googleのデータベースからページが消える条件は「すべてのサイトマップとリンクを切断すること」です。「そのドメインにアクセスできない」だけでは、Googleはサイトが消えたと認定しません。明確に「404または410エラー」を返す必要があります。
実際、削除より2ヶ月経過してから上述のドメインを復活させて全ページに410エラー設定したところ、Googleにお知らせしていないのに即日クローラーがやってきました。つまり2ヶ月もの間、サイトが消えたことを信じていなかったということです。
上記画像はアクセス履歴の生ログですが、検索結果に出ないページもクロールしていることから、どんなページがGoogleデータベースに残っているかは外部からはわからないと言えます。
さて、その中古ドメインは低品質・重複・古すぎるコンテンツといったSEO上マイナス効果のあるページを、わざわざ「エラーを返して全ページの消滅を確認する」という手間なことをしてくれているでしょうか?
いざ購入してサーチコンソールに登録してみたら「知らないURLが何千件、何万件もある」「実際アクセスしたら404エラーなのに、どうすればいいの?」と混乱する方も多いです。
もしかするとhtaccessやサイトマップを駆使して何ヶ月も削除作業に追われるかもしれません。
ちなみに、筆者の私は現在、リンクスパムによって大量発生した「低品質・重複コンテンツ」の処理に追われており、スパムアップデートのたびに順位を落とされています。問題発見から対策を講じて2ヶ月半、ようやくこれらのコンテンツがデータベースから削除され始めました。
2.ペナルティ付きドメインの可能性
さて、「評価の高いはずのドメイン」がなぜ中古として放流されているのでしょうか。そこにはさまざまな理由があると思いますが、理由の1つとして「検索順位が下がったので引っ越した」というものがあるでしょう。
それが単にコンテンツの質によるものなら、その中古ドメインを購入しても問題ないでしょう。ですが、ペナルティを受けていた場合は別です。
リンクスパムや無断コピーの他、上記「低品質コンテンツが多すぎる」「文脈に合わない発リンクが多すぎる」「AIで自動生成したページ」など様々な理由でペナルティを受けているドメインの可能性があります。
そしてそんな「ダメページ」はGoogleのデータベースから完全に消えるまでサイト全体を低評価にされる原因になります。
1と関連しますが、「ダメページ」をデータベースから削除するには何ヶ月もかかります。
3.スパムサイトだった可能性
中古ドメインを購入する目的は「ドメインオーソリティの高さ」にあると思いますが、スパムサイトでもハイスコアが出ることがあります。
かなり昔ですが、「goggle.com」というGoogleの偽ドメインにウイルスを仕込む行為が発見されました(現在はGoogleの管理下でアクセスできません)。要はインターネット老人に有名な悪質サイトなのですが、そのドメインオーソリティを見てみましょう。
ウェブサイト "権威性 "チェッカーにかけてみたところ、被リンクが1万9000件もあり、64のハイスコアを獲得しています。しかしそれは、「悪質なサイトとしての被リンク」です。
このように巷で測定される「ドメインオーソリティ」はGoogleのアルゴリズムとは無関係に「被リンクの数」を評価しているに過ぎません。実際のGoogleは「リンクの前後の文脈」や「リンク元のサイトの品質」まで細かくチェックしていますから、もしスパムサイトのドメインを買ってしまったら検索結果には絶対に出ないでしょう。
4.優良ドメインでも使いこなすのは至難の業
現在では「単に被リンクがある」というだけではほぼ意味がありません。
「リンク元が何のサイトか」「リンク前後の文脈」果ては「サイトのどこにリンクを設置しているのか」まで関係してくるのですが、それをいちいち調べてその内容にマッチしたコンテンツをそのURLでアップロードしなければなりません。
実際、筆者の運営しているサイトでも「ドメインオーソリティの高いサイト」から被リンクを受けていますが、記事中でおすすめする形でリンクを張られたページは検索順位が上がり、記事下部でまとめて「参考」としてリンクを張られたページは検索圏外のままです。
トップページの被リンクに至っては「そのサイトの口コミ」の意味がありますから、それに沿った内容のサイトを作らないと、これも無効です。
このように、中古ドメインの被リンクをつかいこなすには、”前所有者になりきる”くらいの難しさがあります。
また、次の関連記事では「評価されないリンクの例」を紹介しています。
5.ペナルティを受ける可能性が高い
中古ドメインで検索ランキングを上げるのは、Googleが公式に不正行為としています。
要は、Googleは「うっかり中古ドメインを買ってしまった」という言い訳も認めないとまで言っているわけです。
4で「被リンクが無効になる」と説明しましたが、引用部分の「オリジナル コンテンツのサイトを立ち上げ、それに古いドメイン名を使用することは問題ありません」とは、言い換えれば「被リンクを無効にする使い方ならOK」というわけです。ですが、それでは中古ドメインを買う意味がありませんよね。
グーグルによる「中古ドメイン」を取り締まる方針は24年5月から有効になっていますが、今後ペナルティを受ける可能性が非常に高いと言えます。