【奥大和体験記 -魅力溢れる十津川村と出会いー】
はじめに
はじめまして!今回
『学生向け奥大和体験プログラム 第5回(十津川村)』に
参加させていただきました、小栗です。
正直このプログラムに参加するまで「奥大和のことってどんなところ…?」という知識0の状態でしたが、今回参加してみて、その印象がガラッと大きく変わりました!
十津川村の豊かな自然や文化、そして前を向き、挑戦を続けることの大切さを学び、十津川村をはじめ、もっと奥大和のことを知りたい、と思うようになりました。
2日間という短い間でしたが、濃く充実した時間の中で私が感じた十津川村の魅力をお伝えします!
十津川村の未来を守るために
プログラムの1日目は、十津川村の方々とゲストハウスの整備を行った後、村や自分の想いを語り合いながら夕食を一緒に食べました。
ゲストハウスの整備では、普段から農作業などをされている方々の中に私が混じって作業することで、足をひっぱってしまうのではないかと心配でした。
しかし、作業をしてみると
「ありがとう!とっても助かったよ!」
「作業大変じゃない?変わろうか?」
と声をかけてくださり、はじめて村に来た私たちを温かく受け入れてくださる風土にとても心が温かくなりました。
夕食の時間には、趣味や十津川村の魅力、移住して良かったと思うことなど、いろんなお話を聞きました。
その中でも特に印象に残っているお話が“神社じまい”です。
十津川村は昔から水害に悩まされ、明治時代には北海道に集団移住した歴史もあります。最近では、2011年の豪雨で大きな被害を受けました。
少子高齢化や災害の影響を受け、ますます人口が減る中で問題となったのが、神社の管理でした。住民は古くから神様を祀る神社を大切にしてきましたが、維持管理されない神社も増えてきたことから、十津川村では神社じまいが検討されてきました。
神様を大切にしている村だからこそ、多くの住民から反対の声もありました。私の地元も古くから神様を大切にする山間の町だったため、神社をしまうことに理解を得ることの難しさを切に感じました。
困難な課題であるにも関わらず、それでも取り組む理由として
「私たちは生活するところは残しつつ、生活できないところは森に還すことをしています。」
とお話されていました。
この言葉から、神社じまいは決してネガティブなことではなく、神社ができる前の、人がまだいなかった自然な状態に戻す、という考えが伝わり、とても素敵なことだと感じました。
また、これからの十津川村で生きる子どもたちが大人になった時に困らないよう、僕たちがやらなくてはいけない、という住民の方の想いにとても感動しました。
“村を守る”とは、これまでやってきたことを引き継ぐだけではなく、“変わること”も村を守ることだと思いました。
“好き”を形にできる村
2日目は、十津川村の家庭の味“めはり寿司”づくりと、十津川村の自然を思いっきり感じられる大人の遊び場“空中の村”を体験しました。
めはり寿司は、ご飯を十津川村で栽培がさかんな高菜で包んだ料理で、昔は山仕事や畑仕事の合間に食べられていました。家庭ごとで味が異なりますが、今回は普段からめはり寿司を朝市や道の駅で販売されている松田さんのもとでめはり寿司づくりを体験しました。
“めはり寿司”という少し変わった名前は、“目を見張るほど大きい”から来ているそうです。販売する際は食べやすい大きさに作っているそうですが、私たちは通常サイズに加えて目を見張るほど大きなめはり寿司もつくらせていただきました。
めはり寿司をつくる過程では、高菜の硬い軸の部分を切り落としていたり、食べた時に筋が葉にあたらないような包み方をされていたり、美味しさはもちろん、松田さんの思いやりがたっぷりと包まれていました。
この仕事を始める前は、小学校教員として勤めていた松田さん。
めはり寿司をつくり始めた理由を伺うと
「好きだから」
とお話されていました。
教員としてはたらいている時も、幼少期から食べてきためはり寿司が好きで自分用に作っていたそうですが、めはり寿司をつくって誰かが喜んで食べてもらえることが嬉しく、退職後にめはり寿司づくりを始めたそうです。
最近ではSNSを活用して宣伝活動も行っており、より多くの方にめはり寿司の魅力を届ける活動をされています。
新しい挑戦をし続ける松田さんにこれからのことを聞いたところ、
「私、まだまだやりたいことがたくさんあるの」
と教えてくださいました。
年齢も住んでいる地域も関係なく、自分がやりたいと思うことをやる、その姿勢が私にはとてもカッコよく、まぶしく感じました。
私も数十年後の未来でも、松田さんのように好奇心を絶やさず、やりたいことをやり続ける生き方をしたいと心から思った出会いでした。
空中の村は、フランスから来日されたジョランさんが十津川村の山や木などの資源を活かして作った、自然を感じながら子どもも大人も好きな時間を愉しめるツリーハウスです。
ジョランさんは幼少期の頃から自然が大好きで、好きなことを仕事にして、その好きを多くの人に体験してほしい、という思いで、空中の村をオープンさせたそうです。
木と木の間にロープやネットがかけられていて、空中をふわふわと移動したり、十津川村の山々を一望したり、木の上でまったりティータイムを過ごしたり、昼寝、読書など、非日常的な体験をしました。
自然の中で自分が好きな時間を過ごしてみて、日々の忙しい生活から一呼吸おいて、気が付くと気持ちが落ち着き、また明日から歩いてみよう、と思えたそんな大事な空間でした。
空中の村の体験後、ジョランさんにインタビューをさせていただき、学生時代のお話から空中の村を作った理由、苦労したことなど、じっくりお聞きしました。
日本には十津川村と同じく、自然豊かな地方がたくさんありますが、なぜジョランさんはフランスから日本に来て、そして奈良県の十津川村に住むことに決めたのかが気になり、質問すると
「いろんな理由はあるけど、最後は人で選んだ」
とお話されていました。私自身も1日目に感じた十津川村に住む方々の温かさや、偶然出会った十津川村との繋がりを大切に、ジョランさんはこの村に移住されていて、私もこの十津川村とのご縁を大切にしていきたいと思いました。
また、十津川村に限らず、もっと人と繋がり、一つ一つの出会いを大事にして、自分らしく好きな生き方ができる土地を見つけて、いつか移住してみたいと思いました。
おわりに 一歩踏み出せるあったかい村
初めて十津川村に来てみて、この村は自然豊かな魅力が溢れていて、なおかつ私たちを温かく迎え入れ、そして前を向いて新しい挑戦を続ける、そんな素敵な村だと感じました。
この2日間で繋がった十津川村とのご縁を大切に、これからも関わっていきたいと思うとともに、2日間では楽しみ尽くせなかった十津川村の魅力を再訪して感じたいと思いました。
私はこのプログラムに参加して、十津川村と出会い、もっと自然や地方と関わり、自分らしく好きな生き方をしていきたい、と改めて自分のことを振り返ることができました。
一歩立ち止まり、十津川村の温かさに触れることで自分を見つめ直し、もうひと踏ん張りしてみたり、新しいことに挑戦したくなったり、私にとって十津川村は一歩踏み出す原点となる大切な場所になりました。
そして最後になりますが、この素敵なプログラムでお世話になった十津川村の方々、MYSH合同会社の方々、奈良県庁の方、そして大切な時間をともに過ごしたプログラムのメンバーに心から感謝いたします。
十津川村の魅力はこのnoteでは綴り切れないほどいっぱいあります!
少しでも興味をもってくださった方は、是非十津川村を訪れて実際に体感してみてください!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!